前回のコラムで、年商100億円企業になるためには、「多角化経営×新規事業」が重要であることをお伝えしました。興味深いのは、この戦略で持続的に2ケタ成長している企業は、実は〝地方〟のほうが多いことです。一見、人口減少と市場縮小が進む地方よりも、都会のほうが有利だと思いがちですが、そうではないのです。これには、3つの要因があります。
①「競合リスクの低さ」がチャンス
1つめの要因は、競合リスクの低さです。
これは、地方で経営者の高齢化が進んでいることが関係しています。年老いて積極経営ができなくなったり、長年の放漫経営がたたり財務的に不安を抱えるようになったりして、保守的な経営姿勢をとる会社が少なくないのです。
地方の年商100億円企業はそれを逆手に取り、仕入れた情報を担保に新たなビジネスモデルを投入して、積極経営を進めます。すると、ほとんど競争することなく、業績を上げて地域一番になることができてしまうのです。
②「投資リスクの低さ」がチャンス
2つめの要因は、投資リスクの低さです。
都会と比べ、地方は物価や不動産価格が安いため、投資額を抑えることができます。これは、特に住宅・不動産関連ビジネスを手がける企業にとって、大きなメリットです。
たとえば、100坪の土地を仕入れるためには、都会では5000万円以上が必要です。しかし、地方であれば、1000万円あればよいでしょう。ですから、地方では、建売分譲ビジネスやアパート投資ビジネスなど、投資対効果が勝負のビジネスが展開しやすいのです。
また、100坪の店舗を借りるにしても、都会であれば月100万円以上かかるのに対し、地方では月50万円以下で済みます。
このように、地方でビジネスを展開するにあたり、投資リスクの低さは大きなアドバンテージとなるのです。
③「融資リスクの低さ」がチャンス
そして、3つめの要因は、融資リスクの低さです。
地方の年商100億円企業は、先述のとおり、「情報を担保」に新たなビジネスモデルに取り組み、「積極経営」をして、徹底に徹底を重ねることで、短期的に業績を上げています。すると、すぐに地元の地銀や信金等の金融機関が支援を申し出てきます。
そもそも、地方の金融機関は、融資する先がなくて困っているところが多いものです。というのも、地方でそれなりに儲かっている会社の多くは保守的で、ほとんど融資を受けません。一方で、儲かっていない会社にはリスクがあるため、融資できないのは言うまでもないでしょう。ですから、積極経営で業績を伸ばす年商100億円企業に、地方の金融機関の支援が集まるのです。
以上のように、積極経営を好む〝年商100億円企業〟にとって、地方の経済環境は「競合リスクが低く」「投資リスクが低く」「融資リスクが低い」ので、チャンスでしかないのです。つまり、〝地方〟は「多角化経営×新規事業」の戦略で年商100億円企業を実現するのに、都会よりも適していると言えます。
船井総合研究所のコンサルティングにより、年商20~30億円から100億円へと成長を遂げた企業は、実は、その大半が〝地方〟なのです。
地方の企業には、〝未来の可能性〟があります。〝地方〟で「年商100億円企業」を目指しているのに、なかなか進まないという経営者の方は、一度、コンサルタントの診断を受けて、「多角化経営×新規事業」による「年商100億円企業へのロードマップ」を描いてみてはいかがでしょうか。
【船井総研の年商100億円企業ロードマップ支援】
⇒ https://www.funaisoken.co.jp/lp/mainstay
年商100億円企業へのロードマップ(3)
2022年04月14日