◆開催日時:2020年7月10日(金)
◆講師:船井総合研究所 吉田 創
◆演題:「ウィズコロナで注目!!新規事業・検討セミナー」
【第1講座】10mウィズコロナ時代に生き残る事業とは?⇒今後は「事業ポートフォリオ」を意識しよう!!
では、早速第1講座です。
ウィズコロナ時代に生き残る事業とは?ポイントは、事業ポートフォリオです。
第1講座でお伝えすること
こちらご説明させていただきます。
まず今までの経営の当たり前をいったん忘れて、ウィズコロナ時代のリスク回避手法を学び、新しい新規事業との付き合い方を学んでいただきたいなと思います。
これまでの経営の常識が通用しなくなってきた
コロナの影響というのは、いろいろな業界で起こっていますが、今までの経営の常識というのは通用しなくなってきたなというところを強く感じます。
いわゆるスタンダードといわれていた考え方でいくと、事業というのはあまり広げてはならない、既存事業1本の方がいいのだということだったり、事業拠点は1拠点集中の方が利益率があがる、事業を通じて確立した一つの勝ちパターンというのを展開するかたちで稼いでいくといった考え方が基本だったと思います。
ただ経営戦略の部分でいくと、中核事業はしっかり持ちながら、事業を複数展開していくだとか、拠点を分散するだとか、オンライン化を推進していくだとか、ビジネスモデルの勝ちパターンというのを一つだけに依存するのではなく、複数のパターンをとっていくというところを前提に考えるべきだと思うのです。
ただこれからの経営戦略という部分は、今までも語られていた部分なのです。
事業を複数展開するというのも一つの方法だったのですが、ポイントとしていいたいのは、中小企業様においてもこういった視点を考える時代になってきたという部分です。
“事業ポートフォリオ”を意識しよう
ポートフォリオという言葉が急に出てきましたので、簡単に解説をします。
もともとは「折カバン」「書類入れ」みたいな意味合いを持つ言葉なのですが、よくこの言葉を用いられるのが、投資の部分です。
「ポートフォリオを組む」といった言葉を言ったりするのですが、例えば、ある国の国債や株式だったり、海外の株式だとかを組み合わせて持つという言葉です。
こういうふうに分散させて投資対象を持っていくことを「ポートフォリオを組む」と金融の世界では言われています。
今回、船井総研が言うポートフォリオというのは、いわゆる事業ポートフォリオです。
つまりいろいろな事業を持つことで、会社の持続的成長を実現するということです。
そのために必要な組み合わせを考えましょうということで、事業ポートフォリオを組むというのは、持続的に成長できるかたちの会社になるための事業を設計しましょうというような内容です。
そのための視点としてこちらに挙げたのが、収益モデル、対象顧客、顧客ニーズ、展開地域、販売手段といった五つの視点で、ポートフォリオ組みを考えていきましょうということです。
どこかに偏っているビジネスモデルはリスクがありますということをお伝えしたいです。
事業ポートフォリオのイメージ
例えば、赤く四角で囲んでいる部分がありますが、それぞれ分かれているのです。
例えば、輸入車ディーラーさんは、どっちのモデルかでいうと、収益モデルとしてのメインはフロー、つまり車を売るというところが収益です。
対象の顧客というのは、限られた方で、それなりに所得に余裕がある、お客様ニーズとしては、車を買うというのは日常的ではないので特別的なニーズ、展開する場所も良い場所で良い室外をした建物で売っている、販売としては対面なので、オフラインということです。
なので、黄色の部分が抑えられているようなビジネスモデルということです。
続いて、高級旅館というところも同様なかたちだと思います。
旅館というのは来てもらわないといけませんし、売り切りのモデルで、ストック型のモデルではなく、フロー型のモデルです。お客様も絞られていますし、良い建物で、当然オフライン対応です。
次に、コンビニにいきます。
コンビニも、物を売るというフロー型のビジネスです。ただお客様は幅広い方を対象としていますし、日常的なビジネスモデルだとか、賃料としてそんなに高いところに出すというわけではない、提供手段としては対面なのでオフラインです。
つまり1~5の部分で、この事業しかやっていない方というのは、黄色の部分をマスと捉えると、全部で10マスあるうちの、5マスを抑えられている状態になるということです。
ここの1~5の視点で、収益から販売手段の中で、片方しか抑えられない、つまり5マスしか埋められないようなビジネスモデルを展開している会社は、経営リスクが高まりがちですということをお伝えさせていただきたいと思います。
事例:コロナによる業績影響
実際に事例として起こったことをご説明しますと、コロナによる業績影響という部分で、外食企業の例です。
A店とB店というのがあります。コロナの前の月商でいうと、A店は800万円、B店は600万円で、A店のほうが繁盛店でした。
しかし、コロナの影響によりA店は売上が400万円に半減したのに、B店はむしろ、コロナの影響で売上が増えています。
