改めて言うまでもなく、あらゆる業界において、燃料費・エネルギーコストや原材料費が高騰しています。
また、原材料費に限らず、外注費や特殊技術人材を採用する為の採用コスト等も上がっています。
さらに、価格高騰だけではなく、仕入商品の入荷が遅延して納期遅れが生じているとか、その為に売上計上が遅れてしまうとか、遅れるだけではなく売り逃してしまうとか、そんな課題も散見されています。
もちろん、業界によりその影響度はバラつきがありますが・・・。
自社だけの問題ではなく、業界全体、もっと言うと、日本全体、いや、世界全体の課題であり、ある意味、どうしようもない状況・・・とも言えます。
こんな時どうするかですが、もちろん、指を咥えていてはお話になりません。
そこで、こんな時こそ、実はDX化が1つの解決手法になります。
解決とまで行かずとも、緩和手法になり得ます。
この時のDXには大きく2つあります。
1つは「攻めのDX」で、もう1つは「守りのDX」です。
「攻めのDX」とは、仕入原価が上がるのは仕方ないと捉えて、より高単価でも売れる顧客層を新規開拓することです。
既存顧客にそのまま単価UPすると、単なる値上げになり、価格だけに敏感な顧客であれば逃げてしまうでしょう。
高単価でも納得できる顧客、あるいは、そこまで価格に敏感でない顧客を新規で開拓することです。
その手法として「デジタルマーケティング+DX」となります。
既存顧客向けの既存サイトとは完全に切り離して、新規顧客向けに新規サイトを別途で立ち上げて、MA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客管理)を駆使する手法です。
船井総研では特にZohoを活用したマーケティング手法を提案しています。
「守りのDX」とは、まず仕入原価自体をDX化により削減することです。
特に、仕入原価の中に労務費等があって、単純な原材料費以外の要素が大きな業界には有効です。
製造業や建設業、その他多種多様なサービス業等が当てはまります。
ポイントは「労務費の見える化」と「改善の見える化」です。
売上分類に基づいて労務費がどれくらい掛かっているか、例えば、製品別とか、販売先別とか、業務工程別とか、労務費の明細が詳細に把握できていない場合にはより効果が大きくなります。
特に、熟練技術を要する業務、勘や経験を駆使する業務、属人的な業務、そのような業務が多い企業ほど、「労務費の見える化」は効果的です。
そして、「見えた」後の改善もまた「見える化」することです。ダイエットや血圧と同じで、「何となく増えた」とか「何となく悪くなった」、そんな状態では決して有効な解決策は取れません。
今回の仕入原価の高騰は短期間で終わるものではなく、むしろ上がることはあっても下がることはない、そのような確固たる意識を持って経営に当たって頂ければと思います。
原材料費の高騰対策に!デジタルマーケティング+DXで行う「攻めのDX」と「守りのDX」
2022年06月09日