業績の上がるデジタル化の仕方
今日お伝えしたいことは大きく分けるとこの2つだとお話をさせていただきました。「正しいデジタル化のステップ=デジタル化の3段階」を押さえましょうというところと、「デジタル予算は売上に対して2%確保」していきましょうというお話でございました。それを踏まえて金田一様のお話を聞いていただいたわけですが、見事にデジタル化の3段階から始めていらっしゃると思います。具体的には紙からデジタルへの移行から始まりました。
その中で、従業員さんが最初はやはり抵抗があったという話ですが、従業員さんがいじりだすきっかけとなったのが、座席表のデジタル化です。それによって非常に便利さを感じていただいて、デジタル化に対するアレルギーを取り除き、それを機に次々とデジタル化を進めていかれました。デジタル化を進めていくにあたって、新しく入ってこられた社員さんに、ある程度葬儀の同行をして葬儀に対する知識をつけてもらいながら。同行を通じてデジタルによって解決できるだろうことをたくさん出していってもらい、それを一つずつ形にしていき、社員さんに落とし込んで便利さを体感してもらい、いわゆる小さな成功体験を積み重ねていくことによってデジタル化のアレルギーを無くしていくことに成功されています。
そして、もう一つの「業種問わず、デジタル予算を売上に対して2%確保しましょう」に関しましては、船井総研が最近お伝えさせていただいていますが、見事に葬儀業界でもそれが当てはまりました。金田一様の事例ではデジタル予算が売上に対して2%近くの数字を持っていらっしゃったので、その分デジタル化が進む推進速度が速かったのが、大きな違いだと思っております。
正しいデジタル化のステップ=デジタル化の3段階
そして、今回はどのように業績の上がるデジタル化を行っていくかの話でございますので、その部分を解説していきたいと思います。一つ目の正しいデジタル化のステップについて冒頭お話させていただきましたが、デジタル化のための3段階に基づいて進めていきましょうということでございました。一つ目はデジタイゼーション、まずはアナログからデジタル化へ移していただく。二つ目がデジタライゼーション、デジタル化後に業務プロセスをさらに効率良くしていく。三つ目がデジタルトランスフォーメーションで、こちらは今、金田一様は取り組み中ですが、新たなサービスと商品を展開することによって、ビジネスモデルも変えていっていくことです。具体的には家族葬が増えてきているので家族葬売上とアフターのLTVを意識し、それをデジタルにつなぐ形で取り組まれていると思いますが、そういった形でビジネスモデルを変えていきます。
そのためにまずしなければならないこととして、まず先ほどご説明させていただきましたデジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションを明確に分けていきます。まずデジタイゼーションとデジタライゼーションについてですが、まずアナログからデジタルに移行していただき、移行したデジタルを使って業務を効率化していきます。デジタライゼーションの目的は効率化ですが、デジタライゼーションしていただくためには業務の標準化が必要です。今からお話する内容は後火葬の例になりますが、搬送して、日程調整して打ち合わせに行き、納棺して、通夜をして、葬儀をして、火葬するという子のような業務プロセスは他社がどうやっているかを知っておくと、葬儀の場合、特にサービス内容は他のサービス業と比べて特殊になると思いますので、他社事例を活用することによってある程度線引きができると思います。
注意しなければいけないのは何の業務をデジタル化させるかですので、デジタイゼーションとデジタライゼーションを徹底することが非常に重要なことになります。どこまで業務をデジタル化してどこから対面のサービスを持っていくか考えなければ、業務の特性上間違いなくお客様からのクレームにつながります。ここを意識していくために業務の標準化が必要になります。これはよくあることですが、葬儀業界は担当者によって打ち合わせに何回行くとか、何回目の打ち合わせで何の話をするかが結構バラバラです。引継ぎができない理由の一つにそれがバラバラなことによって、前の人がどこまでやったかわからないという理由があります。そういうことを無くすために業務の標準化をしていかなければ、今後効率化が難しくなってくると思いますので、そういった点から業務の標準化がポイントになってきます。
