皆さまこんにちは、船井オンラインです。今回の動画では、100億企業化がテーマです。100億企業を目指すにあたり、新規事業、人事戦略、財務戦略、パーパス経営という四つの切り口があります。年商20億を超えて100億企業を目指すなら今までとは違う視点で成長戦略を描く必要があります。今何をすれば良いのか四つの切り口から解説をしています。各テーマごとにチャプターも設置していますのでご興味のあるところからご覧ください。
はじめに
日本の現状と未来に起こること
日本の現状と未来に起こることということでお話をさせていただきます。今、経営の現場で起こっていること、特に令和に入って起きてきたことの中で、コロナがさらに加速をさせたなということを感じております。
まず、地方を中心とした人口減の本格化は始まっていまして、このトレンドというのはずっと続く中では2030年には1200万人減と言われています。あと7年ほどで1200万人減というペースで人口が落ちます。東京の人口が1400万人と言われますので、東京の人数分の人口が10年以内に無くなると言ったようなもので、これは必ずある未来ですのでそこは見据えていきましょう。
二つ目に業界成長戦率の鈍化という中で、多くの業界では成長率というよりもどちらかというと縮小トレンドとなっています。①に伴って発生してきていると言えます。
今回、ウクライナショックと言われるような形で、その前にはウッドショックという形でありましたが、さまざまな現象が起きる中で、スタグフレーションという形になり景気後退が進んでいます。
次に④ですが、これは近年というよりもこの数年ずっと言われていたことになります。採用費が上がる中で人件費も上がる、さらには今回原価も上がるということで、その中でも人材の流動性が上がって定着率もどんどんと低下しています。
五つ目に、デジタルの格差が拡大しているということで、特に業界外から急成長の企業が出現するといったような形があります。地域一番と言われた企業様ですら成長が鈍化しているといったところが、このコロナによってさらに加速していると、コンサルティングをしている中で感じています。
100億というテーマを掲げた理由
その中で今回我々が中堅企業化100億というテーマを掲げた理由をお話しできればと思います。これは、日本の売上規模別に、法人数で見た図になります。まずこの赤のラインのところで、実は大きな壁といいますか、突破するべきポイントがありまして、100億を超えた会社様は14,000強あり、0.9%ほどの比率になります。100億を達成すると上位1%に入ることが可能になります。その他の10億以上の企業様は6%、それよりも小さい会社様が90%以上といったような構図になります。
なぜここで100億を目指すべきかというと、まず2億の会社様というのは10億を目指すべきだというような形で目指されている経営者様がほとんどでした。それは間違いなく正しい戦略、目線だったと思います。しかし、10億から20億クラスになってくると、30億を目指す方、もしくは50億くらいを目指そうという方と100億を目指す方に分かれます。
それで、我々が今お付き合いさせていただいている、もしくは10数年お付き合いさせていただいている中で、100億になっている経営者の方々というのは、10億、20億の段階から100億ということを明確に言っておられました。この時100億を目指そう、上位1%を目指そうというお話しをされているケースが多いということです。そういったような中では、30億から50億を目指すという方と100億を目指すという方では、やることなすこといろいろ変わってまいります。ですので、まずは100億を目指すべきですということを掲げていただくことが重要です。
そして、日本上位1%、100億になるということ自体でスイッチが入る、実際にそれを掲げたことで社内においても経営者ご自身においてもスイッチが入り、思考が回り始めたということが多いです。今まで成長が鈍化していた企業様もそこから成長が加速し始めたというお話をよくお聞きします。その中では、やはり上位1%を目指すといったことをぜひ考えていただきたいなと思います。
100億企業化へのロードマップ
ロードマップですが、現状の積み上げで作る中期経営計画と何が違うかと申しますと100億から逆算した場合にどうなるかといったような形、10年間どのような取組みをするかということを左側の観点で整理をします。例えばアンケートの1番最初で聞いたような形で中期経営計画を立てて、数値計算と人員計画はなんとなく立っているとします。また、経営としても何が重要なのかということがなんとなくわかっているとします。
