
2013.06.12
サクセスサマリー
ネット初心者による1.5人体制の馬刺し通販事業だけで、1億円の売上。営業利益率20%。
■ 船井総合研究所との関わり
【ビフォア】
業績向上を狙い、WEBを利用したBtoCに乗り出す。
自社サイトを立ち上げ、ネットショップを本格オープン。担当者はインターネット初心者。
【アクション】
数値計画作り、回収のための管理のPDCAを徹底。安売りすることなく、価値で売れる仕組みを作る。上得意客作りのため、お客様との関係性を強化することで、単なるリピーターでなく意見をもらえる関係に。
【アフター】
ネット初心者による1.5人体制の馬刺し通販事業だけで、1億円の売上。営業利益率20%。
価格ではなく品質で勝負したい
馬肉専門店菅乃
屋通販部
店長 田中 洋一氏
インターネットでの売り上げ拡大を目指して、2008年にネット部門を起ち上げました。まず楽天に出店しましたが、ネットモール市場は、他社がすでに価格勝負で競争状態にあり、後発での出店となった当社は、売り上げにはつながりませんでした
当社では、馬を他社の倍の1トンの大きさになるまで育て、サシの入った霜降りの質のよい馬肉を生産しています。そこまで大きくするには飼料代もかかりますから、他社に比べれば、どうしても価格は高くなります。
価格ではなく品質管理が第一という会社の方針もあり、自社サイトを立ち上げることになりました。
そこで船井総研さんにお願いしました。本来、馬刺しはハレの日の食材ですから、自社サイトは高級感を打ち出した落ち着きのあるデザインにしました。 結果、ネットモールとは違い、味や品質に賛同いただける客層からの購買がありました。
ゼロから起ち上げたネットショップ
高級感を持たせた自社通販サイト
私はもともと作業場で肉を切ったり店頭販売が主な仕事でしたから、ネットショップに関しては全くの初心者でした。肉をさばく職人の中で、唯一パソコンを持っているという理由だけで、担当に任命されたほどです。
スタート当初は船井総研さんの話す専門用語も分からず、投げ出したくなりました(笑)。ウェブ制作会社と一緒に、船井総研さんとは当社に来ていただくほかはメールでやりとりしながら、半年間かけて自社サイトを完成させました。 しっかり準備をしましたので、オープンはうまくいきました。しかし軌道に乗る2年目ぐらいまでは苦労もありました。まずは当社を認知してもらう必要があります。
しかし、広告を出そうにも、私のような素人ではどんな広告をいつ出すのが効果的なのか、まったくわかりません が、船井総研さんの知識を借りて、新規客を獲得する対策としてのリスティング広告やアフィリエイトなどを戦略的に試みました。
これらは外部に発注しますので、金額的にも勇気がいります。船井総研さんからは、どの販促広告にどのくらいのコストをかけ、いくらの売り上げをいつまでに回収するのかという営業管理や、計画の立て方を教えていただきました。やはりかけるところはかけるべきだという確信が数値計画から明らかになりましたから、その効果をよく理解した上で会社側に提案しました。
自社の強みを活かして商品力アップを目指す
当社は、馬肉を扱う会社では全国で唯一という、特に衛生面に優れている工場を持っています。
通常、馬を飼育すると県や市の屠畜(とちく)場に連れて行き、それを自社に持ち帰り加工、発送するのが一般的ですが、当社では保健所の食品衛生監視員が常駐し、屠畜から生産まで一貫して自社で行っています。
商品は一度も外部に出ることなく加工、発送まで自社で行いますので、鮮度が保たれたままお客様にお届けできるという、他社にはない強みがあります。この強みを活かし、商品力をもっと上げていくのが今後の課題です。
世界レベルのクオリティ認定されて いる自社工場
馬肉をもっと身近に感じていただくために
ハレの日の食材を日常品へ。
熊本では日常的に食べる馬肉料理ですが、全国的にはまだまだ知られていないようです。
注文はお中元やお歳暮など、圧倒的に贈答用が多いですから、ハレの日の食材を、いかに日常品にできるか、というところに可能性を感じています。
例えば菅乃屋の飲食店を利用されたお客様をネット購買に誘導するツールのほか、既存客へは会員だけが購入できる限定販売のメルマガを出すなど、特別感を打ち出しています。希少価値のある数量限定の部位は、特に喜ばれています。
このほか、商品のセールス色を一切出さない手書きのニュースレターを同梱するなど、
会社に安心感と親しみを持っていただけるよう取り組んでいます。実店舗のように、出来る限り店員の顔が見えることが大切だと感じています。
全くのゼロから始めたネット通販事業ですが、毎年120%以上の伸びとなり、初年度2000万円だった売上が4年で1億円を超えました。
今後は、季節ごとの特集記事やブログの更新頻度を上げていくなど、見るたびに新しい印象を持っていただけるサイト作りを続けていきたいです。
お客様と馬への感謝を忘れない。
■ 船井総合研究所との関わり
【ビフォア】
