業界の現状について
福祉用具レンタル業界を取り巻く環境は、成熟期を迎え、以前のような成長の勢いは鈍化し、利益が圧迫される状況が見受けられるようになっています。また、大手の存在感が増し、業界の潮目が変わりつつあると感じている事業者も少なくありません。
業界のライフサイクルが進むにつれて、市場はパワーゲーム化しやすくなります。具体的には、導入期、成長期、成熟期、衰退期という段階を経て、市場の成長が止まり、利益を上げることが難しくなり、事業者の退出が始まる可能性があります。特に、公的セクターが関わるビジネスは、許認可、補助金、公的基金などの影響を受けやすく、事業者の集約へと向かいやすい傾向があります。
介護保険の報酬改定、販売とレンタルの選択制、モニタリングの義務化、上限価格の改定、財務資料の公表義務化なども、福祉用具レンタル業界に大きな影響を与えています。これらの変化に対応するためには、現状を正確に認識し、新たな戦略を立てる必要があります。
福祉用具レンタル業 法人営業モデルについて
このような状況下で、福祉用具レンタル会社が持続的な成長を遂げるためには、業績を伸ばしてしっかりと利益を確保した上で、新規事業に積極的に投資することが不可欠です。新規事業に取り組む際には、以下の4つの基本的な考え方があります。
・市場浸透
既存の商品を既存の顧客に販売する。
・新市場開拓
既存の商品を新たな顧客に販売する。
・新商品開発
新たな商品を既存の顧客に販売する。
・多角化
新たな商品を新たな顧客に販売する。
船井総研が提案する福祉用具法人営業モデルは、病院・介護施設といった法人をターゲットとし、施設の生産性最大化をコアバリューとして、福祉用具のレンタルや販売を行うものです。このモデルでは、以下の商品・サービスを提供します。
・病院・施設向け商品
福祉用具、家具・家電、設備、消耗品など
・消耗品販売
オムツ、マスク、グローブ、介護食品、事務用品など
・法人レンタル
ベッド、車いす、マットレス、家具・家電など
・口座一本化提案
複数業者への発注を一本化することで、事務作業の効率化を図る
・助成金提案
業務改善助成金など、施設が活用できる助成金を提案する
・施設立上げ支援
新規施設の立ち上げを総合的にサポートする
これらの提案は、病院・施設のキャッシュフロー最大化や、スタッフの生産性最大化に貢献し、結果として利用者のQOL(生活の質)向上にもつながります。
営業モデル&マーケティング
法人営業モデルでは、人的営業とマーケティングを効果的に組み合わせることで、見込み客の発掘から商談・クロージングまでを効率的に行います。
・人的営業
新規アプローチ(名刺交換)、定期訪問、案件キャッチ、提案・見積、消耗品納入などを通じて、顧客との関係性を構築します。
・マーケティング
Webサイト、ダウンロードコンテンツ、メルマガリスト、メルマガ配信、MA(マーケティングオートメーション)などを活用し、見込み客の育成と絞り込みを行います。
特に、Webサイトやメルマガを通じて、施設の生産性最大化に役立つコンテンツを提供することで、温度感の高い見込み客を抽出し、効率的な営業活動につなげることが重要です。
法人営業モデルの事業領域
法人営業モデルは、従来の福祉用具の事業領域に加えて、病院・施設のニーズに応じた幅広い商品・サービスを提供することで、新たな収益源を確保することができます。
福祉用具法人営業モデルにおける商流は、メーカー、卸会社、福祉用具レンタル会社、利用者、ケアマネ、病院・介護施設といった関係者で構成されます。
具体的なマーケット規模を推定するために、以下の数値を参考にすることができます。
・人口10万人あたりの施設数:60.6施設
・商圏人口:50万人
・商圏内施設数:約303施設(50万人 ÷ 10万人 × 60.6施設)
・想定シェア:26%
・取引施設数:約79施設(303施設 × 26%)
・1施設あたりの売上:5,000千円
・想定売上:393,851千円(79施設 × 5,000千円)
・粗利率:20%
・想定粗利:78,770千円(393,851千円 × 20%)
・スタッフ数:5名
・1人あたり粗利:15,754千円(78,770千円 ÷ 5名)
これらの数値はあくまで一例であり、地域や施設の規模、サービス内容によって変動する可能性があります。
船井総研への経営相談
福祉用具レンタル業界は、成熟期を迎え、変革期を迎えています。このような状況下で、生き残りをかけ、更なる成長を目指すためには、新規事業への積極的な取り組みが不可欠です。
船井総研では、福祉用具レンタル業界の法人営業モデルに関する専門的なコンサルティングを提供しており、貴社の現状や課題に合わせて、最適な戦略をご提案いたします。
・市場分析
業界の動向や競合状況を分析し、貴社の強みや弱みを明確にします。
・戦略策定
法人営業モデルの導入に向けた具体的な戦略を策定します。
・実行支援
戦略の実行をサポートし、目標達成に向けた伴走支援を行います。
・研修
営業担当者向けの研修プログラムを提供し、スキルアップを支援します。
新たな成長の可能性を探るために、ぜひ一度、船井総研へご相談ください。