ただ、その先に既存事業をどのように変えていくかということに加えて、新規をどのようにするか、組織をどのようにするか、財務をどのようにするか、テクノロジーをどのように組み込んでいけばよいのかというところまでを逆算して作り整備することが求められます。そうすると最短ルートを歩むことができますし、効率的に進めることが可能となります。通常の計画とはまったく異なる部分ですので、多様化する経営課題を同時に解決していく上で10年間掛けて何をするかということを計画におとすことで最短で100億を実現することが可能となります。
新規事業
新規事業を選ぶ軸
大前提として収益性がまったく伴わなくても良い、社会性が非常に高いけれども全然もうかりませんという事業はそもそもテーブルには乗らないということです。大前提として市場が伸びているとか、利益がとれるといったことがあります。安定性の部分においては参入した事業が一過性のものではなくそれなりに長く続けることができる事業であることが挙げられます。この辺りは手堅いものをまず選ぶということ、軸は外さないようにしましょうということになります。
加えて、地域ならではの魅力をいかすことができる事業、地域を良くするところにつながるような事業を選んでいこうということも挙げられます。事業の収益性は手堅く、地域を良くするような事業になること、加えて人が集まりやすいような部分、いわゆる人気業種というようなイメージのものでしたり、さらにシンプルにいくと、なんとなくカッコいい、おしゃれな雰囲気があるというような業態というところです。事業の収益性は手堅く、地域密着を選ぶことで社会性を出しつつ、かつブランドイメージが高いような事業を選んで人材吸引力を意識する、この3要素が加わった事業を選んでいくことが一番目的としているところで、到達点に近づくのではないかと考えたわけです。
新規事業はなるべく早く始めるべき
実際に新規事業というのは、できるときになるべく早く始めていく必要があると思っています。決めてから立ち上げるまでに1年程かかったりするケースもあります。もちろんこれはビジネスで変わりますが、店舗型でいきますと1年程かかることもあります。それに、実際に店舗を出してみてどうかというところを見極めるのに1シーズン回してみないとどうなるかわからないところもあります。なので、色々と考えているうちに時間切れになることも当然あるので、できる時に早くということが重要です。
とにかく新規事業というのは、やるタイミングで早くやる、その中でも人材吸引力が上がる、人を引き付けるようなハイイメージ事業を軸にしながら、ぜひ参入をいち早く決断されていくことをおすすめいたします。
人を引き付けるような、人材吸引力が高いかどうかというところに着目した事業を選んでみてはどうかと思っています。
既存事業に依存すると成長が鈍化
新規事業をやらずに既存事業の成長が鈍化していく中で典型的に陥りやすいパターンということで今出させていただいております。やはり、既存事業の売上成長率が鈍化しますと、ポストが生まれないので人材採用が年々難しくなり、社員の高齢化が進み、そして一番言いたいことは赤字で記載しておりますが、中堅社員が離脱していきます。そんな中で、既存事業の立て直しをするために、新たな投資やチャレンジが困難になり、成長が鈍化していきます。
人事戦略
事業戦略に従って組織と人事の戦略を組む
事業戦略に従って、組織の戦略と人事の戦略をしっかり組み合わせていくということが必要になります。我々は事業と人材の両輪といった言い方をしたりしますが、事業と合わせる組織と人事の戦略を組むということです。例えば100億企業を目指すということは従業員数200名、300名といった規模になっていくわけですが、そうなっていくと部署間のシナジーを出すためにどういった組織体制を組むのがいいのかということで、組織の文化的な要素もあるのですが、体制面で自社の戦略を遂行するためにどういった組織が最適なのかということを考える必要が出てきます。従業員数が例えば10名とかであれば、経営者の方が一人ずつマネジメントすることができますが、規模が大きくなりますとそういう訳にはいきません。
また、採用に関りますが自社にどのような人材が活躍できるのか、もしくは活躍するためにどのような人材を採用すればいいのかということで、人事の戦略も組む必要があります。その戦略面を組んだ後には、実際に制度として落とし込まなければいけません。仕組みとして会社に根付かせていかなければいけないということで、人事制度の全体設計を組むということです。自社の社員がどうすれば活躍できるのか、生き生き働くことができるのかということをしっかり落とし込むことが必要になります。それが採用であったり、人事制度の中でも評価賃金制度であったり、育成研修のプログラムを作ることになります。
