管理職研修で組織を成長させる! 成長企業の共通スキルと育成サイクル

組織が持続的に成長するためには、単なる人員増加ではなく、従業員一人ひとりの能力を向上させることが不可欠です。人員を増やすだけでは組織は「膨張」するだけであり、真の「成長」には繋がりません。多くの企業が、日々の業務の質を高めるための機能別研修だけでなく、階層別の教育にも注力しており、これらの取り組みを積極的に行っている企業ほど、目覚ましい成長を遂げています。
人材育成におけるサイクル
企業が理想とする人材育成の形は、研修による知識のインプット、実務でのアウトプット、そしてその成果を適切に評価する制度を循環させることです。特に、アウトプットと評価制度は、人材の成長速度を加速させる重要な要素となります。研修で得た知識を実践する機会と、その成果を評価する制度が整っていることで、従業員の成長が促進され、組織全体のレベルアップに繋がります。
役職者が身に着けるべきマネジメントスキル
管理職には、経営的な視点と現場での視点の両方、そして事業管理能力と組織管理能力という4つの領域にまたがるマネジメントスキルが求められます。これらのスキルは、組織を効果的に運営し、目標を達成するために不可欠です。中でも、現場での視点に基づいた「PDCAマネジメント」と「メンバーマネジメント」は、管理職が最優先で習得すべきスキルと言えるでしょう。
•PDCAマネジメント:計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)のサイクルを回し、業務の効率化と品質向上を目指します。現場の状況を把握し、具体的な計画を立て、実行し、その結果を評価して改善策を講じる能力が求められます。
•メンバーマネジメント:部下やチームメンバーの能力を最大限に引き出し、組織目標の達成に貢献させるためのスキルです。メンバーのモチベーションを高め、能力開発を支援し、適切な評価を行うことが重要です。
管理職研修カリキュラム事例
以下に、管理職向けの研修カリキュラムの例を二つご紹介いたします。これらの研修を通じて、管理職は自らの役割を再認識し、必要なスキルを効果的に磨くことができます。
カリキュラム事例①
この研修では、まず役職者としての自覚を促し、PDCAマネジメントとメンバーマネジメントという2つの重要なスキルを強化します。最終段階では、役職者として組織の未来を描くビジョンプレゼンテーションを行います。
•第1回:店長としての役割を理解し、日々の業務で実践すべきリストを作成します。
•第2回:KPI(重要業績評価指標)を用いたマネジメントと、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)の実践方法を学びます。
•第3回:コンプライアンス(法令遵守)、効果的なコミュニケーション方法、1on1ミーティング、人事評価面談など、メンバーマネジメントに関する知識とスキルを習得します。
•第4回:数値目標の設定方法、メンバーの成長を促す計画の作成方法を学び、ビジョンを具体化します。
•第5回:最終回では、役職者としてのビジョンをプレゼンテーションする機会を設けます。
カリキュラム事例②
この研修では、まず自社の役職者に求められるスキルを明確にし、それらのスキルを習得するための具体的なカリキュラムを実行します。
•第1回:業界全体の理解を深め、自社や店舗の強みを整理します。数値や利益の分析方法、管理ツールの使い方を学び、改善点を見つけ出します。さらに、個人面談の進め方や効果的なコミュニケーション方法など、メンバーマネジメントのスキルアップを目指します。
•第2回:前回学んだ内容を振り返り、競合企業の分析方法を習得します。競合他社を見つけ出し、情報収集と分析を行い、具体的な実行計画を立てます。また、目標設定の考え方を学び、四半期ごとの目標設定と振り返りを行います。
•第3回:前回に引き続き、競合企業の対策報告を行います。採用の目的や流れを理解し、選考、イベント、学生面談でのトレーニングを通じて採用活動のスキルを向上させます。さらに、繁忙期前のスタッフのモチベーション維持、クレーム対応、業務量管理など、メンバーマネジメントのスキルアップを目指します。
•第4回:前回学んだ内容を振り返り、メンバーマネジメントのスキルをさらに向上させます。コンプライアンスと労務管理に関する知識を深め、次期メンバーや新入社員の目標設定とフォローアップの方法を学びます。
•第5回:前回までの内容を振り返り、モデル企業の視察報告を行います。他社との合同会議を通じて、新たな視点や知識を得ます。そして、次期の事業計画を立案し、経営方針発表会で発表する準備をします。
管理職研修後の機会と制度の整備
研修を実施するだけでなく、研修後のフォローアップとして、学んだ知識やスキルを実践する機会と、それらを評価する制度を整備することが重要です。研修で学んだ知識を実践する機会がなければ、知識は定着せず、スキルは向上しません。また、成果を評価する制度がなければ、従業員のモチベーションは維持できません。企業が成長し続けるためには、研修後の「機会」と「制度」を整備し、人財育成のサイクルを確立することが不可欠です。具体的には、以下のような取り組みが求められます。
•実践の機会の提供:研修で学んだ知識やスキルを、実際の業務で試す機会を積極的に設ける。例えば、新しいプロジェクトへの参加、チームリーダーとしての役割、改善提案の実施などが考えられます。
•成果の評価制度の導入:研修で学んだ内容が、実際の業務でどのように活かされているかを評価する制度を導入する。目標達成度、業務効率の改善、チームへの貢献度などを評価項目に設定し、定期的な評価面談でフィードバックを行う。
.•継続的な学習の支援:研修後も、継続的に学習できる環境を提供する。オンライン学習プラットフォームの導入、書籍購入費用の補助、資格取得支援などが考えられます。
•成功事例の共有:研修で学んだ知識やスキルを活かして成果を上げた事例を共有する。成功事例を共有することで、他の従業員のモチベーションを高め、組織全体の学習意欲を向上させることができます.
•上司からのサポート:上司が部下の成長をサポートする意識を持つことが重要です。日々の業務の中で、部下の強みや課題を把握し、適切なアドバイスや指導を行う。また、定期的な1on1ミーティングを実施し、部下のキャリア目標や aspirations について話し合う.
人材育成に関するチェックリスト
自社の人材育成の現状を把握するために、以下の項目をチェックしてみましょう。
•採用後の人材育成に力を入れていますか?
•役職者や管理職に対して、現状の能力に物足りなさを感じていませんか?
•現場での数値管理や徹底力を向上させることができていますか?
•メンバーの管理やケアの方法を十分に理解していますか?
•マネジメントスキルを高めるための教育を積極的に行っていますか?
•研修後、学んだことを実践する機会や、成果を評価する制度が整っていますか?
これらの項目をチェックし、課題を明確にすることで、より効果的な人材育成施策を planning できます。
船井総研のでお手伝いできること
船井総研では、管理職研修・教育メニューに関する無料相談を実施しています。管理職研修・教育をさらに進めていきたい、研修を実施しているものの成果が上がらない、研修後の機会や制度を見直したいといったお悩みを抱える経営者や人事責任者の方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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