葬儀業界の現状:人手不足と差別化の必要性
葬儀業界は現在、深刻な人手不足と、激化する競争の中での差別化という二つの大きな課題に直面しています。少子高齢化の進行は、葬儀の需要を維持する一方で、労働人口の減少を招き、特に地方の葬儀社においては、人材の確保が死活問題となっています。また、葬儀に対する価値観の多様化、家族葬や直葬など、従来の形式にとらわれない葬儀の増加は、顧客ニーズの多様化を意味し、差別化戦略の必要性を高めています。
このような状況下で、従来の「待ち」の姿勢から脱却し、積極的に顧客を獲得し、収益を拡大していくためには、攻めの経営への転換が不可欠です。その鍵となるのが、人的資本経営という考え方です。
なぜ営業部なのか:攻めの経営への転換
ここでは、営業部の立ち上げを人的資本経営の具体的な施策として提案いたします。なぜ営業部が人的資本経営につながるのでしょうか。
それは営業部が、
・顧客との接点を増やし、ニーズを的確に把握する
・自社の強みをアピールし、差別化を図る
・新たな収益源を開拓し、成長を加速させる
という、攻めの経営を実現するための重要な役割を担うからです。
営業部立ち上げのメリットとポイント
営業部を立ち上げることで、以下のようなメリットを得ることができます。
・施行件数の増加
積極的な営業活動により、顧客との接点を増やし、事前相談や互助会入会を促進することで、施行件数を増加させることができます。例えば、2名体制で営業部を立ち上げ、施行件数が年間100件増加した場合、営業利益率は3%~5%上昇する可能性があるとされています。
・マーケティング精度の向上
顧客ニーズや競合他社の動向を把握し、効果的なマーケティング戦略を立案・実行することができます。
・従業員の成長
営業活動を通じて、従業員のコミュニケーション能力、提案力、問題解決能力などが向上し、キャリアアップにつながります。
・「忙しい」を言い訳にしない組織文化
営業部が積極的に顧客を獲得することで、葬儀部門は施行に専念できるようになり、「忙しい」を言い訳にせずに、会社全体の成長に貢献できる組織文化を醸成できます。
・他社会員へのアプローチ
積極的に他社の会員にアプローチすることで、顧客獲得の機会を広げることができます。
以上のようなメリットを持つ営業部の立ち上げに際してのポイントがいくつかあります。
・スモールスタート
最初から大規模な組織を作るのではなく、小規模なチームから始め、徐々に拡大していくことが重要です。資料によると、1人でも営業担当がいれば、成果は大きく変わるとされています。
・人的投資
人件費を単なるコストとして捉えるのではなく、従業員の成長に必要な投資と捉え、育成に力を入れることが重要です。
・明確な目標設定 (KPI)
営業部の活動目標 (KPI) を明確に設定し、進捗状況を定期的に確認・評価することが重要です。KPIとしては、年間入会目標、事前相談目標、イベント入会目標などが考えられます。
・マニュアル作成と研修
基本業務マニュアル、営業マニュアルを作成し、従業員に対する研修を徹底することで、質の高い営業活動を可能にします。
・PDCAサイクルの確立
KPIの検証結果に基づき、計画 (Plan) - 実行 (Do) - 評価 (Check) - 改善 (Action) のサイクルを回し、継続的に営業活動を改善していくことが重要です。
営業部への投資視点:投資対効果の最大化
営業部への投資対効果を最大化するためには、以下の点を意識する必要があります。
・KPI設定
1人あたりの年間入会数や受注数など、具体的なKPIを設定し、定期的に進捗状況をモニタリングします。
・業務の標準化
アポ業務、イベント業務、訪問業務など、営業部の主要な業務を標準化し、効率的な業務遂行を可能にします。
・教育研修
営業担当者に対し、商品知識、営業スキル、顧客対応などを徹底的に教育し、質の高いサービスを提供できるようにします。
・モチベーション維持
営業担当者のモチベーションを維持するために、成果に応じた報酬制度やキャリアアップ制度を設けることが重要です。
船井総研の営業部立ち上げご支援の流れ
船井総研は、これまで数多くの葬儀社様に対し、人手不足解消、差別化戦略構築、そして収益向上をご支援してまいりました。
貴社の現状、課題、目標に合わせて以下のような流れで営業部の立ち上げをご支援させていただきます。
1. 現状分析
貴社の経営状況、人員構成、顧客ニーズ、競合状況などを詳細に分析し、課題を明確化します。
2. 戦略策定
分析結果に基づき、貴社に最適な人的資本経営戦略、営業部立ち上げ計画、差別化戦略を策定します。人手不足を解消しつつ、貴社ならではの強みを活かした戦略を立案します。
3. 実行支援
戦略の実行を全面的にサポートし、KPI設定、マニュアル作成、研修実施、進捗管理などを行います。
4. 効果測定
戦略の導入効果を定期的に測定し、改善策を講じます。
人的資本経営の導入、営業部の立ち上げ、差別化戦略の策定は、決して簡単な道のりではありません。しかし、人手不足が深刻化し、競争が激化する現代において、攻めの経営への転換は、葬儀社が持続的な成長を実現するための必須条件と言えます。
船井総研は、貴社が人的資本経営を導入し、営業部を立ち上げ、差別化戦略を成功させることで、持続的な成長を実現できるよう、全力でご支援いたします。まずは、お気軽にご相談ください。貴社の一歩を、船井総研が力強くサポートいたします。