妹と事業承継をしたが、自社のビジョンが見えず、好きではない車事業の将来像が描けなかった。
その状況下で100億ロードマップを策定。
策定後半年で、2つの新規事業を立ち上げ、中途・新卒採用では中途13名、新卒1名の採用を実現。
姉妹のビジョンができ、今が一番仕事楽しいと思えるように状況になる。
企業情報
- 会社名:株式会社ホンダベルノ栃木中
- 都道府県:栃木県
- 設立:昭和53年11月
- 従業員数:100人(2024年10月)
- 事業内容:ホンダ新車販売・中古車販売、自動車整備
1.ご支援の概要
ご支援開始前の課題
- 2年前に姉妹で2社を任されたが、自社のビジョンが見えていなかった
- 人材採用の先任者を置くことができず、採用面で苦戦していた
- ホンダディーラーとして成長する未来を描けなかった
- 「新規事業を始めなければいけない」という焦りがあった
ご支援内容
- 100億ロードマップの策定
- 中途採用・新卒採用支援
- 新規事業の提案・実行支援
- 自動車部門のコンサルタントによる店長などの研修
ご支援の結果
- 2023年9月に100億ロードマップを策定した
- 半年で、新卒採用・中途採用で中途12名・2024新卒1名を採用できた
- 100億ロードマップ策定後、1年たたずに、2つの新規事業をスタートさせた
- 姉妹2人のビジョンができ、今が一番仕事を楽しいと思える状況になった
2.ご支援内容の詳細
①100億ロードマップ策定
100億ロードマップ策定前は、事業承継をして社長に就任したものの、これからディーラー事業として成長する未来が描きづらいというお悩みを抱えた状況でした。
そのため何か新規事業の立ち上げが必要なのではないかという危機感や焦燥感を強くお持ちでした。
100億ロードマップ策定では100億企業を目指していくためにPMVV・事業戦略・人財戦略・財務戦略を策定しました。
100億ロードマップ策定を通して、若井社長は「まずモビリティ事業を伸ばさなければならない」という覚悟が決まりました。
モビリティ事業を核にして、新規事業立ち上げや地元へ密着できることへの投資などを行うという方向性が固まり、10年後ありたい姿を見える化できました」と語っています。
また新規事業に関しては、船井総研が持つ豊富な事例から提案をしました。
そのため、若井社長は「自分がやりたいもの、やりたくないものをはっきり区別して、始める事業を選定でき、私と妹の夢のお手伝いをしていただけました」とおっしゃっております。
PMVVづくりにおいては、理念自体を深く考えることも時間もなく、もともと自社に理念がないような状況でした。
背景には、PMVVを策定しても、売上にならないため、優先順位が下がり後回しになりがちだったためです。
そこで、100億ロードマップ策定の中でPMVVづくりをしました。時間を取って、自身の価値観を深く考え、壁打ちを繰り返す。妹さまとグループ会社として、今後どう成長するかという価値観・ビジョンを共有することができました。
一般的にコンサルティングは「その時だけのサポート」というイメージを持たれがちですが、船井総研では100億ロードマップ策定後も伴走をし、実行支援をしています。今回も机上の空論だけで終わらないように継続支援を行い、企業価値の向上に寄与しました。
②中途・新卒採用
もともとは不足人員が出た店舗を中途で穴埋めをするような補充採用をしており、年間2~3名ほどの採用状況でした。
採用担当も営業やサービス部門の部長が兼務しており、片手間な体制でした。2023年9月に100億ロードマップ策定の中で、船井総研が提供している「組織Sanbo(従業員エンゲージメント調査)」の結果から、現場の人不足の声が鮮明になりました。
若井社長は意を決して「人財採用へ投資をする」と覚悟を決められました。
2023年10月より新卒・中途採用の強化がスタートしました。まず船井総研が提案したのは「採用体制」です。
新卒で入社される学生が自分の入社した時をイメージできるように「若くて元気な20代を、会社の看板として採用“専任”する採用体制」に置くべきだと、提案しました。
そして2023年11月にホンダベルノ栃木中を詳しく知っており、会社好きな受付事務の若い女性スタッフを抜擢しました。
彼女自身も非常にやる気があり、若井社長が作成した新卒向けのビジョンプレゼン資料を見せたところ、「若井社長、これから新規事業立ち上げなど新しい取り組みをするのですね、すごくワクワクしてきました」という声が上がりました。
中途採用・新卒採用支援の結果として、2023年10月~2024年3月の半年間で計13(中途12名・新卒1名)を採用することができました。(昨年の採用人数は3名)
③新規事業立ち上げ支援
周辺事業のレンタカー事業と異業種のスイーツ事業の新規事業選定と立ち上げを支援しました。レンタカー事業は周辺事業ですが、スイーツ事業はほかの事業との関連性はありません。ではなぜ、クルマ屋がスイーツ事業を立ち上げるに至ったのでしょうか。
答えはシンプルで、経営者がやりたい事業をやることが、最終的にはグループ全体の業績アップに寄与すると考えたからです。
船井総研の創業者・船井幸雄氏も「中小企業はトップで99.9%決まる」と話しておりました。
