経営者は、目先の利益と、長期ビジョンのバランスをとることが常に求められます。昨今の新型コロナウィルスの影響によって、そのバランスのとり方を、少し変えることが必要であると感じた経営者も多くいらっしゃるかと思います。
例えば、私がお付き合いさせていただいているお客様で、関東圏を中心に、もつ鍋屋を40店舗展開している企業様がいらっしゃいますが、ここ数年間は着実に業績拡大をしてきました。外食産業において、単一業態で店舗展開をするということは、目先の利益に比重をおく手法としては、非常に効果的ですから、同社が業績を伸ばしてきたことは非常に理にかなっているといえます。
しかし、非常に好調なタイミングで、新型コロナウィルス問題が発生しました。コロナ融資や協力金などで、財務的な問題はクリア出来たのですが、人材の流出だけは非常に苦戦をされています。夜だけ営業をするという、もつ鍋屋という業態特性上、働いている方の大半は、学生です。学生アルバイトから正社員に登用するというのは外食産業にとって非常に重要な採用チャネルですので、そこのダメージが非常に大きいです。
同社では、補助金等を活用して、昼業態の開発や、テイクアウト業態に取り組むことが決まっています。長期ビジョン実現のためには、優秀な人材が必須の業界ですので、人材が流出しないような事業ポートフォリオを再構築することになります。
今回の新型コロナウィルス問題を機に、長期ビジョンを実現するための背策に少し比重をかけなおしてみてはいかがでしょうか。
アフターコロナの経営判断
2021年06月10日