会計事務所向け経理コンサル強化ロードマップ

船井総研は長年にわたり、多くの会計事務所様の事業強化をご支援してまいりました。
現在、会計業界を取り巻く環境は大きく変化しており、経理コンサルティング業務は、会計事務所様にとって新たな収益源となり、持続的な成長を牽引する重要な柱として注目されています。
会計業界の現状と経理コンサルの重要性
現在、成長を続ける会計事務所様には共通の特徴があります。
それは、経理コンサル業務からの売上が伸びているということです。多くの中小企業が抱える経理の課題は、従来の記帳代行や税務申告だけでは対応しきれないほど多様化・複雑化しているからです。
特に、以下のような課題に直面する企業が増えています。
● 経理担当者の退職
● 経理業務の外注ニーズの増加
● クラウド化への対応
これらの課題は、企業が内部の経理体制だけで解決することが難しいものです。
そのため、会計事務所様が経理業務の体制構築やアウトソーシング、クラウドツール導入支援を通じて企業の経理課題を解決する「経理コンサル」のニーズは、今後も高まると考えています。
貴所の事業を強化する上で、経理コンサルティングは不可欠な領域と言えるでしょう。
経理コンサル事業を大きく育てるロードマップ
弊社がこれまでの知見をもとに作成した「経理コンサル事業1億円事業化ロードマップ」では、経理コンサル事業の売上規模に応じた最適な事業強化策を段階的にご紹介しています。
このロードマップでは、売上規模を以下の4つのステージに分け、それぞれのステージで最も注力すべき「センターピン」(最重要施策)と具体的な取り組みを解説しています。
各ステージにおける「センターピン」
● 〜1,000万円: 商品設計&集客設計
● 3,000万円: 集客の複線化&営業設計
● 5,000万円: 採用/育成&業務標準化
● 1億円以上: 体制強化
売上ステージごとの「商品」の進化
ご提供する「商品」も、売上のステージに合わせて進化させることが重要です。
● 〜1,000万円:クラウド導入支援、経理代行(会計周り)
● 3,000万円:クラウド導入支援、経理代行(+労務周り)、経理アドバイザリー
● 5,000万円:上記に加え、出張型経理代行、特化パッケージ
● 1億円以上:上記に加え、中堅企業向け経理代行
「集客」手法の多角化
集客に関しても、既存顧客へのクロスセルから始め、徐々に多様な手段を導入していきます。
● Webマーケティング
● オンライン/リアルセミナー
● プッシュ営業
● DM(ダイレクトメール)
● チャネル開拓
● デジタルマーケティング
「営業」体制の強化
営業力も段階的に強化していきます。
1. クラウドツールや経理業務の理解
2. 営業資料の作成
3. 営業プロセスの標準化
4. 事例ベースの営業トーク
5. 貴所の理想的な業務フローでの提案
6. 特化パッケージの提案
7. 最終的には営業部隊やマーケティング部隊の設置
「採用」と「育成」の計画
● 採用
社内人材の活用から始まり、専任者、パート、在宅ワーカー、未経験の正社員、さらには営業専任者やIT専任人材の採用へと進みます。
● 育成
マニュアルの整備、スキルチェックシートの作成、社内テストの導入などを通じて、組織全体の能力向上を図ります。
「体制」構築のロードマップ
立ち上げ時は1〜2名でスタートし、リーダーやマネージャーを配置しながら、最終的にはメンバー8名以上の大規模な組織へと拡大させていくロードマップを描いています。
経理コンサル売上:〜1,000万円のステージで成功するた めの施策
特に、経理コンサル事業の立ち上げ期であり、売上〜1,000万円を目指すステージでは、「一点突破商品×一点突破集客手法」が成功の鍵となります。
この段階で会計事務所様が直面しやすい課題は以下の通りです。
● KGI(重要目標達成指標)・KPI(重要業績評価指標)が不明確
● お客様に合わせた経理フローでの受注
● クラウドへの理解不足
● 企業の経理フローへの理解不足
● 安定した集客導線がない
● 顧問先への提案がうまくいかない
これらの課題を解決し、効果的に売上を伸ばすための具体的な施策を解説します。
一点突破商品:クラウド導入支援
このステージでの突破口となる商品は「クラウド導入支援」です。これは単にツールの導入を支援するだけでなく、企業の経理業務全体を改善し、最終的に「経理改善(クラウド化)→ 経理代行」という流れを提案することを目指します。
クラウド導入支援の実施ステップ
1. サービス説明
オンボーディング資料を活用し、サービス概要を明確に伝えます。
2. 徹底的なヒアリング
業務フローヒアリングシートを用いて現状の経理体制を詳細に把握し、その結果をサマリーとして報告します。ヒアリング項目の見直しも重要です。
3. 理想の経理フローの作成
ヒアリング結果に基づき、各業務領域における理想的な経理フローを具体的に作成します。
4. トライアル導入&改善の繰り返し
実際にクラウドツールを導入し、会計、給与計算、勤怠管理、請求管理、経費精算、コミュニケーションツール、資料共有など、お客様の状況に合わせて繰り返し改善を行います。
5. 経理アウトソーシング
月次スケジュールを作成し、経理業務の処理を実行します。
