企業が売上100億円の壁を越え、さらに300億円、500億円へと事業規模を拡大していく過程において、必ず直面する「成長の壁」があります。既存事業の市場縮小や、これまで通りのやり方では業績が伸び悩む停滞感を感じてはいないでしょうか。
このような局面で、次なる企業成長の指針であり、エンジンとなるのが「中期経営計画」です。しかし、多くの企業でこの中期経営計画が形骸化し、単なる「数字の積み上げ」や「現場の目標管理シート」に成り下がってしまっているのが実情です。
本コラムでは、中堅・大手企業が持続的成長(サステナグロース)を実現するための、本当に機能する中期経営計画策定のポイントについて、船井総合研究所のコンサルティング知見をもとに解説いたします。
1. あなたの会社の中期経営計画は機能していますか?中計が必要な「7つのサイン」
中期経営計画の見直しが必要な企業には、共通する「サイン」が存在します。船井総研では、以下の「中期経営計画が必要な7つのサイン」を提唱しています 。
・事業の停滞感・閉塞感:既存事業の市場縮小や売上減少を感じている
・場当たり的な意思決定:目先の計画ばかりで次なる事業の方向性が不明瞭
・事業投資の減少:市場の変化を先読みした戦略的投資ができていない
・部門間連携不足:部門間の関係性がぎくしゃくし、コミュニケーション量が不足
・人材育成の停滞・社員の高齢化:人材が育たず、採用してもすぐに辞めてしまう
・計画と実績の乖離:毎年計画は立てるが、実績と大きく乖離してしまう
・モチベーションの低下:現場社員に閉塞感があり、積極的に意見が出ない
もし貴社がいくつか当てはまる場合、現状の「ボトムアップ(積み上げ)型」の計画づくりから脱却する必要があります。現状の延長線上にある数字を集めても、そこに「非連続な成長」は生まれません。
2. 船井総研が定義する“良い中期経営計画“の「4つの要素」
では、企業を次のステージへ引き上げる「良い中期経営計画」とはどのようなものでしょうか。業種・業界を問わず、中堅・大手企業様の中期経営計画策定をご支援する中で見えてきた共通項として、以下の「4つの要素」が不可欠です。
① 構造化 売上や利益について、適切な要素分解がされており、誰が見ても筋の通った数値計画になっていること。
② 整合性 数値計画とそれを達成するための戦略がわかりやすく、整合性のとれたKPIが設定されており、定期的な振り返り(PDCA)ができる計画になっていること。
③ 一貫性 最上位概念であるビジョンから、もっとも具体的なアクションプランまで、会社が目指す方向性や考え方が一貫しており矛盾がないこと。
④ 共感性 社外はもちろん、一番は社内のメンバーが自社の向かう方向を理解でき、かつ、それに「ワクワク」できる、大きな希望を持てる内容になっていること。
どんなに精緻な市場調査(外部環境分析)や内部環境分析を行っても、この4要素、特に社員を巻き込む「共感性」が欠けていれば、中期経営計画は実行されず絵に描いた餅に終わってしまいます。
3. 「地域コングロマリット経営」というブレイクスルー戦略
売上100億円〜500億円規模の企業において、既存事業の単一ドメインだけで成長を続けることは容易ではありません。そこで船井総研が中期経営計画の戦略オプションとして強く推奨しているのが「地域コングロマリット経営」への進化です。
地域コングロマリット企業とは、業態の多角化によって、地域内の商圏需要を「点」ではなく「面」で獲得する戦略をとっている企業を指します。BtoC(地域市民、個人)とBtoB(地域内の企業、法人)の両面へサービス・商品を提供することで、圧倒的なシェアと顧客基盤を築きます。
この戦略を中期経営計画に組み込むことで、以下のメリットが得られます。
1.顧客獲得効率の向上:既存事業で獲得した顧客名簿(顧客基盤)を新規事業へ応用し、LTV(顧客生涯価値)を最大化できる 。
2.人材採用効率の向上:異なる事業を付加することで企業ブランディングが強化され、幅広い業態への参入により採用母集団形成がしやすくなる。
既存事業(例:ホームセンター)を中心に、「エネルギー」「不動産」「リフォーム」などの新規・多角化事業が円陣を組み、中央の「全社顧客データ(CRM)」を通じて相互に顧客を送客し合う(シナジーを生む)エコシステムの概念図。
地域コングロマリット化には、「事業ドメイン特化型」「サプライチェーン統合型」「客層特化型」「機能スピンアウト型」「自社アセット&リソース型」の5つの類型が存在します。自社のコアバリューと顧客基盤を再定義し、どの類型で多角化を進めるかを中期経営計画の中で明文化することが、次なる成長へのカギとなります。
4. 実行力を担保する「長所伸展」と「バックキャスト」思考
中期経営計画の策定において、目先の課題解決(弱点克服)ばかりに終始してはいけません。
船井総研流の中期経営計画策定の根本には、自社が本来持っている強みを最大限生かす「長所伸展法」があります。そして、現状からの積み上げではなく、「10年後のありたい姿(長期経営ビジョン)」からのバックキャストで3〜5カ年の事業計画を策定します。
「10年後にグループ売上をどこまで伸ばせるか?」「新たな事業領域はどこか?」といった未来起点の構想を持つことで、初めて非連続な成長戦略を描くことが可能になります。
5. 中期経営計画策定における“第三者視点”の必要性
素晴らしい中期経営計画が完成しても、それが現場で実行されなければ意味がありません。事業計画策定における典型的な課題は、「計画とアクションが紐づいていないこと」や「適切にPDCAが回せないこと」です。
船井総合研究所は、「中堅中小企業様向け経営総合コンサルティングファーム」として、「現場主義×即時業績アップ」を強みとして事業を拡大してまいりました 。他のコンサルティングファームとは異なる、「計画実行力が高い」という独自性を持ち、客観的視点から「業種の専門的知見」と「実行力」の高さを生かしたご支援が可能です。
船井総研の最大の特徴は、業種・テーマに特化した約1,000名の専門コンサルタントによるチーム型コンサルティング体制です 。中期経営計画の策定(戦略提案)から、その後のM&A支援、新規事業立ち上げ、DX(CRM導入等)の実行支援まで、一社で一気通貫のワンストップ型経営コンサルティングを提供可能です。
「きれいな戦略を描いて終わり」ではなく、業種別の具体的な成功事例ノウハウをもとに、現場レベルでのアクションプランまで落とし込み、企業の持続的成長(サステナグロース)に伴走いたします。
積み上げ型の計画から脱却し、全社員がワクワクするような、そして着実に実行される「次世代型の中期経営計画」を共に創り上げませんか?
中期経営計画の見直しや、策定プロセスにご不安をお持ちの経営者様・経営企画担当者様はぜひ一度、船井総合研究所にご相談ください。
