
船井総合研究所との関わり

在庫リスクの圧迫により、業績が伸び悩む。中途採用も採用しては辞めるの繰り返しに。

軽自動車専門店のビジネスモデル転換で在庫リスクの軽減に成功。中途採用から新卒採用に絞り込み、採用と人材育成の強化を図る。

今期100億円にまで成長。専任化による営業体制の導入などによりサポート品質の向上を図り、魅力ある企業作りを目指す。
お話

代表取締役会長 林 伸雄 氏
オートビジネス経営研究会会員総会2015にて全会員の中から1社だけに贈られる最高賞「年間MVP」を受賞した株式会社ハヤシ。岡山県下No.1クラスの車屋として、成熟業種においても100億円にまで急成長を遂げた同社の秘密に迫ります。
軽自動車専門店で在庫リスクという落とし穴からの脱却
中古車販売業という商売は、高単価な車を販売し、できるだけ高い利益を得ることに目を向けがちです。そんな私もその一人でした。船井総研とは15年程前からお付き合いするようになり、新規出店に関するアドバイスとともに軽自動車専門店を一緒に作り上げていきました。
初めは単価が低く、利益率も一台あたり10%程度と微々たるものでしたので業績が上がるか半信半疑でした。しかしそんな心配をよそに、おもしろいように売れていき、それと連動して安定的に利益も確保できる経営基盤を作り上げることにも成功しました。その大きな要因は、在庫リスクによるマイナス計上の軽減です。それまではオークションを通じて高価格で競り落としては、売れ残った在庫を絶えず仕入れ価格よりも低価格で売りさばくという悪循環により、いくら販売しても在庫管理の経費により経営を圧迫していたのです。
それに比べ、軽自動車専店に転換後は、仕入れ価格もこれまで以上に低いため、従来よりも圧倒的な在庫リスクの軽減につなげることができました。目先の利益ばかりに追われることなく、在庫の新陳代謝が高い低価格低利益の軽自動車に特化したことが、現在の成長の分かれ道だったと今強く感じます。
規模拡大の秘訣は新卒採用にあり
高い成長性と規模の拡大は、ビジネスモデル以外にも、11年継続してきた新卒採用が大きく寄与しています。当初は、即戦力を求めた中途採用のみを行っていました。しかし、採用しては辞めるの繰り返しで、一向に社員が定着せず経営にも悪影響を及ぼすほどでした。日に日に「自分が描いた経営像はこんなはずではない」という気持ちが湧き上がり、中途採用から一転、新卒採用を経営の最重要課題として掲げました。
その当時は売上が20億円。右も左もわからないまま出展した採用イベントでは、向かい側の企業は100人の学生で盛り上がっているのに対し、当社は1人しか来ない。このようなことが3年続きました。私自身、売上規模が小さいことで、新卒採用では悔しい思いを何度も味わいましたが、継続的に会社を成長させるためには、自分の家を売ってでも新卒採用をやるという断固たる決意で取り組みました。
すぐに結果は出ませんでしたが、船井総研からのサポートもいただきながら、継続的に取り組むことでノウハウも確立し、人を見極める力も養いました。積極的に取り組んでいたCMによる販促活動も功を奏し、今年は35名の採用に至りました。新卒社員は、技術を身につけることに喜びを感じ、素直に学ぶため、2年も育成すれば、すばらしい販売実績を残すまでに成長してくれます。売上も10年前に目指していた100億円に近づき、どんなに苦しくても新卒採用にすべてをかけてきたことは間違いではなかったと確信しています。

利益を生み出す業務別の専任化体制
当社ではリピート率や顧客満足度向上を目指し、後追い電話や半年後の車検案内をするコールセンターを設置しています。従来までは、営業マンが隙間時間に電話することがほとんどでした。しかし、コールセンターを専任化することで、アフターメンテナンス(車検や鈑金塗装など)の案内の取りこぼしも減り、利益創出につながっています。
その他にも、来場から店内までの案内を専門とする「グリーター」(あいさつ係)も専任化しました。このような業務別の専化は、営業サービスの品質向上にもなり、その結果としてこれまで以上に車の購入から納車までスピーディーに対応できる体制になりつつあります。来年には5店舗目がオープンする予定です。今後もお客様にとって満足のいくカーライフの提供とともに、岡山県下No.1クラスの車屋というくくりではなく、社員を含め、誰しもが魅力を感じる会社づくりを目指していきたいと思います。

【写真左】 あいさつ係を専門とするグリーター。細かな対応がお客様からの支持につながっている
【写真右】 新卒社員の活躍が高い成長性の原動力
研究会活用術 ~情報を経営の力に~

代表取締役 林 和樹 氏
オートビジネス経営研究会の中でも優れた実績を上げている会員さんは、取り組むスピードが圧倒的に早いです。合間の休憩時間には社員に電話で情報共有し即座に実行させている場合もあります。いい話を聞いて終わりではなく、常にトライ&エラーを繰り返しながら、リスクのないことは即座にやるべきです。二の足を踏まず、いかに取り組むスピードを早くするかが大事ですね。
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