先日、IPOセミナーにゲストしてご登壇した上場企業の社長に「IPO(新規上場)を目指した理由は?」とお聞きしたところ、資金調達や、会社の知名度向上による営業面でのプラスの影響や、採用力の向上という点以外に、
「新規上場(IPO)を目指す、あきらめない、というのは、創業当時から自己満足として常に目指していたが、売上が10億円を超えたら、本気で上場準備のスイッチを入れようと考えていた」
ということをおっしゃっていました。
経営者の方は当然、売上〇億円、利益〇億円、全国〇店舗展開、ユーザー数〇万人、いずれは海外展開などといった会社の目標を持たれていると思います。一方で、対外的な会社の目標ではなく、経営者個人の心の中にある目標はどのようなものがあるでしょうか。経営者としての会社の目標か、経営者個人としての目標か、すみ分けが難しいというケースもあるかと思いますが、役員報酬を〇万円にしたい、〇歳までに引退してのんびり過ごしたいなどといった個人的な目標も持たれていると思いますし、いずれはご子息を後継者にしたいということを考えられている方もいるのではないかと思います。
IPO(新規上場)を目指すにあたっては、前提として会社としての目標でなくてはなりませんが、経営者個人としても本気でIPOしたい、という思いも強くないと実現できません。先述の上場企業の社長は、セミナーの最後をこのような言葉で締めていただきました。
「全て社長次第、社長が上場したいという気持ちが緩むことなく進めることが大事」
この言葉から、IPO(新規上場)が目標であるべきということではなく、経営者個人にとって、気持ちを緩めることなく進めていきたい目標を持つことが、会社を成長させるために大事な要素になるのではないかと感じました。
経営者個人としての目標が明確にある、と言えない方はぜひこの機会に、会社の目標だけでなく、経営者個人としての目標というのを考えるきっかけにしていただけましたら幸いです。また、「実はいずれ上場会社になることを目標の一つとと考えているが、具体的な行動に移すことができていない」という方は、具体的な行動に移すためのきっかけ(スイッチ)となる売上や目標などを決めてみてはいかがでしょう。
経営者にとって会社にとっての目標と、経営者個人としての目標
2021年10月01日