◆開催日時:2020年10月8日(木)
◆講師:船井総合研究所 篠原 弘樹
◆演題:「Withコロナの財務対策事例50連発」
~事例50連発一覧~
今回ですが、大きく分けて五つの構成で作成させていただいております。
一つ目がコロナに関する事例、もう一つが決算に関する事例で、もう一つが銀行に対する事例、そして財務管理に対する事例、そして最後その他です。
ここにある通り、それぞれ財務ひとくくりにしましても、さまざまな観点から財務の事例や対策をしていくというところはありますので、いろいろな方向から皆様にとって何かしらヒントやアドバイスができればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
”コロナ対策編”
では、コロナ対策編のほうに入らせていただきます。
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一つ目は、コロナ融資でプロパーの融資を返済、貸しはがしを阻止という話です。
実際にご提案があった事業会社様も多いのではないのでしょうか。
いわゆる金融機関が、「コロナ融資を使って金利が高いプロパー融資を返済しましょう」というようなご提案なのですが、簡単に言うと、これはやってはいけません。
難しく言うと旧債振替といわれるような、今後保証協会からお金を借りにくくなるなど、そのようなデメリットにつながっていくわけですが、プロパー融資というのは、いわゆる条件がいい借入です。それを基本的に残しておかないと、今後保証協会がメインの借入になってしまうと、協会付きの融資がベースとなってしまうので、ある程度条件のいい借入は基本的に残しておいたほうが財務戦略だとか事業展開を作られていく中では、特に重要になってきます。
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では、二つ目です。コロナ融資借入後も、プロパー融資借入の実現ということです。
こちらは簡単に言いますと、金融機関が融資をする際に、みている点数、指標というものがございまして、こちら聞いたこともある方多いのではないでしょうか。
債務償還年数、自己資本比率、借入依存度、これは全て決算書の情報から金融機関が抜き取って、この会社に融資していいのか悪いのかを判断するものです。
簡単に言うと、コロナ融資を借りすぎてしまうと、バランスが大きく崩れてしまいます。
このバランスが崩れてしまうと、今までは条件のいい融資ができていたのですが、指標が悪くなってしまったせいで格付けが落ちてしまったから、いい融資できない、そういうふうになってしまう可能性がありますので、ここは基準値内にとどまるようにコロナ融資を借りる必要があるといった事例です。
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では、三つ目です。コロナ融資を上手く使い、出店資金に回すです。
これは、コロナ融資、運転資金名目で借りたものを設備資金や投資用の資金に基本的に使うことはNGなのですが、口座をAとBに分けて、コロナ融資の入金の口座をA、そこからの経費の支払いの口座もAにします。Bの口座では、取引先からの入金と投資先への出金というふうにお金の色分け、口座の色分けをしてあげることで、直接的にコロナ融資で借りたお金で投資用の設備に使っていません、資金違反はしていませんという説明にもなりますので、こちら上手な口座の使い方をしているなというふうに思っていただければと思います。
NO.4
こちらは、営業停止中にかかった経費を特別損失に計上、格付けを維持したという事例です。
今回、ご参加している皆様の中にも飲食や大手とかいろいろあると思うのですが、1カ月の中で20日間ぐらい営業停止をされた会社様もあると思います。
実際、そこでかかった経費というものは、販売費及び一般管理費だとか原価のほうに入っていくと思うのですが、そちらを特別損失のほうで、例えばコロナ関連費用です。
画面に映っているようなかたちの数字として記載してあげるということです。
いわゆる金融機関が見ている利益は、経常利益をよくみていますので、経常利益よりも下の経費のところに乗せてあげることで、金融機関がみている経常利益や営業利益をそこまで傷つけないで格付けを伸ばすといったテクニックを使って、この会社様は格付けを落とさないかたちとなりました。
NO.5
同じように、コロナ対策で買ったマスクや消毒液を雑費などの消耗品に入れられてる事業会社様も多いと思うのですが、販管費の中で、例えばコロナ関連費用だとか、そういう別勘定を乗せてあげることで、いわゆる「これは一過性の費用なのですと、これは普段だったらかからないのですが、今回特別にかかったのですよ」と、「これは形状的な費用として見ないでくださいね」というのを、金融機関の方に数字の実績でみせてあげる方法です。
ただ乗せられるものと乗せられないものがありますので、この辺り詳しくは税理士の先生にアドバイスをいただいてください。
NO.6
日経新聞などを見ている方は問題ないと思うのですが、コロナ融資や補助金だとか助成金の最新情報は、どこで確認できるのかというご相談をいただくのですが・・・
※ セミナーの講演録と当日使用したテキストをダウンロードいただけます。