解体工事業は現在、成長期を迎えています。背景には、新築住宅や家具・雑貨、衣・食業界といった他の産業のライフサイクルに遅れて、空き家の増加や空き家に関する法改正などによる解体工事の需要増加があります。しかしながら、この成長期にある解体業界において、「働き手の減少」という大きな課題が顕在化しています。建設業全体を見ても就業者数は減少傾向にあり、さらに問題となっているのが「社内の高齢化」です。29歳以下の就業者が減少する一方で、55歳以上の就業者が増加しており、この傾向は他の産業よりも顕著です。このような労働者減少と高齢化の波は、解体業界における採用活動をより一層困難にしています。このような状況下で、解体業界における採用コンサルティングの重要性はますます高まっています。

一般社団法人日本建設連合会のデータに基づき、建設業就業者数の推移と高齢化が進んでおり、他の産業と比較してもその傾向が強いと言えます。

社内の高齢化が進むことによる影響として、本来採用したいはずの新卒の年齢と社内の平均年齢がかけ離れてしまい、新卒の応募を獲得しにくくなるという点があります。また、建設業界で進むAI導入や使用といった最新技術の導入の遅れも懸念されます。解体事業も例外ではなく、原価管理ツール、顧客管理ツール、事務作業におけるAIの活用、最新重機の導入など、DX化、IT化が進んでいます。このような技術進歩は競合との差別化に繋がる一方で、働き手不足により人材に余裕がない場合、導入担当者の不在などを引き起こす可能性があります。

さらに、生産性の低下も深刻な問題です。解体工事の需要が高まり案件があっても対応ができない、工期の長期化による利益率の低下、営業兼現場監督のような兼業状態による業務の滞りなどがあります。

効果的な採用活動を行うために最初に行うべきことは①「採用したい人材のペルソナを明確にする」と②「採用戦略を立てる」ことの二つです。

採用ペルソナを決める目的は、「人材の定着」や「効果的な採用活動」にあり、

単に「即戦力で、30代ぐらいの元気な人がいいな…」といった曖昧な人物像ではなく、自社にマッチする人材像を綿密に作成し、具体的なペルソナを設定することで、求職者側も「ここなら活躍できるかも」と感じ、結果として採用者の定着と早期活躍に繋がる可能性が高まります。

また具体的なペルソナの設定は、求職者へのより効果的なアプローチが可能になります。

採用戦略の立て方は、どれくらいのスケジュール感で採用・育成したいのかを明確にすること、そして事業計画に基づいた人員の増員、つまり「不足人員の補充」ではなく「計画的な採用」を行うことが重要です。

効果的な採用活動を行うために、欲しい人材や資格保有者に合った求人媒体を活用することが重要です。具体的な例として、資格保有者にはスカウト型の転職サイト、作業員には日給や即採用などのスピード感を重視する求人サイト、高卒にはハローワークや学校説明会、若手にはSNS、中途採用には他社との比較が容易な転職・求人サイトが有効であるとしています。特に高卒への直接リーチは貴重な機会であるとされており、若者の間ではSNSでの就職活動が盛んです。

また、採用の最新トレンドとして、中途・新卒問わず「ダイレクトリクルーティング」が注目されていることを挙げています。従来の応募を待つ採用とは異なり、ダイレクトリクルーティングは、企業が欲しいと思った人材に対して直接スカウトを行う「攻めの求人」であり、求職者に対して直接アプローチできる点が強みです。

解体業界は成長期にある一方で、働き手不足と高齢化という構造的な課題に直面しており、採用活動は益々重要性を増しています。効果的な採用を実現するためには、自社の状況を正確に把握し、明確なペルソナ設定に基づいた戦略的な採用活動を展開する必要があります。また、多様化する求職者のニーズに対応するため、最新の採用トレンドを踏まえ、適切な採用媒体を選定・活用していくことが不可欠です。

船井総研は、長年にわたり建設業界、そして解体業界の経営課題解決に取り組んでまいりました。 業界の動向分析に基づき、貴社の状況に合わせたオーダーメイドの採用戦略をご提案いたします。人材要件の定義から、最適な採用媒体の選定、効果的な求人広告の作成、面接ノウハウの提供、入社後の定着支援まで、解体業界に特化した専門的なコンサルティングで貴社の採用活動を全面的にサポートいたします。

豊富な実績と最新の知見に基づき、貴社の人材確保と組織力強化に貢献いたします。もし、貴社が採用に関する課題を抱えていらっしゃるのであれば、ぜひ一度、船井総研にご相談ください。貴社の持続的な成長に向けて、共に最適なソリューションを見出し、実行をご支援させていただきます。