上場会社であれば企業価値は「時価総額」という形で現れます。
上場会社をM&A(TOB等で)する場合はその会社の株価に10~30%のプレミアムを付けて買収する形になりますので、企業価値という面では極めてシンプルです。
これが未上場会社のM&A(大半のM&Aはこれ)ということになれば基準となる時価総額(株価)がないのでアドバイザー等が間に立って売り手・買い手の意向を汲みながら企業価値(売却価格)を算定します。
これには法的に決められたものやルールがある訳ではなく、ある程度の「目線感」を持ってアドバイザー等が算定します。
その「ある程度の目線感」というものは「現在価値=B/Sにおける時価換算での純資産」+「将来価値=P/Lにおける実態営業利益 ✕ 倍率」になります。
この中でブラックボックスになっているのが「倍率」です。会社の将来性はこの倍率によって表されます。
この倍率は業種・業態やその会社の持つ「数字には表れない価値」で決まります(というよりもアドバイザーが決めます)。
例えば、価値が付くキーワードとしては対象にしている市場が成長市場かどうかが大きなポイントになりますので、「バイオ、健康(ヘルスケア)、テック、サブスク、地方創生・・・」といったものに類する会社は価値が高くなります。
また、既存事業や既存業態と旬のキーワードを組み合わせたものとして
「既存事業 + サブスク」、「既存事業 + 地方創生」、「既存事業 + テック」という見せ方ができる企業は価値が高くなります。
M&Aにおいては「売り手」は売る場合に上記のようなキーワードで打ち出せることが高く売却するポイントとなり、「買い手」は買った後に上記のようなキーワードの業態に転換できるかが買うかどうかの1つの判断軸になります。
M&Aにおける企業価値とは
2021年05月26日