その他にも、福利厚生面とか、色々なところに反映することが求められます。実際に成長していく上で人事は非常に重要な役割を果たしています。自社に合った最適制と一貫性を見出していく必要がありますので、単純に世の中がジョブ型に切り替わっているのでうちもジョブ型に切り替えようということではなくて、改めて全体像の中で自社が取るべき人事制度は何なのかということを改めて整理する必要があります。
100億企業を目指す際に対応すべき課題
100億企業を目指すにあたりまして、大量採用して、かつ人財のレベルも上げなければなりません。二つ目に早期育成をして階層別研修も整備していかなければいけません。三つ目に活躍人財、この社員さんには残ってほしいという方の離職を防ぐための人事のシステムを整備しなければなりません。四つ目に労務業務ということで、勤怠の管理であったり、入退社の手続きであったり、社員を雇用する上でしなければいけないことは、ある程度DXによって業務効率化していく必要があるというお話です。また、五つ目はエンゲージメントを向上させるために組織開発の取り組みをしていかなければいけないということで、事業を伸ばしていくということ、人事、組織でしなければいけない課題というのはたくさんあります。
攻めの人事~3つの視点~
100億企業になるということは、売上がそれだけ伸びますので、事業を運営するための人財は必要になります。この人材を確保して、育てて定着させる、この三つの視点で攻めの人事をしていただきたいということです。
なので、経営の成長において人材は必要不可欠なので、ここに対してはとにかく積極的に投資をする、採用でいきますと、優秀な人材を1人でも多く採用するということが必要になりますので、そのために毎年新卒採用を20人採っていますという会社さんが、次に30名、40名採る時や質を上げていくためには採用上のマーケティング活用が必要になってくると思います。それの一つが採用ブランディングです。学生さんがこの企業の話を聞きたいなとか、説明会に参加したいなと思ってもらえるようにどうしていくかということですが、人気企業のランクイン入りすることであったり、そのために採用に積極的な投資をすること、お金であったり社員さんの工数もかけていくということです。
二つ目に育成ということで、社員を育成して生産性を上げていくというのは、どの企業も思っている課題です。そのためにこの二つはやっていただきたいと思っています。一つ目が、中長期のリーダー輩出を目指した若手の育成です。毎年入社してくる新卒社員や中途採用の方の若い人材を育てることです。その目的は今後事業を担ってもらえるようなリーダーを育てることです。
二つ目は経営幹部の人財育成ということです。どうしても管理職が各事業や組織をマネジメント出来るようになってほしいという想い、これは経営者様のよく抱えるお悩みだと思います。そのためには事業管理ができる人材や、ある程度経営者様も権限移譲していかなければならないことが必要になります。あとは、優秀な活躍人財が辞めないということで、キャリアアップ、いわゆる役職が上がることによって自身のやりがいを感じていったり、会社に対する忠誠心、ロイヤリティが高くなっていくということで、ハイパフォーマーな優秀社員さんがやりがいやスキルアップを実感して定着するような組織にすることが必要になります。
採用と育成は長期的課題
10年後の成長を計画を持っていただきたいということで、10年ロードマップと言っていますけれども、その中でも人財と言われるものは1番費用対効果が高い最高の投資だと考えています。当たり前ですが、人なくしては事業は運営できませんので、ぜひこの人財には積極的な投資をしていただきたいと思います。
二つ目に経営計画に合わせて未来組織図を作っていただきたいです。単純に売上をこういうように伸ばしていこうということではなく、その時、このような組織になっているだろうな、だからこういう人が必要だなということを具体的にイメージしていただきたいと思います。
三つ目に攻めの成長をするためには、まずは採用ファーストで攻めの人事を仕掛けていくことです。
四つ目に若手の育成ですが、これは将来のリーダーづくりに向けて、ぜひ1年目から教育研修プログラムの仕組みを作っていただきたいです。
最後は幹部人材の育成のためには事業計画の作成と落とし込みができる人材、マネジメント層が必要になります。これはいきなり行なうのは難しいので、そういう異業種から学び、自分たちのことについて考える機会を与えていきながら事業計画を作ることと、それを実行できるような人材を作っていただきたいと思います。
今回、この採用と育成を中心にお話しさせていただきましたのは、この人財の中でも採用と育成はどうしても時間がかかりますので、この部分に関しては、10年後の成長を見据えて早期に、1年でも早く取り組んでいただければと思います。採用と育成を人事の主軸にしながらぜひ皆様の経営の成長に活かしていただければと思います。
売上20億未満と100億企業の1番の違い
