シンガポールでアジア向けのビジネスを展開する方から、2つのアドバイスをいただきました。
1つは、日本のあらゆる会社が、もっとアウトバウンドに力を入れるべきだという話です。確かに国内需要の減少が現実のものとなっている中、外向きのビジネスモデルを作ることは非常に大切だと感じます。
もう1つのアドバイスは、地方に本社を置いて、競争力をつけるべきだというものでした。海外向けのビジネスと伺った後に、地方?競争力?と、一瞬、疑問を抱きましたが、すぐに納得しました。
まず、ビフォーコロナと、大きく変わったことの1つに、リモートワークの浸透があります。会議だけではなく、商談も、契約も、リアルを前提としなければならないということは、非常に少なくなりました。また、日本は世界でも有数の優秀な物流システムを持っており、モノの移転についても、場所による差はほとんどありません。つまり、ビジネスの場所を選ばないということが当たり前になりました。
人件費も物価も、東京と地方との差はせいぜい10%ほど、ところが地代はその比ではありません。優秀なヒトの確保という点でも、地方のNo.1企業でも、東京での採用活動では埋もれてしまいます。ESGや社会貢献、社員の成長性など、情報発信の仕方次第では、しっかり目立つことができるのは地方都市なのです。働く場所を選ぶという点では、もう少し意識変化の時間が必要かもしれませんが、“働きやすさ”を重視する求職者は増えているようで、優秀人財の確保の可能性は高まるでしょう。
何より、地方発で、しっかりとしたビジネスモデルを構築して、世界とビジネスをしているというのは、注目を集めるチャンスが増えます。
IPOを検討している企業さまが、「上場に伴って、本社を東京において・・・」などというお話をされることがあります。これからは、むしろ、本社を地方において、広い敷地で、生産性を目いっぱい高めて、優秀な人材を採用して、ということで差別点を磨くという選択するほうがアツい、そんな時代になるのでしょう。
これからこそ「地方発!!」がアツい
2021年09月10日