福祉用具レンタル業の採用・育成・定着を高める組織づくり

福祉用具レンタル業における「人」の重要性
福祉用具レンタル業において、「人」が最も重要な経営資源であるという認識は、持続的な成長を考える上で不可欠です。
そのような背景を踏まえ、福祉用具レンタル業における「人」をつくるための経営のポイントを、採用、育成、定着の3つの側面から体系的に解説します。まず、優秀な人材を確保するための採用戦略、次に、採用した人材を戦力化し成長を促すための育成プログラム、そして、社員が長く働き続けたいと思えるような人事制度の構築・整備が重要となります。これらの要素が相互に連携し、好循環を生み出すことで、企業の持続的な成長が実現すると考えられます。
人材採用のポイント
人材採用においては、まず基本的な考え方として、「離職は起こるもの」という前提で採用数を確保する「計画採用型」が、現代の状況に合っており、成長可能性が高いと考えられます。
次に、採用募集の考え方として、多数の応募から優秀な人材を厳選採用することが重要視されています。そのためには、常に採用募集を意識した情報発信(SNS、採用サイト)を行い、本格的な採用募集時には複数の媒体に出稿して応募者を集める必要があります。なぜなら、人材採用力は成長格差を生むからです。
そして、選考のステップとして、複数の段階を踏む厳選採用と、各ステップを担う人材採用体制を構築することがポイントです。具体的な選考段階として、会社説明(社長による惹きつけとスクリーニング)、職場体験(ミスマッチ解消)、1次面接(採用担当者による最初の見極めと適性検査)、社長面接(最終的な見極めと入社への覚悟の確認)がございます。このように、複数のステップと担当者を設けることで、より慎重かつ効果的な採用が可能になると考えられます。
人材育成のポイント
福祉用具レンタル会社の人材育成においては、若手メンバーがなかなか育たない、3年くらいで社員が退職していく、OJT中心で教える人によって内容がバラバラ、教育は現場での実務がほとんどといったお悩みはございませんでしょうか。また、同業他社と比べて給与水準が低い可能性や、古参社員の指導方法が不適切である可能性もございます。
これらの課題を解決するために、社員のステージ別役割と階層別教育プログラムを構築することが重要です。具体的には、新人~一般社員、主任・リーダー、店長、幹部社員といった階層別に、求める役割とそれに対応した教育プログラムを設定します。例えば、新人~一般社員には「しっかり仕事を覚えて個人として成果を出す」ことを求め、「新人育成プログラム」を提供します。主任・リーダーには「個人の成果を最大化するとともに後輩の育成・フォロー」を求め、「営業力強化教育・研修」を実施します。店長には「拠点の数値責任、メンバーの育成・管理」を求め、「リーダーシップ・マネジメント研修」を行います。そして、幹部社員には「事業の業績責任、人的資源のマネジメント、業務の仕組み化・標準化」を求め、「幹部育成プログラム」を提供します。このように、階層別に育成プログラムを整備することで、社員は段階的に成長し、組織全体の能力向上に繋がります。

人材定着のポイント
人材定着のためには、人事制度の構築・整備が不可欠であり、特に社員の「ノリ」、つまりモチベーションが成長スピードを決めると理解することが重要です。人事制度は、等級制度、評価制度、報酬制度の3つの要素で構成され、これらが連動することで効果を発揮します。評価結果は報酬や等級に反映される仕組みが必要です。
報酬制度においては、大手企業に多い年功序列型の「Pay-later型」ではなく、「いま」の活躍に報いる「Pay-Now型」の考え方を積極的に取り入れることが、社員のモチベーション向上に繋がると提唱されています。

自身のキャリアアップに夢が持てるような賃金制度をデザインすることも重要であり、号俸を上げていくよりも等級が上がる方が格段に報酬が上がるような設計が望ましいとされています。
人事制度を考える上での3つのポイントとして、キャリアプラン、賃金テーブル、評価項目が挙げられています。特に、等級別のキャリアプランをデザインすることからスタートすることがポイントです。キャリアプランでは、各部門で等級と果たすべき役割、必要となるスキルなどを明確にします。賃金テーブルでは、各部門の等級と号俸から基本給が明確になるように設計します。評価項目は、昇給・賞与を決める評価システムであり、等級が上がるほど定量評価のウェイトが上がり、チーム業績のウェイトが上がるように設計することが効果的です。
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福祉用具レンタル業における持続的成長の鍵として、「人」を軸とした採用、育成、定着の重要性とそのポイントについて解説してまいりました。
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例えば、採用においては、貴社の理念やビジョンに共感する人材を効率的に集めるための具体的な募集方法や選考ステップの設計、育成においては、社員の成長ステージに合わせた実践的な教育プログラムの開発、定着においては、社員の意欲を引き出すための評価制度や報酬制度の構築 など、貴社の成長戦略を強力にサポートいたします。
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