受注率80%超の秘訣:会計事務所のための営業設計コンサルティング

現在の会計業界は大きな転換期を迎えています。
これまでのように記帳代行や税務申告だけを行うのではなく、顧客の事業成長を多角的にサポートする「経営パートナー」としての役割が強く求められています。特に、新規顧客獲得の重要なカギとなるのが創業支援です。
創業期の顧客をサポートすることで、長期的な顧問契約へとつなげることが可能になります。
しかし、このようなニーズの高まりとは裏腹に、業界内の競争は激化しています。
単に専門知識を提供するだけでは顧客獲得が難しくなり、多くの会計事務所様が顧問契約の獲得に課題を感じています。
効果的な営業戦略を確立し、見込み客との接点から契約に至るまでのプロセス全体を「営業設計」として体系的に構築・実行することが、安定した経営基盤を築くために不可欠となっています。
受注率80%超え!成功する会計事務所の営業設計事例
船井総研が注目するある会計事務所様の成功事例は、多くの事務所様が抱える営業課題に対する具体的な解決策を示しています。
この事務所様は、創業支援事業で80%を超える驚異的な受注率を達成しており、その営業手法と戦略は、貴事務所の営業力強化に大いに役立つでしょう。
この事務所様の営業フローは、以下の明確なステップで構成されています。
電話対応 → 面談誘導 → 面談 → 受注 → 月次開始
また、各ステップでの役割分担も明確です。
● 電話対応
主に社員やパートなどの若手スタッフが担当し、簡単なヒアリングから面談のアポイントメント取得までを行います。専門的な質問には代表が対応できるよう体制を整えています。
● 面談
人案件の場合、基本的に代表が担当し、顧客との信頼関係構築と成約に注力します。
● 受注後
各担当者に業務が振り分けられ、月次顧問業務が開始されます。
この一連の営業設計における具体的なポイントを詳しく見ていきましょう。
1. 最初の接点:電話対応の工夫
顧客との最初の接点となる電話対応は、その後のプロセスに大きく影響します。
● 商品別電話対応メモの活用
「会社設立」「創業融資」「相続」といった主要な問い合わせ内容に合わせて、3種類の電話対応メモを用意しています。
これにより、問い合わせ段階で効率的にヒアリングを行い、顧客のニーズを的確に把握できます。
ヒアリング内容はメモに記入され、面談担当者へのスムーズな引き継ぎを可能にし、顧客が同じ話を何度もする手間を省きます。
● フリーダイヤルの導入
顧客が気軽に問い合わせしやすいだけでなく、「フリーダイヤル=大きい事務所」という印象を与え、事務所の信頼性や規模感をアピールできます。
番号ごとに着信音を変えたり、冒頭にアナウンスを入れることで、電話を受けた担当者が問い合わせ内容を即座に判断し、適切なヒアリングメモを準備できる実務的なメリットもあります。
● 丁寧な電話対応の徹底
事務所全体で丁寧な電話対応を徹底しており、顧客アンケートでは「電話の受け答えが良い」という評価が2割を占めるほどです。
細やかな配慮とプロフェッショナリズムが、顧客満足度を高める重要な要素となっています。
2. 面談への誘導:アポイントを成果につなげる工夫
電話対応で得たアポイントを、いかに実際の面談へとつなげ、成功させるかが重要です。
● 来所面談の徹底
この事務所様では、面談方法として事務所への来所を強く推奨しています。
過去のデータで、事務所での面談では契約率が70%だったのに対し、顧客訪問での面談では20%と圧倒的な差があったためです。
どうしても訪問を希望する顧客には、「弊社には3人の専門家がおります。3人まとめて貴社にお伺いするとなると、なかなか難しいかと思うのですが…」といった「キラートーク」を用いることで、事務所来所のメリット(複数の専門家からの複合的なアドバイスが受けやすいこと)を間接的に伝え、来所を促します。
● 柔軟な面談日の設定
顧客の働き方やライフスタイルに合わせて、面談日程を柔軟に設定しています。
例えば、脱サラして創業を考えている方には土日対応、個人事業主の方には平日20時以降の対応など、顧客の都合に合わせた配慮が、面談設定率と顧客満足度向上につながっています。
3. 成約の肝:営業面談のポイント
面談は、顧客の課題を解決し、顧問契約へと導くための最も重要なフェーズです。
主な面談の流れ
1. お客様アンケート記入依頼
面談冒頭でアンケート記入を依頼します。顧客の基本情報、相談内容、他事務所への相談経験、事務所を知ったきっかけ、選んだ理由などをヒアリングし、今後の集客・営業活動に活かします。
2. ヒアリング
顧客の悩みや不安を深く聞き出すことに最も時間を割きます。
3. 疑問点の解消
顧客が抱える疑問点に対し、専門家として分かりやすく具体的に回答し、不安を取り除きます。
4. サービス案内・クロージング
事務所のサービス内容を具体的に説明し、顧問契約を提案します。
5. 「仮契約書」記入依頼
面談の最後に、必ずその場で「仮契約書」の記入を依頼します。
高い契約率を誇る2つの秘訣
この事務所様が高い契約率を誇る背景には、単なる情報提供に留まらない、顧客中心の営業手法があります。