そのために目指していきたいことが、デジタル化を通じて標準化等をしながら生産性を高めていくことが目標になります。今の葬儀社の課題は、一つ目が業務時間のばらつき、二つ目が単価の満足度のばらつき、三つ目がスケジュールの属人化です。業務時間のばらつきは先ほどもお伝えしましたが、打ち合わせ時間が人によって違う、あとこれはよくある事例ですが、葬儀準備のための早朝出勤時間も違います。具体的には早朝の出勤を1時間前にされる方や同じ内容なのに3時間前に出勤される方がいらっしゃるなど業務時間にばらつきがあります。
二つ目の単価と満足度のばらつきについてですが、直葬と家族葬、一般葬の入り方によって人によって担当の割合が違うという話があるかもしれませんが、それは除いたとしても1人当たりの単価と満足度のばらつきはよく見られます。
三つ目のスケジュールの属人化ですが、ホワイトボードなどでスケジュール管理をしていらっしゃるところもあると思いますが、そのスケジュール管理が「今日、○○家の葬儀なので担当は誰々」と書いてあるだけになってしまっているようです。では1日葬儀の担当だけで終わるかというと実は本当はそうではないし、空いている時間もありますし、そういったところのスケジュールは見えていなくて、今日のスケジュールがその人だけしかわからない状態になってしまいます。なので、誰かに助けを求めようにも誰が空いているかわからない、そんなお話もよくお聞きします。現状の葬儀社の課題に対して、高生産性を実現するためには何をしていかないといけないのかですが、まず一つ目に業務の標準化が挙げられます。この場合の業務の標準化が何を指すかというと、業務の進め方のルール作成です。
そして、どちらかと言うと二つ目のポイントが重要になってくるのと思っていますが、業務の時間設定を行っていただくのが標準化のための二つ目のポイントになります。こちら具体的には、多くの葬儀社様で搬送時間はもちろん移動距離によって違ったりしますが、病院に着かれてから何分で何をやるとか、あとは打ち合わせのことを指します。
打ち合わせに1回あたり何時間で説明する、そういったところのルールは結構決まっていないことが多いということです。私たちもよく葬儀社様のお話でこの辺のことをお聞きすることがありますが、担当それぞれによって、1回目の打ち合わせで何を決めて、何時間かけてなどのルールが決まっていない葬儀社様の割合が多い印象を持っています。時間の設定が無いことによって、目安の時間が分からないこともあり、担当者さんが少しルーズになってしまったりするケースもございますので、業務の標準化をしていく際に意識していきたいのは時間軸を基にルールを作っていただくのが一つ目のポイントになります。
よく「早くやったらいいんでしょ」とお話される葬儀社様も居られますが、そういうわけではありません。従業員さんからすると時間がかかっている理由は「それだけご家族様のことをちゃんとヒアリングをしているんです」とお思いかもしれませんし、実際そういう返答をされた葬儀社様もいらっしゃいますので、それは否定することはできませんが、そういったものも含め、会社としてこの業務は何分でやるものというルールが無ければ、時間がかかること自体は良いのか、悪いのかの判断軸がわからない状態になってしまいますので、仮にそう訴えられたとしても「会社としてはこれぐらいの時間でやってほしいからその中で最大限出来ることを意識してみてください」と言えます。そうしていくことによって時間の設定が細かくできると思います。
二つ目、単価と満足度のばらつきに関しましては、単価に関しては受注する、満足度に関しては葬儀の施行内容になってくると思います。なので賛否両論あるとは思いますが、高生産性を実現するために受注と施行を分けていただきたいです。具体的には提案のうまい人が受注に回って、施行に関してはお客様に付加価値を提供することに長けている人を施行に配属させる分業型になります。こうすることによって、業務範囲が決まることでそれぞれの長所を活かしやすくなります。それぞれ得意不得意な人がいらっしゃるので、受注と施行を分けると自分のいいところを活かすことができやすくなります。この分業化によって、ある葬儀社様では働く満足は高くなり、今まで目立たなかった人が目立つようになったというお話がありますのでこのように業務範を決めることでお客様満足とお客様単価を高めることができますし、さらには従業員さんを長所進展する五ことで特定の分野においてのプロフェッショナルに育成することも可能になります。
そうなりますと。1施行あたりの業務の時間が今まで搬送からアフターまで4日間ほど拘束されていましたが、分業することによって1日1日でバトンタッチすることができます。そうなると・・・