第一講座でお伝えさせて頂くこと
第一講座の中でお伝えをさせていただきたいと思っていることが大きく分けて六つあります。
今回、コロナウイルスというのは本当にいろいろな影響を与えました。
まず、今まで立てていた新規事業計画を全部白紙に戻したという会社さんは非常に多いです。
これからはインバウンドで外国人対応をすることをお考えになっていたりホテルや旅館事業や観光事業を発展させようというふうに考えていた会社さんは非常に多いです。
ただ、それらの事業も中長期的には行うべきかもしれないのですが、今は少し方向性を変えたほうがいいのではないかという部分もあります。
そこで、コロナの影響で売上減少に見舞われた企業様に関しての状況やそれに対して、ウィズコロナで人々の動きが大きく変わったという点も改めてご説明したいです。
また、そのような企業様の中でも新しい動きに対応した結果、成長の兆しが見えてきたというところの事例がありますので、それもお伝えさせていただきたいです。
また、新しい生活様式の結果、密を回避するという動きや、あとはコロナ関係なく、少子高齢化で人不足、労働力不足でセルフ化が進んでいたのですが、さらにそれが加速しているという中で、テレワークやリモート対応サービスというのが次第に注目されてきました。
そこで、今回、ゲスト講師の有信アクロス様という会社と一緒にウィズコロナ時代に適応するためのサードプレイス事業というかたちが新規事業案として有望だと思っていますので、ぜひそれをお伝えさせていただく内容となっております。
第一講座ではこの六つのテーマについて、第二、第三講座でゲスト講師のお話、そして第三講座でも事業参入のお話をさせていただきたいと思っております。
1.コロナで売上減に見舞われた企業は多数・・・
船井総研は、コロナによる影響というのをいろいろ分析しております。
われわれは年間1万社近い企業様とコミュニケーションを取っていますので、そのような企業様がどのような影響を受けたのか、担当コンサルタントとお客様から聞いた情報を踏まえて整理をしています。
上の軸には、住宅・不動産からITまでのさまざまな業種が書いてあり、縦軸には、インバウンド需要が激減したとか仕入れが困難になったとかいろいろ書いてるのですが、特に影響が出たのが小売、サービス、飲食、観光このあたりの業種は非常に大打撃でした。
ただ、その大打撃の中でも格差というものがありまして、その理由がそのまま業界格差というのはもちろんなのですが、地域の格差でしたり、あと今回のセミナーの中でも重要な4番目のオンオフ格差です。
このレポートを作成したのは、4月、5月あたり以前の結構前だったのですが、その頃からオンオフ格差というのは見えていたのです。
つまり、オンライン対応ができていないところなどのオフラインでしか対応できないところ、同じ業界の中でも、業績に大変差があるという点なのです。
代表的なところでいうと、飲食店さんは活動自粛しなければならない、そもそも営業してはいけないという時期に、オンライン対応できた飲食店さんもあります。
例えば、オンライン肉会と題して、オンライン上で焼肉をやろうというようなサービスで売り上げを立てたような会社さんもあります。
どういうことかというと、飲食店さんだが、お客様に自宅でできる焼肉セットを通販で売ります。それを買ったお客様は、Zoomでお店とつなぎます。そして、お店にはプロの焼肉を焼く人がいるので、焼くタイミングなどアドバイスをもらったりうんちくをいいながら、より美味しい焼肉を自宅で楽しめるというオンライン肉会があり、このようなことで売り上げを取っているような会社様もありました。
つまり、同じ業界なのに、オンライン対応ができているかどうかによって大変差が出たという点です。
2.ウィズコロナで、人々の働き方は大きく変わっていく
今申し上げたように、当たり前ではないです。飲食店というのは、お店に人が来て、そこで売り上げが立つものなのだという、このような当たり前は、今回のコロナの影響によって本当に大きく価値観が変化したと思っています。
だからこそ、そこがビジネスチャンスです。価値観が変わることや行動が変わるタイミングとしては非常に良いときです。
