未曾有の事態を乗り切るために
新規事業への参入、事業アイデア出しはどんな時代も経営者の悩みの種の1つです。
下図は企業の経常利益推移のグラフです。
新型コロナウィルス流行という未曽有の事態に直面し、経営もより混迷を極めています。
また、新規事業関連の情報サイトや展示会なども大きく顔ぶれが変化しています。
そのため今後は、新規事業もコロナ禍など、未曽有の事態に対処できるアイデアや対策が必要です。
本記事では
1.コロナ禍、アフターコロナでも生き残る業態
2.注目の最新ビジネスモデル
を解説します。
コロナ禍、アフターコロナでも生き残る業態
①生活動向に適した業態
下図は労働人口・共働き世帯数の推移です。
赤が労働人口の推移、黄色が共働き世帯の推移です。
労働人口の減少と共働き世帯の増加は、今後アフターコロナの時代でも加速する見込みです。
加えて、コロナでステイホームが増え、家庭内の家事負担が増えました。
しかし20代を筆頭に、家事、育児、介護の時間は減少しています。
結果的に家事、時短ニーズも加速しています。
②省人化・脱職人化された業態
労働人口減少と合わせて、省人化も長く注目され続けてきました。
近年よりその動きが顕著になり、完全無人のテイクアウト業態などの店舗数が増えています。
下図は「大企業・中小企業が強化すべきと考えている取り組み」のアンケート結果です。
人材の採用、育成、省人化といったニーズを伺えます。
また、コロナの影響を受けて非接触型ニーズなども増えました。
この流れは確実に加速しています。
③複数の収益ポイントがある業態
コロナで打撃を受けた業種は多くあります。
特に飲食業や旅行業などは影響が大きかった代表的な業種です。
そんな中、飲食業の三毛作業態に代表される、収益ポイントが複数ある業態が人気を集めつつあります。
二毛作・三毛作ビジネスとは、朝は定食屋、昼は蕎麦屋、夜は居酒屋といった時間帯別に業態の異なるビジネスを行い、複数の収益ポイントを確保している業態のことです。
今後も新規事業のマネタイズの視点として、この流れは重要視されます。
④リアルサービスとオンラインサービスの融合に成功した業態
コロナで「オンライン化」のキーワードが頻繁に飛び交いました。
アフターコロナでも、オンラインとリアルの融合ビジネスは一定のニーズが保たれます。
下図の通りEC市場も拡大傾向です。
1.オンラインサービスの広がりでファーストコンタクトのハードルが下がる
2.これまで来店のなかった顧客層の開拓が可能になる
など、新規顧客の開拓に繋がっています。
⑤脱炭素・環境負荷低減要素のある業態
近年、SDGsやESG投資など、「サステナブルなビジネス」がトレンドです。
日本国内の全投資割合に占めるESG投資の割合が増加しています。
今後も脱炭素・環境負荷低減要素のあるビジネスは加速します。
外部からの評価、ブランディングの重点施策としても今以上に重要視されます。
注目の最新ビジネスモデル
続いて、どのような最新ビジネスモデルが注目されているか、具体例をご紹介します。
①多機能型外食業態
1拠点でベーカリーやカフェ、家具など、複数の専門店要素の内包に成功した業態が出現しています。
カフェ×バルの業界でテイクアウト×ゴーストキッチンを持つ三毛作も増えております。
飲食ビジネスで、複数の収益ポイントを付加した業態は、今後も様々に出現する見込みです。
②環境負荷の低い業態
近年、環境対応型の洗剤を使わずに、アルカリイオン水で洗濯できるコインランドリーが店舗数を増加しています。
これにより、環境に負荷を与える洗剤を使用しないエコフレンドリーと、すすぎ工程の改良による節水を実現しています。
リサイクル・リユース系業態も、環境負荷低減の視点で再度注目を集めています。
③省人型冷凍食品専門店
様々な冷凍食品を専門で扱う業態が無人型、省人型の販売に参入しています。
特に店舗数を広げているのは餃子の無人販売です。
顧客は販売所で商品を購入し、自宅で簡単調理します。
この業態は省人対応が可能な売り場設計かつ、収益性も担保していることが特徴です。
④リアル&オンラインサービス融合型業態
医療やフィットネスで特に増えている形態の事業です。
リアル拠点の店舗で施術を受け、オンラインで継続的なフォローを行うビジネスです。
並行して、
1.アプリやオンラインでの体のメンテナンスサービスについて発信
2.食事指導
など、サプリや化粧品等の商品も合わせて提供していく流れが出来上がりつつあります。
情報収集が新規事業立ち上げの肝!
新規事業アイデアのキーワードと、注目ビジネスモデルについてそれぞれご紹介しました。
新型コロナ直撃という未曾有の事態の中、良くも悪くも凄いスピードで全く新しいビジネスが生まれています。
否が応でも日々の生活に制限が生まれています。
従来は浸透までにかなりの啓蒙が必要だったビジネスモデルでも、受け入れられやすくなっています。
投機的なビジネスモデルには注意が必要です
時流のビジネスモデルやキーワードは常に情報収集し、アフターコロナでも生き残る事業を見分けることが重要です。
新規事業を立ち上げたい方の一助になれば幸いです。
他にも、最新の業績アップ事例を踏まえて、事業に役立つ情報を発信していく予定です。
楽しみにしていてください。