今回は、ある整体治療院(A院とします)のDX取組事例を紹介します。
A院が取り組んでいるDXは患者の診断です。通常、整体治療院の診断は目視や触手によりますが、A院ではタブレットによる「AIカメラ画像診断」を活用しています。タブレットカメラで患者の全身の前面・背面・側面を撮影することで、患者の骨格を検出して体の歪み等が可視化・画像化・数値データ化されます。例えば、右肩が左肩より3㎜上がっているとか、腰が5mm横にズレているとか、歪んでいる場所と数値データがわずか1分程度で出てきます。そして、関節の可動域等も見える化・数値データ化できます。
これらにより、担当した整体師の感覚だけに依存していた患者の状態が可視化されて院内で共有されます。仮に、再来院時に担当整体師が違っていたとしても、前回データを確認することで上手く引き継ぎできます。また、施術毎にAIカメラ画像診断をして数値データ化されていくので、患者はその数値データを見て、施術効果も確認できます。「前回は7mmズレていたようだけど、今回は3㎜になったな」とか、「関節の可動域が前回よりも20°広がってきたな」とか、前回と今回の画像を見比べて、数値データとして実感が湧いてきます。普通、整体と言えば、「あっ、何となく肩が軽くなった」とか、「そう言えば、腰のハリが減ってきた」とか、「何となく・・・」の感覚頼りでした。
例えば、ダイエットの場合、体重の具体的な減り具合を確認することで、さらに頑張ろうという気持ちが湧いてくるものです。やはり、見える化・数値データ化・比較化は非常に大事です。
以上の取組は、利用側の患者からも大変良いことですが、提供側の治療院の方も、診断・施術効果・患者情報の見える化・数値化・データ化・共有化により施術成果も出しやすいですし、何しろ次世代の整体師の育成にも繋がります。
特に、AI活用と言うと、“人間の仕事を奪う”みたいな言い方をする方もいますが、全くの逆で、むしろ人材の育成になるものなのです。DX化はあくまでもヒトの為にあります。今後、ヒトの為にならないDXは廃れていくでしょう。DXの本質を是非ご理解ください。
えっ!?DXってそんなことも出来るんだ!? ~その2~
2021年03月03日