成熟した業種になると、地域一番(商圏内一番)が、資本力のある大手企業であることが多くなります。そのような店が出店すると、中小の店は、シェアを奪われ、業績ダウンする会社が少なくありません。このような状況になった場合、総合力では、資本力ある大手企業には、勝てませんので、「勝てる狭属性」「勝てる予算帯」を見つけ、そこで一番になるビジネスモデルに再構築することが不可欠です。そのモデルの1つが、「狭属性・予算帯一番店モデル」です。これを2つの事例でご紹介させて頂きます。
【中古車・コンパクトカー39.8万円専門店】
中古車販売の大手の代表と言えば、ビックモーター社であります。店舗の大きさ、商品の在庫・品揃えの総合力では、地域の中小の中古車販売店が、勝つには、相当に困難であります。しかし、属性を中古車のコンパクトカーに絞り、予算帯40万・50万円・60万円を絞ると、そこのターゲットでは、品揃えを一番することが出来ます。その差を2倍くらいにすると、それだけで圧倒的に売ることが出来ます。この戦略は、当然、店舗の展示のそれの品揃え力もポイントでありますが、ポータルサイト、自社サイト等のWEBでのそれの品揃え力で差をつくり、集客段階で優位性を取ることが、大きなポイントになってきます。
実際、コロナ禍においても、商圏内に大手の大型中古車販売店があっても、狭属性・予算帯地一番モデル(中古車・コンパクトカー39.8万円モデル)で、2ケタ成長する年商10億円超える店が出現したりしています。
【平屋798万円専門店】
新築業界でも、同様な現象が起こっており、「狭属性・予算帯一番店」モデルの「平屋798万円専門店」が好調です。大手や、地域の一番店は、2階建て2000万円以上の注文住宅を中心に売っていて、モデルハウス、自社サイトでも、それを打ち出し展開しています。平屋は、自社サイトでサブ商品として掲載しているくらいです。しかし、地方商圏において、平屋住宅が成長していました。そこで、ある工務店が、大手が弱い属性、予算帯に絞り、「平屋798万円専門店」(798万円から建てられる平屋)を展開しました。平屋専門のモデルハウス、平屋専門のサイトを立ち上げましたところ、30棟前後しか売れなかった工務店が、50棟以上も売れるようになったりしています。
成熟した業界でも、これらの事例のように中小企業が、大手に負けず業績を上げる術があります。属性を絞り、予算を絞れば、大手に勝る一番をつくることは、充分可能です。このビジネスモデルの転換は、どの業種でも当てはまりますので、大手の商品力を分析して、「狭属性・予算帯一番モデル」を展開すると、業績UPの突破口になると考えています。
中小企業が大企業に勝つ方法を2事例で解説/総合力でなく一分野で勝つ
2021年03月12日