年商30億で頭打ちになる企業と年商100億を達成する企業の違い
高成長を続けていた中小企業が、年商が20~30億円に到達した頃から成長が鈍化して頭打ちになり、次第に業績が低迷するというケースは少なくありません。
そんな「壁」を乗り越えて年商100億円を達成した企業とは、何が違うのでしょうか。
それは、短期的に事業を拡大する「事業戦略」だけではなく、中長期的に企業価値を高める「経営戦略」があることです。
具体的には、企業としての信用力を高めて金融機関からの融資枠を広げたり、外部からの投資を受け容れたりして、ファイナンス力を強化。そうして得た資金によって、「事業投資」のスケールを大きくしていきます。
つまり、「費用対効果」による業績アップから、「投資対効果」による業績アップへと、戦略をシフトすることが大切なのです。
既存事業を担保に新規事業投資
そのためには、最初に本業の高収益化を実現して、キャッシュフローを1.5~2倍、良くします。
投資対効果が高い事業をもつことで、金融機関からの信用力を高め、融資枠を拡大するのです。
次に、高収益化した既存事業を担保に金融機関から融資を受け、成長事業に投資します。
たとえば、成長分野のビジネスモデルを開発したり、フランチャイズに加盟したりして、「第二の柱」となる事業をつくるのです。
さらに、第三、第四の柱をつくるべく、「コングロマリット化(多角化)の事業投資」ができれば、業績アップはさらに加速します。
コングロマリット化による100億円企業化
年商30億円の住宅会社が、10年で200億円を超えるに至った事例がありますが、これは「コングロマリット化の事業投資」へと舵を切ったのが大きな転換点でした。
同社はもともと、中所得者層を対象とする注文住宅事業を手がけていましたが、中・低所得者層向けの規格住宅事業と、低所得者層向けの分譲住宅事業に乗り出すことで、新たなマーケットを開拓しました。
これらの新規事業1つにつき、30億円前後の売上をつくることができましたし、本業である注文住宅の売上も倍増するという相乗効果も生まれたのです。
ここでポイントとなるのは、新規事業の選択です。
既存事業と関連のある市場・商品であるかどうか。これにより、結果が大きく変わってきます。
たとえば、仮にこの会社がいきなり飲食業に進出したとしたら、このような結果にはなっていないでしょう。
新規事業がうまくいったとしても、相乗効果で本業も伸びるということはないはずです。
つまり、「多角化経営」をするにあたり、新規事業を選択する際には、既存事業との「市場関連性」と「商品関連性」が重要だということです。
そして、その選択ミスが企業成長を遅らせる原因となっているケースが、実は少なくないのです。
100億円企業へのロードマップを描く
これまで述べてきたように、売上が20億円から30億円クラスの会社が100億円を超えるためには、「コングロマリット化」と「新規事業の選択」が重要です。「市場が成長しているから」「興味がある事業だから」などといった理由だけで新規事業を選択し、コングロマリット化を目指しても、成長を加速させることはできません。
新規事業そのものによる業績アップに加え、本業や他の事業にも相乗効果が得られるようなコングロマリットを構築することが重要なのです。
本気で「年商100億円企業」を目指しているのに、なかなか進まないという経営者の方は、一度、コンサルタントの診断を受けて、「コングロマリット化×新規事業」による「年商100億円企業へのロードマップ」を描いてみてはいかがでしょうか。