なぜなのかというとこですが、B店は物販や通販やテイクアウトや宅配をもともと準備していました。なのでそういったサイトがあったり、オペレーションや商品の仕入れの情報があったり、お客さんがいたりしました。なので、結果的にここの売上が下がらなかったということです。
二つ目いきます。
これもある会社さんの例なのですけれども、コロナ前後で売上の構成比が変化しています。この会社さんのポイントは、外食事業だけではなく、宅配や冷凍食品卸の事業も持っていました。商品スーパーに冷凍食品を卸していたということです。
結果的には、外食は減りましたが、巣ごもり需要で、宅配やスーパーの売上が伸びていますが、そこに卸している食品があったので、売上がそこまで落ち込まなかったという結果になっています。
上手な「事業ポートフォリオの組み方」例
これが事業ポートの例なのですけれども、今回言った事業ポートフォリオの組み方が上手な例ということで、外食関係に例を取りますけれども、この会社の優れている部分は、いわゆる飲食店というところを中核においています。
ただこの飲食店は、郊外立地の店舗もあれば、都心立地の店舗もある、またお手頃なカジュアルラインもあれば、高級な業態もあるというように、それぞれを飲食事業として持っています。
かつそれだけではなくて、通販、宅配、テイクアウトにも対応できる仕組みを整えているということ、あとは、自社で食品を製造していて、それを飲食店にも提供していたのですけれども、他社から食品製造を請け負う機能も持ち合わせています。
かつ飲食店で提供するだけではなくて、食品卸として、地場の給食や、食品スーパーといった量販店に食品を卸している事業もやっていました。
また、直営店だけではなくて、自社がFC本部になって、食品を提供していくので、ロイヤリティー収入も入ってくるのでストック型収益コードを確保しているというところです。
なので、こういう会社においては、先ほど言った1~5番の収益モデルのマスのうち、10マス全てを抑えることができているということです。
これが事業ポートフォリオを組んだ結果、安定して持続的成長できるかたちに仕上がっている会社の一つの例です。
事業ポートフォリオ・様々な例
こういったかたちで今コロナの影響が特にあった飲食関係を例にとりましたけど、それ以外の会社においても、事業ポートフォリオ組みを考えたほうがいいというところがあります。
例えば、自動車販売店で車を売るだけの会社だったのが、1番の収益モデルでいくとスットク型の負荷仕様というところで車検をしっかり取りに行くとか、リース販売ということで軽自動車月々1万円払いみたいなモデルもありますけれども、そういった商品を強化することでストック型も強化してこうということです。
あと対象顧客として、個人向けだったものを法人向けのレンタカービジネスにちゃんと付加して売上の柱をたてていこうということです。
輸入車しかやっていなかった会社でいくと、別ブランドで軽自動車というビジネスを付加することで、より日常性の高いニーズを付加していくということです。
また、展開地域のお店を郊外の一等立地にどんとやるような市販店だけではなくて、レンタカーやリースといったお店は、生活立地にも出店できますので、そういった所もおさえていきたいです。
販売提供も、対面営業だけではなくて、オンライン営業、オンライン商談についても抑えていくというようなかたちです。
続けて、異業種に例をとってみましょう。
例えば、住宅販売の会社であれば、販売メインの会社がウオーターサーバー事業をやってストックを付加するとかです。
もともと外食店に卸していた酒造メーカーさんが直接消毒液を販売したところ、結果としてそういった売上をたてることで、個人と直接繋がるようなルートを獲得したというところもあります。
あと観光客にしか商品を提供してなかった、例えば宿泊施設とか、コインランドリーみたいなビジネスを付加することで、近隣の方向けの事業をうまく取り込んでいったということです。
あとは、外食チェーンさんが、駅前立地でなく生活立地のところにテイクアウト専門のお店を始めたということで例えば惣菜店とか、餃子の持ち帰り専門店などを始めただとかです。
あと、オンライン上での商品が受注できる仕組みをつくるといった一例でリフォームメインの企業が家事代行ビジネスを始めて、それをWEBサイトで受注をしていくといったWEB上で商品を受注して人を派遣していくようなかたちを確保するためです。
こういったかたちでひとつのマスに偏らない、いわゆる5マスではなくて10マスを抑えられるようなビジネスモデル展開をしていくことを考えていくことをご検討していただきたいです。
これが事業ポートフォリオ組みということです。
事業ポートフォリオを時流適応ビジネスで埋めよう
これを組む際に、自社が不足している部分というのを時流適応ビジネスで埋めていきましょう、もしくはなにか新しいビジネスで埋めていきましょうというところを、ぜひ次のテーマでお伝えさせていただきます。
まず今回の講座では、事業ポートフォリオを組んでいくというのが大事だなというところを第 1 講座では抑えていただければと思います。
第 2 講座 これからも伸びる時流ビジネス・徹底分析!