中でも一番違うのは、一言で言うと経営者の目の届く範囲です。結局売上20億までは、結構マンパワーのある経営者様であれば目が行き届きます。大体20億というと、社員数50名ぐらいなのでそこそこいけるという感じになります。ところが、100名を超え出して、売上100億円ぐらいになりますと、業種にもよりますが300名程度になってきます。ぎりぎり顔と名前が一致するレベルか、または分からないというレベルですし、それからどんなに押さえても離職率は10%、少し多い業種だと2割になりますので、300名で年間2割、つまり60人が入れ替わるとなるとさすがに、今までの経営者の方が管理して把握できて指示が末端まで浸透できるということにない形になってくる訳です。そんな中で、今ここに出ているように採用、育成、評価、組織が重要になります。
財務戦略
財務面でまずすべきことはリアルタイム経営
まず何からすべきか、リアルタイムの財務経営でございます。まず、会社の規模がどんどんと大きくなればなるほど経営者としては例えば10億、20億ぐらいはなんとなく頭の中で分かってきたけれども、30億、40億、50億になりますと売上が倍になった時にまず数字が全部把握できるかといったようなところでしたり、投資の判断がわからなくなるといった中では、ひとつひとつの毎月の損益の大きさが大きくなります。
そうなってくると、今月すごく落ち込んだからまずいのではないかといったようなことから、利益がいいところが続いているといったことや、投資してもいいのかなといったようなものも含めて、現状の中で、売上の中で営業利益が出ているということが健全か否かがわからなかったり、各部門ごとでの売上も分からなくなったりします。より経営者自体が上のステージに立ち、部門ごとを俯瞰するという中では、各部門から正しい数字が上がってこなければ、なにがどのようになっているかがわからない、かつ、売上の時差が出てくるとそこで経営判断が鈍ってくることにもつながります。状況によりましては売上の大きくなるぶん支出も大きくなりますので投資判断ができる、できない以上に資金繰りも必要になってきたりします。
その中で例えば「1億円の融資をください」といった場合に、「緊急で対応しますよ」といったようなものが、企業規模が大きくなれば、いきなり「10億貸してください」といった時に、「いや、ちょっと10億って突然言われても困りますね」と、そういったような状況にならないためには限りなくリアルタイムに近い状況下で財務がわかっている状況を経営として取り入れることが重要になります。
この成長に伴って高度化する財務戦略を最適化するには、リアルタイムで状況を把握することが重要で、その次のステップとしては財務における人財育成というのも必要になってきます。やはり、人材の育成はなかなか一朝一夕で終わるものではありませんので、むしろ10年後、100億を見据えた上では財務の責任者は必要になります。採用すべきなのか、それとも社内で育成すべきなのか、ただ、このCFO、財務責任者の方がおられないと経営者の仕事はどんどんお金のやり取りの時間が増えます。事業に時間が投資できない、人材育成に投資ができないといったことで成長が鈍化してしまいます。そういう状況を避ける必要があります。
100億を目指す際の財務の3つの壁
100億を目指す中で起こる問題、30億、50億、70億で大きな壁がでてきます。端的にいきますと、まず30億円到達したタイミングで経営数値が見えなくなってきます。または、リアルタイムに把握出来ないといったような状況が起きます。
50億の企業では財務を担当する人材がいない、こういった壁にあたります。そして、70億のタイミングでは、意外かと思いますが、資金調達レベルが上がらないという壁が出てきます。これを解決していかないと、100億企業には行けないといったことになります。
100億企業になるための4つの財務のポイントをまず押さえてください。まずは資金調達、管理数値、経理月次決算、そして財務マネジメント、この4つの観点からしっかりと対策を取っていければ100億企業に到達できるはずです。
各項目に関して、100億企業が必ずできていなければならない状況というものを書いております。まず、資金調達です。必要資金が、いつでもというところが大事ですが、いつでも調達可能な状態であることです。
そして、経営数値だけではなくて、経営指標の根拠となるKPI、これは売上のもととなる数字ですが、来客数とか受注率とかそういったKPIもリアルタイムで把握できていることです。
経理月次決算でいくと、営業管理ツールと会計が連動できており、やろうと思えば日次決算もできる状態です。財務マネジメントに関しては、財務責任者、いわゆるCFOが財務状況を把握して、経営者は全体の事業戦略に傾注できる状況を作りあげている、この4つの中で100億企業は皆さんこのレベルまでできています。逆を言うと、これらが一つでも欠けると100億企業には到達できないということです。