経営者のモチベーションは大切です。新規事業を立ち上げたい想いを後押しすることにしました。
もともと、経営者姉妹お二人は、「自分の手で作ったもので喜んでもらうのがうれしい」「プレゼントで喜んでもらうのがうれしい」というお二人の内発的動機溢れる想いを持たれており、いくつかあった新規事業候補の中でもスイーツ事業が最適でした。
また、ビジョンや戦略的にも選定理由があります。スイーツ事業を提案した理由は、ホンダベルノ栃木中様はグループとして宇都宮、栃木の「移・食・住」をよりよくするために新事業領域を確立したいという思いをお持ちであったことにあります。
食事業を立ち上げ、拡大するにあたり、大きなテナントを構えて飲食業をスタートさせる形は参入難易度が高くリスクも高いです。
そこで、まずは小さな専門店モデルをスタートし、リスクを最小限に抑えられるため、単品スイーツ専門店事業を提案しました。
スイーツの市場規模は3兆円で安定推移している一方で、食品製造業は作り手の高齢化のため、地域の洋菓子店が減っており、1社あたり売上が拡大している業界です。
また、ディーラー業と違い、自社ブランドを立ち上げ挑戦でき、県外だけでなく、全国を狙えます。
船井総合研究所ではどの“スイーツ“の専門店にするか、候補を複数提案し、若井社長と妹様で最終的に栃木発の「バターサンド専門店」の立ち上げが決まりました。理念でもある「ありがとうの循環」を形にしたバターサンドの業態名は「サンクサンド」。
経営者ご姉妹の想いが詰まった新規事業です。
そこで急ピッチで試食品やパッケージデザインを完成させることにしました。
背景には、若井社長が「経営方針発表会でビジョン・ロードマップを発表して、社員にワクワクする新たな未来を見せたい」と考えたためです。
100億ロードマップを策定し、若いスタッフがわくわくしてくれている中で、絵に描いた餅にならないよう “形”にして見せる必要があります。
2023年12月にスイーツ事業の立ち上げを決定し、2024年4月30日の方針発表会で社長自らが新しいことにチャレンジして、動き出している姿を見せられるように急ピッチで準備を行いました。
方針発表会では、新事業の発表とバターサンド試食会、のパッケージの投票会を通して、会社が変わる体験コンテンツを盛り込みました。
結果として社員からは「楽しみです。私も販売に携わりたいです!」「うちの空き物件を使えないでしょうか?」という肯定的な声が多く上がりました。
毎年、経営方針発表会は数字だけの発表でマンネリ化しておりましたが、今年の方針発表会は「あっという間だった」といい声を社員からいただけました。
まだ、新規事業は立ち上げたばかりです。これからが本番です。
とちなかオリジナルキャラクター「トッチー・ナッチー」
3.船井総合研究所を選んだ理由
妹に誘われて参加した船井総研さんの「新規事業24連発・地域コングロマリットセミナー」。これが、私たちと船井総研さんとの出会いでした。
モビリティ事業の将来性への不安、地域貢献への強い思いを抱いていた私たちは、このセミナーで出会ったコンサルタントから衝撃的な事実を知ることになります。
同じホンダのディーラーであるヒューベストホールディングさんが、モビリティ事業にとどまらず、多角的な事業展開で成功を収めていたのです。
「ホンダのディーラーはホンダ関連事業だけ」という固定観念が打ち砕かれ、新たな可能性に目が覚めました。
ヒューベストホールディングさんのように、モビリティ事業を基盤に、異業種・新規事業へ果敢に挑戦する姿に深く共感し、彼らをベンチマークに据えることを決意しました。
そして、未来への道しるべとして「100億ロードマップ」の策定を依頼することに。100億円という途方もない目標、そしてロードマップはあくまで道標であり、その実現は私たち次第です。妹と何度も議論を重ね、悩み抜いた末に、未来への投資を決断しました。
結局、モビリティ事業で伸ばしていくのか、と思いましたが、できあがった「100億ロードマップ」には、モビリティ事業を中核に据えながら、新規事業を創出し、成長させていくという私たちの想いが込められています。
ロードマップ策定後は、伴走の支援もしていただき、1年前倒しでロードマップが進捗しております。新規事業も立ち上がりこれからが楽しみです。
4.担当者(支援者)コメント
若井社長は売上約50億円のモビリティ事業を承継したばかりの社長2年目でいらっしゃいました。
先行きが見えづらい中で、何か新しい事業に期待をされて、船井総研のセミナーにご参加いただきました。
不安を打ち消すためには、「“正しい“ベンチマーク企業設定」が大切です。ご支援先で同じディーラーで伸ばしている「ヒューベストホールディング」様の成功事例が10年後のホンダベルノ栃木中さんのビジョンと重なりました。
まずはモビリティで伸ばし、新規事業も立ち上げる、という100億ロードマップを一緒に描きました素直な経営者ご姉妹は採用でも早期に成果を出され、そしてお二人の想いに感化され、2~3年後の立ち上げ予定だったスイーツ事業を1年前倒しして、スタートするに至りました。
経営者のやる気が一番です。経営者の夢・ビジョンに寄り添い、形にできるよう、ロードマップ実行支援をしてまいります。
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