まず、経産省が定期的に公表している以下のデータをご覧ください。
<小売業販売額 昨年対比・一昨年対比>(単位:%)
※出展元: https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/pdf/202112S.pdf
上記データは百貨店・スーパー・コンビニ・ホームセンター・ドラッグストア・家電専門店等の国内主要な小売店の総販売額を2020年・2021年の昨年対比と一昨年対比で表したものです。一般消費者の日常的な消費動向を示すデータとご理解ください。
これのうち、2020年・2021年の昨年対比をグラフ化したものが以下です。
コロナの直撃をまともに受けて、1回目の緊急事態宣言が発出された一昨年2020年(青線)の3~5月が一番ガクンと下がり、逆に、翌年の2021年(オレンジ線)の3~5月がグンと上がっているのが一目瞭然です。そう見ていくと、2020年(青線)と2021年(オレンジ線)は年間トータルとしてほぼ線対称であることが見えてきます。要するに、2020年に下がった月はそれ相応に翌年の2021年には伸びて、ほぼ回復したということです。厳密に数字的に言うと、2021年の一昨年対比(2021年/2019年)は年間平均98.6%で100%を切っていますから、100%完全回復とまでは言えませんが、ほぼほぼ回復基調になったと言えます。
次に、以下のデータを見てください。
<鉱工業出荷額 昨年対比・一昨年対比>(単位:%)
※出展元: https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202112sj.pdf
上記データは全業種の国内製造業、及び、電力・エネルギー関連産業の出荷額を2020年・2021年の昨年対比と一昨年対比で表したものです。国内のものづくりに関する主要な生産データとご理解ください。
これのうち、2020年・2021年の昨年対比をグラフ化したものが以下です。
小売業と同様に、やはり2020年5月が“大底”だったことが分かり、その分だけ2021年に回復して、大きく見ると線対称に見えます。ただし、小売業と比べると、2020年の“大底”がドカーンと大きく下がり、まさに“大底”となって、かつ、それに半年くらい引っ張られて、すぐには回復しなかったことが良く分かります。結果として、2021年の一昨年対比(2021年/2019年)は年間平均93.4%で小売業の98.6%と比べても、まだまだコロナ前(一昨年)を取り戻し切っていないことが分かります。
以上、マクロデータにより一般消費者の日常的な消費マーケットと国内主要な製造マーケットの両面でコロナ禍での動向を見てきました。もちろん、細かく見れば、各業界・業種・地域、そして、企業によってその影響度は全く異なるでしょう。しかし、これらのデータより、全般的な傾向・全体感としてのこの2年間をご理解頂ければと思います。
さて、皆さまの企業はこの2年間いかがでしたでしょうか?
なるほど、コロナの影響はそうだったのか・・・
2022年03月03日