特に、ここに上げているようなところの価値観の変化は非常に大きいと思います。
通勤に2時間掛ける、満員電車に乗る、大人数で集まって会議をする、展示会に出展して営業活動する、商談はface to faceでお客様先に必ず行く、サービスというのはお店で提供するもの、旅行に行くというのは休みのために行くもの、このような何の違和感もない当たり前がここにあります。しかし、コロナの影響で変わってきました。通勤に2時間や満員電車は当たり前ではなくなりました。
また、ご自宅からWeb会議やZoom等を使って参加をしていくリモートワーク対応になっている会社さんもあると思います。
あとは、会議をするという行為もWeb会議を織り交ぜて行う会社さんも増えています。
あとは、展示会等の部分でオンライン商談というふうに書きましたが、これを機に急速にオンライン予約といったWebリテラシーの普及率が上がった、意識も変わった、そうなっていくとオンライン上でコミュニケーションを取ることが非常に増えていくと思います。
先ほどオンライン肉会のお話をしましたが、お店でしかサービス提供ができないといったところから、いわゆるオンライン上でセミナーを行ったり、解説をしたり、そのようなかたちで商品を売っていくということです。
オンライン商談で車を売ったり、家を売ったりするケースも非常に増えています。
あと、少し違った切り口でいうと、例えば、旅行に行くというのは休みに行くものだったものが、いわゆるリフレッシュできる空間、新しい場所で仕事をするためにその観光地を使うというようなケースもあったりします。
そのように当たり前ではない、新しい行動が非常にさまざまな場面で表れていると思います。
3.一方で「新たな生活様式」の結果、成長の兆しも見えている
それに対応している会社さんで成功事例も次第に増えてきています。
例えば、オンライン商談で受注を増やした住宅販売会社さんの例があります。どういうことかというと、家を購入する行為は一生に一度の買い物といわれているので、契約の過程をオンラインで100%完結するというのは難しいと思います。
ただ、リモートワークやお客さんの見込み客を集めるうえでは、実は、Webを使って情報発信したほうが効率良いことがあります。
例えば、住宅の選び方のセミナーなどをオンラインで行うことや、営業マンの方との面談はどうしても時間が取れない中でオンライン対応してあげることなど、そうすることでリアルで対応していたときよりも利便性が高いかたちで接点が持てるところはあります。そのように売り上げを増やした会社さんもあります。
あと、外食事業している会社さんが、家にいる人が多くなったので巣ごもり需要というとこに注力した点です。
そこで作った冷凍食品を食品スーパーに卸していくと外食の売り上げは下がるのですが、今食品スーパーの売り上げ自体は上がっていますので、結果、会社としての業績は下がらないということです。
このようなスタイルで成長した会社さんもあります。
あと、密回避といった視点で見るとカラオケ企業さんは非常に苦しいと思います。
宴会などもないですし、大人数で狭い部屋に集まってワイワイ楽しむということも感染リスクの観点からみると敬遠されると思います。
ただし、カラオケ企業も、例えば、テレワーク型対応プランというかたちで、カラオケスペースの中で仕事ができるようにするといった専用のプランも出てきました。
日本全国どこにでもあるのがカラオケです。特に駅前です。そこで、1、2時間、Web会議をしたりします。
例えば、1日3件お客様との対応があったときに、1件は仙台に行ってお客様の対応する、2件目は仙台の駅の近くのカラオケでWeb会議をしながら福岡のお客さんとミーティングをする、そのあと最後、新幹線に乗って東京に着いて会社に出社して社内でもリモート会議をするみたいなスタイルです。
このようなかたちで、そこに対応しているプランも実は大手さんからも結構出ていたりします。
同様に、ホテルも観光で泊まる以外の用途がないと空いてしまうので、そこで一緒に仕事をしないかというかたちで新しい需要を立てていく会社さんも出てきたということです。
4.「密回避のセルフ化」も、更に加速している
あと、セルフ化というところもかなり加速しています・・・