続けて第 2 講座です。実際に伸びているビジネスというお話もさせていただきます。
時流適応しているモデルはどんなのだろうかということをご説明させていただきたいです。
新規事業は、絶対に「時流適応ビジネス」を選べ!
新規事業を選ぶ際は、キーワードはこれです。
時流適応ビジネスから選びましょう。下火のビジネスというのは選んではいけません。
例えば、時流適応ビジネスとは何なのだろうかというところがあると思います。
イメージのしやすい BtoC を中心とした、ビジネスモデルをこちらに掲載しています。
衣食住というふうに表現されますけれども、実際はもう少し細かく分類できると思います。暮らす、食べる、働く、遊ぶ・休む、学ぶ、美容、健康、生きる、8 区分です。
ここに書いてあるビジネスモデルというのは、コロナの後においても伸びていく可能が高いような、事業案を具体的に載せています。
今回全部をここでご説明することができかねますので、絞ったかたちでお伝えさせていただきます。
時流適応業態の事業紹介
フランチャイズビジネスに沿ってなんですが、今回6社ご説明させていただきたいと思っています。
一つは、有信アクロスという会社さんです。
マンガ喫茶等を経営しているFC本部なのですけれども、マンガ喫茶のフランチャイズ展開、カテゴリ日本一の可能性秘めている会社さんです。
wash-plusさんは、ベンチャー企業になるのですけど、本当に独自性の高いコインランドリーを確立している企業になります。
ティエヌという会社はネイルサロンになるのですけど、これはフランチャイズ展開しているネイルサロンでいくと日本ナンバーワンの規模化になっています。
株式会社コペルさんは、児童発達支援スクールというカテゴリにおいては日本で一番の店舗数を持っている実績を持っている会社さんです。
株式会社KAJIKENさんというのは、油そばと飲食をやっている会社さんなのですけれども、この会社さんも、今、油そば業界といった所では、最もブランドイメージが高かったような独自性を持っている会社さんです。
最後、HAREMUNEという会社さん、薬酒バーという業態を経営している。これも、カテゴリでは日本一の会社さんです。
こういった会社さんは、それぞれ、加盟相談が殺到している状態なのですけれども、なぜ、伸びているのかという部分についてご説明をしていきたいと思います。
加盟相談が増えている事業案
例えば、有信アクロスさんの業態ということで、最初マンガ喫茶というふうにお伝えしましたが、こういうイメージ感の空間なのです。
いわゆる空港のラウンジのようなイメージをしていただくのが一番適切かと思っています。こうゆうイメージ感の場所です。
それぞれ完全個室が付いていて、防音対応されているブースがあるような店なのです。
その中に漫画、デスクがあってPCがあってという空間でドリンク、フリードリンクのコーナーがあってみたいな、こういう造りなのですけれども、ちょっと小さいのですがこういったレイアウトなのです。
つまり、一つの空間、だいたい100坪ぐらいの空間になるのですけれども、その空間の中に完全個室ブースという所と真ん中にあるオープンラウンジブースという融合した新しい空間提供ビジネスなのです。
これがものすごく当たっていまして、フランチャイズビジネスですね、こういったモデルを提供しているのは。
有信アクロスさんだけなのですけれども、このいわゆるブース稼働、完全個室のブースの稼働率が60%超えるような状態なのです。非常に伸びているというところなのです。
数字の部分でいくと・・・
※ セミナーの講演録と当日使用したテキストをダウンロードいただけます。