1. 一方通行の営業トークをしない
プレゼンテーションを先行させるのではなく、まず顧客の悩みや不安を聞くことを最優先します。
最初に聞く質問は「何か質問・不安な点はありますか?」というオープンな問いかけです。
特に創業層の顧客は、「そもそも何を質問していいのかわからない」という場合も多いため、そのような顧客を「面倒だ」「やる気がない」と判断せず、「やりたいことを引き出す」ことに注力します。
例えば、「役員報酬いくらぐらいもらいたいですか?」といった具体的な問いかけから、顧客の希望を汲み取り、その場で簡単な売上計画を立てることで、顧客が具体的なイメージを形成し、事業の実現可能性を共に考える姿勢を示します。
2. 「税務の学校」の疑似体験をしてもらう
事務所を「税務の学校」のように感じてもらうことで、顧客に知識が深まるという価値を提供します。
ホワイトボードなどを使ってその場で手書きで解説し、具体的な数字や図を交えながら仕上げていくことで、「ここに来ると知識が増える」「一生懸命やってくれそうな先生だな」と顧客に感じてもらいます。
これは単なる情報提供ではなく、「先生と生徒の関係」や「学校のような雰囲気」を作り出す効果的な営業手法です。
その他の営業面談のポイント
● 当たり前を徹底する
身だしなみを整え、専門家としての権威付けと親近感を両立させつつ、最低限の礼儀作法を網羅するなど、基本的なビジネスマナーを徹底しています。
● 事務所の雰囲気づくり
面談が基本的に来所であるため、顧客がリラックスして相談できる事務所の雰囲気づくりも徹底しています。
具体的には、個室の応接室を完備し、ウェルカムボードを作成するなど、顧客への細やかな配慮がなされています。
特に、このような配慮は女性経営者から非常に喜ばれているとのことです。
4. 最終フェーズ:顧問契約率アップのクロージング術
最終的な顧問契約に結びつけるための、最も重要なフェーズです。
● 事務所のサービス方針を明確に伝える
決算申告のみを行う事務所も存在する中で、この事務所様では面談の機会を重視しており、面談回数が複数回のプランがスタンダードであることを明確に伝えます。
これにより、顧問契約が単なる税務処理だけでなく、定期的な面談を通じた経営支援であることを顧客に理解してもらうことを促します。
● 顧問契約メリットを具体例で伝える
面談ありのプランにより、定期的に決算シミュレーションや節税対策を行うことの重要性を、具体的な数字を提示しながら顧客に伝えます。
これにより、顧問契約がもたらす経済的メリットを明確に提示し、顧客の納得感を高めます。
最安値のプラン(月額7,500円で面談なし・試算表送付なし)も存在しますが、基本的にはこのプランへ誘導することはしません。
このプランは「ソフト開発などで、設立しても当面は売上がないけれども会社設立と申告が必要な人のためのプランです」といった具体的な業種名を挙げて説明し、適切な顧客層に適切なプランを提案する戦略的な営業手法を採用しています。
● 初回面談時に「仮契約書」の記入を徹底
最も重要なクロージングのポイントは、初回面談の最後に必ずその場で「仮契約書」を書いてもらうことです。
この事務所様の経験から、その場で仮契約書を書いてもらえなかった場合、受注率は2割程度にまで下がってしまうという明確なデータがあります。
仮契約書を持ち帰りとなる主なケースは、相見積もりを取っている場合や、配偶者・経理担当者と一緒に検討したい場合などです。 目の前で仮契約書を書いてもらうことで、顧客が何に迷っているのか、相見積もりを取っているのかといった潜在的な懸念点をその場で正確に把握できます。
顧客が記入を躊躇する様子を見せた場合、「やはり開始期間やお金のところで迷っていらっしゃるのですよね?」といった具体的な質問を投げかけ、顧客の回答に基づいて契約開始時期やプラン内容を柔軟に調整するなど、顧客に寄り添った対応を実践しています。
この柔軟性と即座の課題解決能力こそが、高い成約率を支える重要な営業戦略の一環なのです。
この事務所様の成功事例は、単なる営業努力だけでなく、顧客への深い理解と、それを具体的な行動に落とし込む体系的な営業戦略がいかに重要であるかを示しています。
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弊社船井総研は、これまで数多くの会計事務所様の経営を支援し、ご紹介したような成功事例を深く分析してきました。
貴事務所が顧問契約の獲得に課題を感じている、あるいは創業支援事業をさらに強化したいとお考えであれば、ぜひ一度、弊社にご相談ください。
貴事務所の現状を詳細にヒアリングし、成功事例で示された営業手法や戦略を貴事務所の強みや特性に合わせてカスタマイズするお手伝いをいたします。
専門的な知見と豊富な実績に基づいたコンサルティングを通じて、貴事務所の顧問契約獲得率向上、ひいては安定的な経営基盤の確立に貢献できるよう、全力を尽くします。
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