皆様は「DXで一番成功している会社はどこ?」と聞かれたら、どの様にお答えになられるでしょうか。私は世界中で最もDXに成功している会社は、米国のスーパーマーケットであるウォルマートだと思います。
DXとは「デジタルでビジネスプロセスを見直し、業績を向上させる取組み」のことです。
ではウォルマートはどの様なDXを行ったのでしょうか。従来は「店舗で商品を選んで、店舗で商品の決済をして、店舗から商品を持って帰る」という流れ(=ビジネスプロセス)だったわけです。
それがDX導入後は「ネットで商品を選んで、ネットで商品を決済して、店舗に商品を取りに行き持って帰る」といった様に、プロセスの一部をデジタルに置き換えたわけです。お客様は事前にネットで決済を済ましており、商品の受け取りはウォルマート店内に設置してある“ウォルマートタワー”と呼ばれる自動倉庫にスマホをかざすだけ。商品が自動的に払い出されてきて、レジに並ぶことなく商品を持ち帰れるのです。
ウォルマートではこうしたDXの取組みにより、2010年が年商約40兆円であったのに対し、2020年は年商約59兆円と大きく業績を伸ばしています。
米国では「デス・バイ・アマゾン」といわれ、アマゾンによって多くの小売業が廃業や倒産に追い込まれていますが、いちはやくDXに取組んだウォルマートは逆に業績を伸ばしているのです。ポイントは「自社のビジネスのどのプロセスをデジタルに置き換えるのか?」ということです。ぜひ考えていただきたいと思います。