DXとは簡単にいうと「デジタルを活用して自社のビジネスプロセスを見直し、業績を上げる取組み」です。一般的に、ビジネスプロセスには次の2つがあります。
1)基幹系プロセス:会計を起点に労務管理/生産管理/在庫管理/販売管理に紐づくビジネスプロセスのこと
2)顧客回りプロセス:顧客(市場)を起点にデジタル集客/名刺管理/マーケティング・オートメーション/SFA/CRMに紐づくビジネスプロセスのこと
ここで、上記1)のDXを実現するためのデジタルツールのことをERPといいます。目的は生産性向上やコストダウン(リードタイム短縮)です。
また、上記2)のDXを実現するためのデジタルツールのことをSaas(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)といいます。こちらの目的は売上アップや利益率の向上など業績アップにあります。そしてSaasの代表的なデジタルツールがセールスフォースドットコムであり、ZOHO(ゾーホー)です。前者が大企業を中心に導入が進んでいるのに対し、後者は中小企業を中心に導入が進んでいます。
例えば東大阪市に本社を置く“絶対に緩まないネジ”で有名なハードロック工業様の場合、従来は新幹線向けの緩み止めネジが大きな割合を占めていました。ところが今回のコロナ禍で人の移動が滞ったことで鉄道業界向けの売上が激減。そこで同社の若林社長は昨年4月の段階で“顧客回りプロセス”のDX化を決断、前述のSaasであるZOHOを導入しました。そして昨年9月には運用をスタートすることにより、従来の展示会の10倍もの集客に成功し、また引合い数は4倍に増えました。
さらに「密」を避けるため需要が増えた「ロボット市場」から新たな緩み止めネジの引合いが多数入る様になり、これは従来には見られなかった現象だといいます。
御社が今、DX化すべきプロセスは上記1)でしょうか、2)でしょうか。ぜひ考えていただきたいと思います。
社長が知っておくべき2つのDX
2021年07月07日