今、中小企業の経営者の皆様からAI導入のご相談が非常に多いです。その相談の中には、「AIで何が出来るのですか?」と漠然とした何となくの相談から、「AIでこれをしたいのですが?」というかなり具体的な相談まで、その相談レベルには非常に大きい幅・レベル差があります。
ちなみに、最近、ある経営者から「RPAとAIって、何が違うのですか?」というご質問がありました。伺ってみると、その企業ではすでにRPAは導入していて、実際に2つのRPAツールを動かしていて業務自体も回っているとのことでした。なので、すでにRPA自体は充分に理解されていたのです。
そこで、「RPAとAIの違いを一言で言うと、対象業務の違いです。RPAは“定型業務”に適していて、AIは“非定型業務”に適しています」と私は説明させて頂きました。定型業務とは、例えば、受発注業務や経理業務のように、基本的には誰がやっても同じ業務内容であり同じ業務フロー・業務の流れのもので、マニュアル化・標準化できているものです。変わるのは、ヒトによってスピードが変わるくらいで、慣れた方ほど早く、慣れない方ほど遅くなりがちです。このような業務の場合はRPAを目指せます。
一方、AIが得意とするものは。非定型業務であり、担当者が変わると、そのやり方・進め方が変わり、もっと言うと、慣れない人では全くできずに、慣れた人でないとその業務自体が回らない・・・そんな業務が対象となります。まず、マニュアルは存在しない、ましてや、一部特定の熟練担当者の勘と経験だけで業務が回っている、そんな業務にこそAI化が目指せます。逆な言い方をすると、AI化を目指すのは、その企業にとって重要業務(コア業務)であり、なくてはならない業務であり、かつ、非定型な業務であるとご理解ください。
そして、一部特定の熟練担当者の勘と経験だけで業務が回っている非定型業務を、AI化することで、熟練ではない別な担当者が出来るようになることに大きな価値があります。いわゆる、属人性の排除です。ここにAI活用の価値があります。
RPAとAIの違い・・・、これを理解できた方は、DXの理解が一段階深く理解できた方と言えます。
RPAとAIの違い ~いったい何が違うの?~
2021年07月14日