ということで、常に経営数値が把握できるリアルタイム財務、そして社長が事業戦略に傾注できるCFO、そして資金調達、この3つが整えていただきたい財務の課題になります。
100億突破のために必要なこと
権限委譲がなかなかできない経営者が多いです。これは、事業、採用、財務すべてにおいてですが財務においては早い段階で新しい財務担当者もしくはCFOに権限委譲していくことが非常に重要になります。この攻めの領域と守りの領域で社長がやるべき仕事でいくと、やはり攻めの領域です。
新たな事業戦略の策定、そして組織とマネジメント、あとは育成、教育、これは売上を伸ばすための攻めの仕事になります。そして、経理、財務、総務、その他バックオフィスといったものはこれだけやっても売上が上がりませんので守りの領域ということでこの攻めの領域にどれだけ時間を割けるか、このこと自体財務戦略じゃないように思われるかもしれませんが、これも1つ大きな財務戦略になります。
攻めの財務戦略では1番の自社の強みとするところを伸ばしていこう、これは長所伸展という考え方です。そして、守りの部分、苦手な部分は会社の中で課題になりやすい部分ですので、上手に内外のリソースを活用して時間を奪われないようにしようということです。
100億企業になるために欠かせないポイント
リアルタイム財務、CFOの育成、そして資金調達、この3つが100億企業になるために大事なポイント、そして欠かせないポイントというようにお話させていただいて、まずリアルタイム財務を行なっていくためにはクラウド会計の導入だけでなくて、しっかりとその先の業務フローの改善、そして経営資料の分析といったような財務DXまで行なっていきましょうということです。
そしてCFOを育成していくには、まずは経営者自身の時間配分の再考をしていただいて、守りの領域ではなくて攻めの領域に時間配分を使っていただくようにしていただきたいです。そしてCFOの育成に関しては、採用だけではなくて外部活用していただいて、スピード感を持ってCFOを作っていくといったことをぜひ目指していただきたいと思います。
そして、資金調達は地方銀行からメインバンクへの移行するタイミングというのが非常に大事なポイントになってきますので中長期的なメインバンク体制の構築、これは調達戦略を構築してスムーズに資金調達ができるような環境を作っていただきたいと思います。
パーパス経営
PMVVはなぜ重要なのか
今回テーマに挙がっているこのパーパス、PMVVというのは全体の15%の企業しか盛り込んでいません。重要ではありますが、着手されていない状況です。正確にはパーパスには時間がかかります。今の段階では取り組んでいないということが多いということが結果として出ています。
PMVVは抽象度がすごく高く、直近の業績に与える影響は小さいです。ただ、結果として長期的な業績に大きく影響するものになります。日常は戦闘ですとか戦術を整備されていますがここを短期でみると非常に影響力が大きくなります。より上になるにつれて長期的な影響を小さいながらも繰り返していって、影響するので結果として大きな影響が出ます。
戦略の上にバリュー、ビジョン、ミッション、パーパスといったようなものがあります。そこがパーパス経営でありPMVVと言われるところです。今の規模になられている企業様はしっかりとした経営理念はお持ちです。それにしっかりとした事業も作られていますし、戦略も描かれていると思います。そんな中で大事になるのはバージョンアップです。長期計画を立てることを前提として今まで経営理念として大切にしてきたもの自体をより伝わりやすくしなければいけなかったり、何がそもそも大事なのか、より絞ったり、逆に広げたりする必要があるわけです。
これから20億30億のクラスになってきて、例えば幹部が抜け始めてしまったり、採用が思うようにならないですとか、創業者として大事にしていたこと、経営幹部で認識できていることが現場に伝わらないということ、そういったことをより伝わりやすく長期目線になったうえでのパーパス、PMVV自体のバージョンアップが重要になります。
30億にいくまでは100億は考えていらっしゃらない経営者の方の方が圧倒的です。
ただ、売上20億30億になりました時に50億を目指すのか100億を目指すかということで変わってまいります。
そういうような中では先ほどもお伝えしていますが、変革に時間がかかるものほど先に取り組まないとずっと先延ばしになってしまいます。このパーパスというテーマ自体は変革に時間がかかるので先んじて取り組んで徐々に変えていきましょうというところがポイントになります。
間違えがちなPMVVの認識
