【インタビュアー】株式会社 船井総合研究所 船井 あゆみ(以下:船井)
【インタビュイー】株式会社 リチカ デジタル広告部 部長 砂川様(以下:砂川)
本記事では、動画広告で押さえるべきポイントなどを実際の事例を交えてご紹介します。
動画広告を出稿するときに重視するべき指標
船井
前回、動画広告がどのように表示されているかの確認が大事と仰っていました。
では、動画広告を出稿時に重視すべき指標は何でしょうか。
砂川
重要なのは
「媒体」と「目的」
です。
Facebook広告では、静止画でコンバージョンを追っているケースが多いです。
コンバージョン最大化を目的に、静止画と動画両方使っているケースが多いです。
一方、YouTubeのバンパー広告などは、視聴完了によって配信されやすさが違います。
その場合
・「視聴完了率」を担保できるクリエイティブ
・媒体の重視指標と自分が狙う指標をそれぞれ注視
が重要です。
船井
Facebook、YouTube、Instagram、それぞれ特徴があります。
出稿先の媒体ごとに目的と指標が変わるわけですね。
動画広告の増加
砂川
YouTubeはもちろん、Instagram、TikTok、Yahoo!のフィード面に出てきます。
LINE、Twitterでも動画広告が急増しています。
これもここ数年で大きく変化しています。
TikTok広告が2020年、LINE VOOMが2021年と、かなり増えています。
船井
以下の図を見る限り、各社動画広告を出しやすくなってきています。
媒体ごとの広告成功事例
広告の成功事例①(Facebook)
砂川
Facebookでは、以下のような成功事例が出てます。
元々は左側の広告を出していました。
テキストが一斉に縦書きで出てくるため、目を惹きます。
そこから右側のクリエイティブに変え、CVR(コンバージョン率)3.7倍、CPA73%ほど改善しました。
社員
特に何を意識したのですか。
砂川
①テキストの位置
変えたのは「コンテンツ×デリバリー」のデリバリーの届け方です。
左側の元のクリエイティブは文字が同じ位置になく、視線が定まりません。
一方で右側のクリエイティブは、重要なテキストがほとんど真ん中に出てきます。
テキストは「まだ動画広告外注しているのか」、「作り放題」とほとんど変えていません。
船井
右側のテキストを見ても、目線がズレませんね。
砂川
これが重要です。
商材の特性上テキストが多くなります。
そのため、きちんと読ませるために視線を固定します。
1シーンで処理できる情報量を担保しています。
船井
視線をずらさせないことですね。
砂川
②スタート時点での情報量
0秒時点から「まだ動画広告外注してるのか」のキーメッセージを伝えています。
元のクリエイティブは表示までにラグがあります。
メッセージが出る前にスキップされることがあります。
早い段階から情報量の担保が重要です。
船井
確かにFacebookはスクロールしながら見るため、0.●秒の差で変わりますね。
砂川
人が「広告」と判断するのは0.3秒~数秒と言われています。
その間に興味を惹けないとスルーされます。
広告の成功事例②(Yahoo!のディスプレイ広告)
砂川
ファッション小物のECサイト実績です。
左側のクリエイティブを、右側のクリエイティブに修正しました。
テキストは「セールがもうすぐ終了しますよ」「最大30%オフですよ」と変わっていません。
しかし、CPAが70%ほど改善しています。
砂川
元々1シーンの中で4枚出す予定で、バッグが商材だった場合、パッと見てバッグが商材なのか分かりにくい状態でした。
船井
確かにどれを見ればいいのか、目線がバラつきます。
砂川
そのため、商材のビジュアルを真ん中で大きく見せるクリエイティブにしました。
その後の流れで「こういう商材なんだな」「こういうバッグなんだな」とを理解して遷移いただけたことが成果に繋がっています。
船井
文字の列を下に揃えたのは、視線の固定化効果もあるのですか。
砂川
固定もそうですし、テキストが真ん中にあると、本来伝えるべきであった商材の写真に目が行きにくいためです。
商材を見て「いいな」と思った上で、セールだからクリックしてみよう、
この動線がうまく繋がっています。
広告の成功事例③(Youtube広告)
砂川
YouTubeを見る時に、6秒でスキップできないバンパー広告が出てきます。
そのバンパー広告の活用事例です。
元々CMを少し改変し、4シーンほどの動画にしていました。
6秒の中で4シーンなので切り替えが早いです。
船井
詰め込んでいますね。
砂川
その通りです。
そこを6秒のシーンの中で2シーンに減らしました。
商品はずっと固定で出し、テキストだけ少し切り替わります。
商材はヘアケア商品です。
変更後、CVRが2倍ほど改善しました。
かなりのインパクトに繋がったと思います。
船井
元々あったクリエイティブをさらに厳選してうまく活用したのですね。
6秒の中でシーンが変わってしまうと、結局何を伝えたいか、分からないですね。
動画広告は短時間の間にいくら見ていただけるかが大事です。
情報を絞り込む、売りたいものを分かりやすく伝える
ことが大事なのですね。
砂川
はい。
出稿先に応じたクリエイティブの作り分けが成果に直結するので、ここの作り分けが重要になります。
出稿先に合わせたクリエイティブづくり
砂川
Facebookでは、こういうシーン構成で教育していくものが良い、Yahoo!では1シーンで少し動くものが良い、のような作り分けはしたほうが良いと思っています。
作り分けが難しい企業は、当社や、船井総研のようなパートナー企業にご相談してください。
そうすれば、ナレッジを掴み、出稿先に合わせたクリエイティブを作っていけます。
船井
動画広告といっても1つ作って満足ではなく、FacebookやInstagram、YouTube、Yahoo!、それぞれに合わせて作り分けて成果を出していくのが大事です。
自社で内製でも、もちろん良いです。
難しい時は外部企業も積極的に活用しましょう。
他にも、最新の業績アップ事例を踏まえて、事業に役立つ情報を発信していく予定です。
楽しみにしていてください。