売上100億円以上の企業を分析すると、本業(創業時の事業)以外に、複数の事業を手掛けていることがほとんどです。1つの事業で100億円に到達している企業は、ほとんどないといってよいでしょう。つまり、年商100億円企業になるためには、戦略的な「多角化経営」が不可欠であり、市場環境が目まぐるしく変化する現代においてはなおさら、それがベストな戦略だといえるのです。
【船井総研も多角化経営】
実は、かくいう船井総研も、創業時は小売業のコンサルティングを主としていました。それが、現在は、住宅不動産、医療・介護、士業の各分野を主力とし、100以上にわたる業種のコンサルティングを手がけています。さらに、DXやHR(人財開発)、財務、IPO(株式上場)など、テーマ型のコンサルティングにも事業領域を拡げています。つまり、時流適応しながら、事業を増やし、事業を育てるという多角化経営に取り組んできたからこそ、100億円を超える企業になっているのです。もし、創業時と同じ小売業のコンサルティングしかしていなければ、そうはなっていなかったでしょう。船井総研が継続的成長を実現するために重要視している戦略のひとつが、「多角化経営」なのです。
【多角化経営×新規事業の選択】
また、売上40億円の住宅会社が、10年で200億円を超えたという事例があります。これも、「多角化経営」へと舵を切ったことが、大きな転換点でした。同社はもともと、中所得者層を対象とする注文住宅事業を手がけていましたが、中・低所得者層向けの規格住宅事業と、低所得者層向けの分譲住宅事業に乗り出すことで、新たなマーケットを開拓したのです。これらの新規事業1つにつき30億円前後の売上をつくることができましたし、本業である注文住宅の売上も倍増するという相乗効果も生まれたのです。
ここでのポイントは、新規事業のあり方です。それは、既存事業と関連のある市場・商品であるかどうか。これにより、結果が大きく変わってきます。たとえば、仮にこの会社がいきなり飲食業に進出したとしたら、このような結果にはなっていないでしょう。新規事業がうまくいったとしても、相乗効果で本業も伸びるということはないはずです。
つまり、「多角化経営」をするにあたり、新規事業を選択する際には、既存事業との「市場関連性」と「商品関連性」が重要だということです。実は、その選択ミスが、企業成長を遅らせる原因になっている例が、少なくないのです。
これまで述べてきたように、売上が10億円から30億円クラスの会社が100億円を超えるには、「多角化経営」と「新規事業の選択」が重要です。「市場が成長しているから」「興味がある事業だから」などといった理由だけで新規事業を選択し、多角化経営を目指しても、成長を加速させることはできません。新規事業で業績を付加しながら、本業や他の事業にも相乗効果が得られるような事業ポートフォリオを構築することが重要なのです。
本気で「年商100億円企業」を目指しているのに、なかなか進まないという経営者の方は、一度、コンサルタントの診断を受けて、「多角化経営×新規事業」による「年商100億円企業へのロードマップ」を描いてみてはいかがでしょうか。
【船井総研の年商100億円企業ロードマップ支援】
⇒ https://www.funaisoken.co.jp/lp/mainstay
年商100億円企業へのロードマップ(2)
2022年03月28日