あすか税理士法人は北海道札幌市を中心に、道内に6拠点を置いています。法人化した2008年以降、おかげさまで順調に成長しており、ここ数年は7年連続成長です。2019年は前年比116%、5億円を達成しました。そのうち新規受注金額は1.7億円です。受注のために動く社員は28名ですから、一人あたり平均600万円を新規受注している計算です。2008年に10名程度だった従業員数は、前期末61名です。入社5年未満の社員が75%を占めています。
こう話すと「ベテランのみ採用しているのでしょう?」と聞かれるのですが、20代で入社した社員が積極的に活躍しています。事務所の成長のためには若い人に力をつけてもらうことが肝ではないでしょうか。若くて優秀な人の活躍を見ると、年配者にも緊張感が出るようです。
現在の安定した成長に至るまでは、多くの課題がありました。新規受注が増えれば自然と業務量は増えます。そのような中、特定の社員ばかりに負担が掛かっていたのです。
事務所の創設者でもある川股は営業力があり、案件をたくさんいただいてきます。その一方で、従業員には「仕事が増えるばかりで給料は上がらない...」と思われていたのです。そこでアイデアを練って、2012年から仕組みづくりに注力し始めました。
■「純生産性」と「内部通貨」の仕組みでモチベーションが向上
ここで導入したのが、新規受注があった際に社員が自ら手を挙げたくなるような仕組みです。まずは、ひとつの仕事を細分化し、工程ごとに社員が手伝えるようにしました。例えばコピー取り、資料整理、資料解析、申告書作成という具合です。導入当時はイントラネットの掲示板に載せて公募のようにしました。作業には、負担や難易度ごとに報酬ポイントを振り分け、これを賞与に反映させました。この効果は抜群でした。未経験でもやってみたい仕事であれば手伝えますので、スキルアップにもつながります。
さらに、事務所内だけで使える架空の収益単価を定めました。誰がどの仕事を何時間したのかを計算することで生産性が可視化できます。やらされた感がなくなり、達成感は自信につながります。この評価管理の仕組みは副次的効果も生みました。チームとしていかに生産性を高めるかという意識が高まり、積極的に上司とコミュニケーションをとるようになりました。上司はどんどん仕事を振れるようになり、時間ができ、さらに新しい仕事ができるという好循環が生まれました。
■本人が望むワークスタイルを選択できる
同じ頃、採用にも力を入れていました。業界全体でも経験者採用が難しくなっていた時期です。各支店長に権限移譲し、それぞれで採用していたのですが、ミスマッチ採用が多発し入社3か月も経たないうちに退職するというケースもありました。
成長への意欲があれば希望する仕事をいくらでも経験できる一方、特に女性はそこそこの業務内容で分相応の報酬で構わないという人もいます。そのため、お客様との交渉の場には出ないぶん、お給料はそれほど高くないという職種も用意しました。あとあと総合職のようなポジションに移りたければできるようにし、それぞれが望むスタイルで働けるようにしたことで定着率が上がりました。
このほか支店長による1on1ミーティングやストレスチェックなども始めています。また、同社と他社との違いを意識することで独善的にならないように、毎月1~2件、ほかの事務所の見学もおこなっています。
会社として大きな目標を打ち立てるのではなく、こちらが従業員の希望を汲み取り寄り添っていけば、あとは自分の背中を見てついてきてくれると信じています。当社のような規模で入社3年の社員が新規で600万円を取るというと、皆さん驚かれます。これは、新しい仕事を取ることに皆の気持ちが向いているからにほかなりません。
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