提案資料の7つの項目
以下の7つの項目を盛り込んだ提案資料を整備することを推奨します。
1. 事務所紹介資料: 貴所の概要を紹介します。
2. ヒアリングシート: 現状の経理体制をヒアリングし、改善方針を提示するための資料です。
3. サービス提案書: ヒアリング結果と料金を提示します。
4. 経理フロー図: 改善後の経理フローを視覚的に提示します。
5. 導入スケジュール: 改善・代行の導入スケジュールを提示します。
6. 料金表: 代行料金の見積もり基準を示します。
7. オンボーディング資料: 上記①〜⑥の資料をまとめた提案資料です。
一点突破集客手法:Webマーケティングとプッシュ営業
このステージでは、集客を一点に絞り、最も効果の高い手法に集中します。
Webマーケティング
Webマーケティングでは、具体的なKGI(重要目標達成指標)やKPI(重要業績評価指標)として、CPO(顧客獲得単価)、CPA(獲得単価)、面談誘導率、受注率、受注単価などを明確に設計することが重要です。
中小企業の経理コンサル問い合わせニーズ調査(2023年1月~11月、225社対象)によると、主なニーズは以下の通りです。
● 経理の退職: 29%
● 経理の外注: 24%
● 外注先の変更: 13%
特に、「経理の外注」理由の約7割が「社内負担の軽減」であり、「外注先の切り替え」理由の約7割が「顧問税理士の対応不満」または「顧問税理士の人手不足」、約3割が「経理代行会社のミスの多さ」であることが明らかになっています。
これらのニーズを捉えた集客手法として、弊社は以下のWebマーケティング施策を推奨しています。
● 明確層(経理の退職、経理の外注、外注先の変更など): ニーズに特化したLP(ランディングページ)とPPC広告
● 顕在層(経理が高齢、親族が経理など): 専門HPとPPC広告
● 準顕在層(社長が経理対応、法人成りなど): 専門HPとSEO対策
集客導線の構築
● 経理コンサル専門のHPを構築し、PPC広告やSEO対策を通じて新規顧客を獲得します。
● DM/ハガキ、オンラインセミナー、既存顧客へのアプローチ、事務所HPからの流入も重要です。
● これらの導線から、メールや電話での問い合わせ、ZOOMや来所での面談、メルマガ登録、ダウンロードコンテンツ、資料請求など、多様な「受け皿」を設けることで、見込み顧客との接点を増やします。
● SNSやGBP(Googleビジネスプロフィール)も有効な手段です。
プッシュ営業
もう一つの強力な一点突破集客手法が「プッシュ営業」です。特に企業の「採用ニーズ」に対して仕掛けるプッシュ営業は非常に効果的です。
プッシュ営業の具体的なステップ
1. 求人掲載企業よりリスト作成: 経理人材を求めている企業を特定し、リスト化します。
2. テレアポの設計: アポイント獲得のためのスクリプトや戦略を立てます。
3. コール&アポ取得: リストに基づき電話をかけ、アポイントを獲得します。
このプッシュ営業は、リストに対するアポイント率が平均12%と高く、一般業種の平均(1%前後)と比較して顕著な成果が期待できます。
実際に、東海地方や中国地方での事例では、リスト数に対して高いアポイント獲得率を達成している実績があります。
これは、採用ニーズが顕在化している企業へのアプローチであるため、非常に効率的な事業強化につながります。
運営体制:〜1,000万円ステージ
このステージでは、1〜2名、あるいはリーダー1名とメンバー2名以上の体制が目安となります。
役割分担の例
● 正社員A: 営業とクラウド導入支援のメイン
● 正社員B: 営業とクラウド導入支援のサブ、経理アウトソーシングの窓口
● 入力者: 経理アウトソーシングのメイン担当
成功への鍵は「営業力」と「ITスキル」の融合です。若手正社員、パート、在宅ワーカー、新入社員といった人員を適切に配置することが重要になります。
貴所の経営相談、ぜひお任せください
ここまで、会計事務所様が経理コンサル事業を拡大し、事業を強化するための具体的な施策について解説しました。
しかし、これらの施策を貴所の実情に合わせて導入し、成果を出すためには、専門的な知識と経験が必要です。
弊社は、経理コンサル事業の拡大を目指す会計事務所様向けに、個別相談や「経理コンサルビジネス研究会」といった専門的なサポートを提供しています。
研究会では、実際に成功されている会計事務所様の事例共有、30種類にも及ぶ特典ツールの提供、総勢80名を超える全国の会員様とのコミュニティ形成を通じて、最速で収益化を目指せる環境が整っています。
船井総研の強み
● 月額2万円から単価120万円の経理コンサル商品を開発可能
● 定例勉強会以外でも疑問点をすぐに解消できる体制
● 会計業界専門コンサルタントによるきめ細やかな業績アップのフォローアップ
貴所の経理コンサル事業強化に向けて、さらに具体的なステップを知りたい方や、個別の課題解決に向けたご相談をご希望の方は、ぜひ船井総研へお気軽にお問い合わせください。
貴所の成長を全力でサポートさせていただきます。
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