新規サイト「ハンガー．COM」がもたらした大逆転と元請への転身

有限会社エクセレント急便様

東京都江戸川区

自動車・その他小売

有限会社エクセレント急便運輸
代表取締役

岩本　憲一氏 様

2015.3.20

サクセスサマリー

輸送から物流までアパレル製品に特化したワンストップサービスを展開し、元請比率が60％に。売上もサイト開設から165％に拡大し、下請けからの脱却に成功する

■ 船井総合研究所との関わり

【ビフォア】
リーマンショックの影響により、稼動車両が半減。元請に左右される経営に不安を抱く

【アクション】
ハンガー輸送という強みに専門特化させた、新規サイト「ハンガー車．COM」を新規開設

【アフター】
輸送から物流までアパレル製品に特化したワンストップサービスを展開し、元請比率が60％に。売上もサイト開設から165％に拡大し、下請けからの脱却に成功する

元請と下請の二極化が進む物流業界。その中で、他社にはないハンガー輸送という専門サービスで見事差別化に成功し、それに付随させたアパレル物流のワンストップサービスの展開で、元請比率60％を実現させた同社を紹介します。

会社設立後、大手アパレル物流会社からの下請けを中心に事業を進めていました。しかし、リーマンショックの影響により、大手物流会社から稼動させていた自社車両の減車を余儀なくされたのです。経営が軌道に乗り始めていただけに、4割以上の収益減は、予想外の痛手でした。なぜなら売上の95％以上が、その大手アパレル物流会社だったからです。これをきっかけに、下請けに依存した企業体質の改善を考えるようになりました。しかし、その思いとは裏腹に厳しい状況を打開できず、参加したセミナーで船井総研を知り、わらにもすがる思いで、コンサルティングをお願いすることにしたのです。

「ハンガー車．COM」立ち上げで業績向上と元請への転身に成功した。不安も多くありましたが、現状を打破するためにもこの提案を受け入れることにしました。ハンガー輸送は、ハンガーに衣服を吊るしたまま輸送が可能な専門性の高いサービスです。また、衣服のシワ防止はもちろん、輸送に伴う開封や梱包といった荷主の作業効率化やコスト削減のメリットも同時に持ち合わせています。

一般の輸送よりも特異な輸送なため、このサービスに必要なハンガー車両を保有しているのは、関東内の大手物流会社を含めても5社ほどしかありません。その中で当社は、アパレル物流会社の下請け業者だったことが幸いし、全車両がハンガー車両でした。しかしながら、既存のホームページには、その部分について明確に打ち出せていなかったのです。そのため、ハンガー輸送の専門サイト「ハンガー車．COM」を立ち上げることで、自社の強みを打ち出し、アパレル製品を扱う企業からの直受け獲得を目指しました。

また、大手物流会社に比べ価格を低めに設定し、キャラバンから4tトラックまで幅広い容量のハンガー車を取り揃えることで、輸送先の規模を問わず、ハンガー輸送を利用してもらえるようにも注力しました。その結果、当初の予想に反してアパレル企業のみならず、ウェディングドレスを扱うホテルや写真館などからも新規案件を獲得することができたのです。従来の下請けの単価よりも高単価な直受けの案件が増えたことによって大幅に売上が回復し、現在では外注するまでに案件が増加しました。その中で、アパレルメーカーや卸などのアパレル関連企業から「輸送だけでなく衣服の検品や補修もしてほしい」という輸送に伴う周辺業務の要望も寄せられるようになり、以前からやりたかった物流事業も取り組むことにしました。

アパレル物流サービス開始から半年で5，000万円の売上を創出

「ハンガー車．COM」に付随させる形で、新たに「アパレル物流．COM」を立ち上げました。一般的にアパレル企業は、輸送、検品、流通加工をそれぞれの専門会社に発注します。そこで、ハンガー輸送とは別に、検品から保管、値札付け、タグ付け、プレス加工といった流通加工を物流部門で展開することで、アパレル企業に特化させたワンストップサービスを展開させたのです。

サイト内には、各作業工程の動画を掲載し、監視カメラの設置等によるセキュリティ環境を打ち出すことで、荷主への安心感につなげられるように気を使いました。パート2人で始めたアパレル物流は、立ち上げた2013年11月は、月に100万円程の売上しかなかったものの、WEB販促と口コミのみで、事業開始半年後には15人体制までに拡大し、5月には単月で1、000万円超を売り上げるまでに成長したのです。他社にはないアパレルに特化させた輸送と物流のワンストップサービスを展開したことで、元請比率も60％以上になり、元請への転身につながっています。今後は、トラックの増車と人材の育成を強化することで、更なる事業の拡大を図っていこうと思います。