
2014.05.23
■ サクセスサマリー
【ビフォア】
大手路線会社の代理店として、工場や事務所から物流拠点までの輸送を担う運送会社。マーケット縮小に将来を案じる
【アクション】
配達請負だけでなく、新規集荷案件を増強。ドライバーのモチベーションアップ、サービスのクオリティーアップを同時に手掛ける
【アフター】
営業経験のないドライバーによる営業を展開し、新規案件は年間167件増。売上は3年で150%となり、18億円を突破。さらなる安定経営を図る
人手不足といわれる物流業。かたい業界イメージから脱却し、人間性の高い若手社員をどんどん採用、活躍させている。ドライバーの新規営業による業績続伸、社員のモチベーションを上げ、一気にギアチェンジさせた同社の取り組みとは?

大阪商運株式会社
代表取締役社長 青木 幸弘(あおき・ゆきひろ)氏
大手物流会社から請け負うエリア配送に加え、工場・事務所からの集荷営業も行っていましたが、勝手に仕事が入っていた高度経済成長時代と違い、売上も利益も下がっていました。
先代から会社を引き継ぎ、拡大したい思いとは裏腹に明るい兆しを見い出せず、船井総研に経営支援をお願いしました。集荷営業を強化する必要を感じていました。いつも同じルートに配送しているドライバーは担当者と顔見知りです。取引先から新たな案件を受注することで事業拡大できるだけでなく、良好な人間関係を継続することで顧客満足につながると考えました。

社員への意識改革が始まりました。理念の浸透、クレドによる会社の方向性の統一、身だしなみ研修、笑顔トレーニング、お客様へのサンキューカードなど、とくに笑顔トレーニングは著名な講師を招いて行いました。意外にも目立った抵抗はありませんでした。というのも、その重要性を感じていたようです。
客先に気に入ってもらえ、世間話をしたりお茶をいただいて嬉しかった経験がモチベーションの根底にあったのです。とはいえ、ドライバーはたいてい人見知りの性格です。笑顔が大事だとわかっていても恥ずかしいものです。完全にギアチェンジできるまでに2年ほどかかりました。
しかしお客様アンケートを実施してみると、大変喜んでもらえていることがよくわかりました。仕事への姿勢が、単なる配送ではなくお客様に喜んでもらうように変化したのです。「安うしといてや!」と一見乱暴そうに聞こえるひと言も、「あのドライバーさんだからお願いできる」という信頼関係が築けているからです。

お客様からいただいた荷物に喜ぶドライバー
信頼と笑顔を売るセールスドライバー
ドライバー自ら中小規模の工場や物流センターに飛び込み、集荷案件のお伺いをします。営業社員が受注してきた仕事をただこなすよりも、ドライバーが誠意をもって売り込み、信頼を買っていただくほうが責任感をもって仕事ができます。営業ツールやDMも工夫を施しました。
笑顔はもちろん、営業メニューをわかりやすくカタログ化し、サービス内容を見せることで営業トークの負担を軽減しました。また営業活性化のため、いただいた名刺数を競う「名刺獲得バトル」と称した社内イベントなどで積極的に促しました。今では、全体の受注案件のうち3分の2は、社員の営業によるものです。いまどき、どこの物流会社でも配送できますから、それでも私どもを選んでくれるのはドライバーとの信頼関係にほかありません。

とにかく笑顔!笑顔!の営業ツールや社内ポスター
硬派な業界イメージを払拭したい
もう一つ取り組みたい大きな要素がありました。物流ドライバーというと気難しいイメージがあります。ベテランに萎縮する若手も少なくありません。しかしそもそも悪い人はいませんから、良さの見える明るい会社にしたいと考えました。
経費で頻繁に行う懇親会だけでなく、会社を挙げて増強した野球部は大成功でした。ドライバーと野球は親和性があるようでした。年齢や拠点を問わず、摂津市優勝を目指し、雨の日も真剣に楽しんでいます。さらにこれが20代の人材採用に奏功しました。今では、応募者の約7割は、野球部への入部希望者です。
業績や顧客アンケート結果はすべて社員にオープンにし、対外的にもホームページやFacebookで会社の考え方や雰囲気を見せています。明るく元気な人が入社するようになりました。お客様にとっても社員にとっても「どこも同じ」ではなく「大阪商運だから」と喜んでもらえるべく、さらに追求していきたいと思います。

社員はチームメイトでありドライバー仲間。
ユニフォームまで作った野球チーム。某スポーツ新聞杯での1勝がきっかけで新聞に名が載ると会社が盛り上がった
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