今までの私の「杉浦コラム」の中で、ニューノーマルのビジネスモデル再構築で、5つの要素である「狭属性モデル」「宅配・テイクアウト・ECモデル」「DXモデル」「社会課題解決モデル」「サブスクモデル」のビジネスモデルの事例をご紹介させてきました。実は、それらの共通点が、「高生産性×高収益」のビジネスモデルであることです。
【売上より、高生産性、高収益性】
コロナ禍前というのは、業績の優先順位は、優先1番が売上、優先2番が高収益、優先3番が生産性でありました。しかし、ニューノーマル時代になって、売上より、「高生産性」「高収益」を優先するビジネスモデルへシフトしてきています。もっと言うと、一拠点の売上は、小さくても高生産性より高収益な利益が生むようなビジネスモデルが好調です。
その理由として、投資、在庫、人員を極力削減して、損益分岐点が最小化することで、利益が生みやすいからです。そして、緊急事態宣言の発令中でも、赤字を最小限であったり、多少でも利益を出したりで、リスクの強い体質にもなっているからです。
逆に一拠点当たりの売上規模を重視して、店舗投資、設備投資、商品在庫、人員が大きいビジネスモデルは、このような状況になると、大きな赤字を出すことになり、資金繰りに追われる状況になりかねなくなっています。
つまり、これからの時代は、リスクにも強い「高生産性」「高収益性」のビジネスモデルの変革が求められているのです。
【ビジネスモデル力×DX力】
そもそも、「高生産性」「高収益性」を実現するには、時流適応しているビジネスモデルの力も大事ですが、高生産性を実現するDX(デジタル・トランスフォーメーション)の力が不可欠です。これを組み込むことで、人的な生産性、時間的な生産性が上がり、一人当たり生産性を上げることが出来ます。ルーチン的な作業は、人よりDXのクラウド、RPA、AI、ロボティクス等が、断然、早く正確です。上手く使いこなせば、生産性を1.5倍以上に上げたり、コストを30%以上に下げたりすることが出来ます。つまり、これからの人の仕事は、作業することではなく、DXでビジネス、業務の仕組みを創ったり、運用したりすることが主流になっていくと言うことです。
このようにDXの力で、人の働き方を変えて、より「高生産性」を実現して、より「高収益」なビジネスモデルと変革することが出来るのです。
ニューノーマル時代のビジネスモデルは、リスクも考えて、売上より「高生産性」「高収益性」を優先したビジネスモデルに転換することが必要です。中長期の目線で見れば、結果的にそのようなビジネスモデルの方が、売上拡大することになるからなのです。
「高生産性」×「高収益性」
2021年03月04日