牧場から生産ライン、店舗までをすべて社内一貫するほどの安全性へのこだわり、美味しさをさらに広めたいと次の一手を考えていた。
【アクション】
馬肉のイメージアップと馬肉専門店としての差別化をはかるべく、メニュー戦略や課題解消に取り組む。
【アフター】
圧倒的一番店となり、実店舗やインターネット通販へのリピートにつながる。
200年の歴史を持つ馬肉専門店。安全、鮮度、味に妥協しないために、馬肉では日本で唯一といわれる一貫した製造流通の仕組みを実行。熊本の馬肉料理を守り、伝え続けるための飲食店「菅乃屋」は同社の想いと取り組みを投影し、多くのお客様に支持されている。
安全、新鮮、美味しさ、そして想いを伝える
取締役営業本部
本部長 菅 浩光氏
インターネットでの売り上げ拡大を目指して、2008年にネット部門を起ち上げました。まず楽天に出店しましたが、ネットモール市場は、他社がすでに価格勝負で競争状態にあり、後発での出店となった当社は、売り上げにはつながりませんでした。
当社では、馬を他社の倍の1トンの大きさになるまで育て、サシの入った霜降りの質のよい馬肉を生産しています。そこまで大きくするには飼料代もかかりますから、他社に比べれば、どうしても価格は高くなります。
価格ではなく品質管理が第一という会社の方針もあり、自社サイトを立ち上げることになりました。
そこで船井総研さんにお願いしました。本来、馬刺しはハレの日の食材ですから、自社サイトは高級感を打ち出した落ち着きのあるデザインにしました。 結果、ネットモールとは違い、味や品質に賛同いただける客層からの購買がありました。
他社の倍の1トンの大きさになるまで育てる。
原価率を踏まえたメニュー構成から商品の見せ方、とくに関東や関西で受け入れられている流行のメニューなどは、幅広い情報と知識とノウハウをもっている船井総研さんからヒントを得られ、最大のパフォーマンスを生み出すことができました。
月に一度、店長や料理長を集めてメニュー会議を行います。馬肉の特性と時流をクロスさせ、馬を知り尽くした専門家だからこそできる試行錯誤でメニューを進化させていきました。
実際、馬肉は鶏肉や豚肉、牛肉とくらべて需要が低いのが現状です。
とくに県外の方には、においや価格にイメージがあるようです。想像を超える美味しさと、バラエティーに富んだ調理アレンジにより、イメージ以上の驚きを与え、期待に応え続けることで、馬肉への親しみを深めていきました。
中でも馬刺しは安価なものではありませんが、食べていただくことで本当に伝えたい価値が浸透します。口コミで新しいお客様も増えていることから、熊本の食文化としての馬刺しを広めていくことに成功していると思います。
今後は、関東や関西の大商圏にも挑戦していきたいです。船井総研さんには、ハイペースな店舗展開による売上向上が可能だといわれていますが、目先の業績を追うのではなく、一店一店に理念と安全管理を確立できた上で、責任を持って確実に開発していきたいと考えています。
豪華な馬肉料理のコース
馬への感謝と責任
馬肉料理専門レストラン
菅乃屋が全国レベルで喜ばれることになっても、変わらないのはお客様への理念を貫くことです。
日本の食文化で、生肉で食べられる唯一の馬 肉料理を維持するために、どんなに高いハードルもクリアしていきたいと思います。牧場から生肉生産ライン、工場、店舗までをすべて同社内で一貫して行うた めの大規模施設を建築しました。業界初の衛生基準である国際SQF2000の認定を受け、世界レベルの衛生管理オペレーションを徹底しています。
会社独自の衛生基準では、有事のときにパニックになる恐れがあるのです。たとえイレギュラーが起きても、全員がいかに通常レベルで対応できるか?ということを念頭に、日々研鑽を重ねています。
収益や効率を追い始めると、あってはならない食へのトラブルは簡単に起きてしまいます。食への規制を加えざるをえなくなるのです。当たり前のことに妥協しない品質は「人質」に通じると思います。扱う人の意識が良くならなければ、良い品質はありません。
意識レベルを最高水準に保つようにしています。元気そうに見える人にも菌保有の可能性があります。月、週、毎日の診断で判明した方には帰宅いただき、静養いただきます。一見非効率ですが、お客様の目線で見れば当然のことです。
飲食店をはじめサービスや製造業など、日本企業の持っているクオリティーレベルは高いはずです。本来の誠実さで経営すれば、世界に誇れると思います。
命をいただいて生活させていただいている意識は、最高の商品である馬への感謝です。馬肉となった肉を、捨てる部位なく食べてもらうことが供養になると考えています。
蓄霊の碑 馬への供養と感謝の意を込め、出勤時と退勤時に手を合わせる。
「熊本の馬刺し」を、業者と一体となって広めていきたいです。良い意味の競争をしながら、高いクオリティーの商品を、責任を持って提供していくことは、あたりまえのことなのです。
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