こちらは注意点がございます。業績を上げるため、差別化するためにパーパス、PMVVを重視することは実は本末転倒です。ついつい業績を上げるためにパーパスが必要だという思考になりがちですが、それでは持続的成長が難しいです。
どういうことかと言いますと、企業の思考、行動体系、理念、ミッション、ビジョン、バリュー、戦略、仕組み、戦術、戦闘と、順番としてある中で企業は競争差別化をして生き残らないといけませんので、戦略、仕組みが当然大事ですが、これだけでは不十分です。低成長時代でも伸び続ける会社様というのはこの下の部分がしっかりと秀でていることは当然のことながら、理念、ミッション、ビジョン、バリューもしっかりと明確に組織の中に生きている、上と下のバランスの良い会社様、その中でこの上のPMVV、戦略、仕組み、戦術、戦闘が上位概念で競争に勝つとか、差別化するとか、戦略、仕組みというのは下位概念であるということが整理するうえで非常に大事になります。
上位概念が私たちのアイデンティー、他社はどうあっても自分たちはこうなんだということにならないといけないんだと、そういう意味では低成長時代に伸び続けているどの会社様にも共通していることは上位概念がしっかりとできていることがあります。
イノベーションが起こる持続的成長企業
イノベーションが状態的に起こる持続的成長企業へというところで整理させていただいています。組織の成功循環モデル、関係の質、思考の質から行動の質を上げ、結果の質が高まるという善管循環モデル、このようなグットサイクルにならなければいけないということと、企業の思考行動体系、理念、ミッション、ビジョン、バリュー、戦略、仕組み、戦術、戦闘がつながってまいります。そして、イノベーションが常態的に起こる組織づくりになるところが言えると思います。
変革と改善は少し違います。改善も大事ですけれども変革が常態的に起こる、成果が出る時間として三年から五年かかるものをしっかり続けることが大事ですし、理念の企業思考行動体系の中での変革イノベーションをいかに戦略レベルで起こすには、分かりやすい、つながりのあるPMVVを構築し、PMVVを浸透させることが大事です。PMVVを社長よりも偉い1番のBOSSとして建付けながら浸透を図る、こういう取り組みを社員数50名から100名手前のあたりから徹底、実施されている、そうすることでイノベーションが起こる原動力になります。
イノベーションが状態的に起こる企業づくりのためにはこのPMVVがいかに大事か、パーパスがいかに大事かということが言えると思います。
低成長、人口減少時代でも持続的成長をする100億円企業は、変革イノベーションが常態的に起こる組織になっている、そのための必須要件はPMVVが分かりやすく浸透していること、そして、その結果4つの質が好循環で起こっているというところが言えると思います。変革イノベーションというのは3年から5年かかる取り組みです。それを粘り強くやり切って成果までつなげる、成果まであきらめずに続ける原動力というのがこのPMVV、パーパスだということが言えると思います。
100億企業になるための事業サイクル
そもそも持続的に変革イノベーションを起こし続けて100億に達成しなければなりません。今の経営者様の仕事、20億の時と100億の時では違います。100億の時はさらに今よりも長期スパンで会社の成長を考えていく業務が必要になります。既存の社員、メンバー、幹部の皆さんには、3年5年の変革イノベーション、それぞれの事業部、子会社したホールディングス化にすればそれぞれ変革を起こす必要があります。原動力としてPMVVを使って組織を良い循環でPDCAを回るように上位概念を整えていきましょうというお話しをさせていただきました。
まとめ
100億企業化に向けて重要なポイントと言いますのは導入に時間がかかるかどうかということです。ある一定のステージになればすぐ導入できることであればそのステージになりました時にすぐに解決するということです。ただし、デジタル財務の導入とCFO機能設置は今日、明日、すぐできるわけではありません。導入と浸透にはかなりの時間を要し二年から三年要するということです。
重要ポイントを長期間にわたり計画を組んでいくことが一番のポイントになります。そうでないと課題が発生した時に短期間で解決できるものであればいいですけれども、時間がかかるものに関してはそこで足踏みしてしまいます。企業の成長ステージに踊り場ができます。前もって時間がかかるところを予見して手を打っておきますと踊り場を迎えることなくスムーズな企業成長、20億を100億にするための最短最速の道が開かれてきます。それぞれのテーマに応じて打ち手をあらかじめ仕込んでおくことが重要になります。各社で作っていただければと考えています。
⇒専門サイトはこちらをご確認ください
https://10billion.funaisoken.co.jp/