
お話
ケータリング事業部 執行役員
菊井 貴之 氏
初期費用なしのパーティケータリング事業参入で、年商1億8千万円、営業利益3,600万円を付加
当社は、もともと麻布十番のダイニングレストランとしてスタートしました。場所がら結婚式の二次会での利用が非常に多く、単価も高く収益性も多かったため、一般営業を止め、結婚式の二次会に特化し、パーティー専用の会場運営へと業態を変えました。
結婚式の二次会は土日祝日に集中するため、平日はキッチンスタッフや厨房を持て余し、それらを活用するべく、新規事業としてケータリングを開始することとなりました。時流に合っていた事業だからか、開始から間もなく、Web経由で月300万円程度の受注が取れました。新規事業のさらなる成長のためには、売上のみならず、収益性を高めるための仕組みが必要です。
まず徹底したのは「クオリティの向上」。お客様である法人の幹事様が他の参加者に「今までで一番いいパーティーだったよ」と言っていただけることに注力しました。ホテルのビュッフェのような空間をケータリングで実現するために、さまざまな事例を試行錯誤して導入し続けています。その甲斐あって、リピート率は今や80%。リピーターが多くなると、グルメサイト等に支払う多大な広告費もカットすることができます。飲食業にとって、グルメサイトに払う費用をゼロにするのは勇気がいるものでしたが、実現できました。

(左)パーティーの現場に足を運ぶのは現場のスタッフ。スタッフの意見を聞いて、新しいサービスを積極的に取り入れている
(中)既存事業が飲食店なので料理には自信があった。事業拡大のために「レシピ化」を推し進め、多くのスタッフがその料理を再現できるようにした
(右)「リピーターのお客様に、新しい驚きと感動を」 当初は造花だったお花のサービスも生花にバージョンアップ
新規事業を成功させるためには「仕組み化」が欠かせません。私たちの場合、あえて料理の価格帯を2,000~3,000円程度のラインのみに絞りました。絞った価格帯でのメニューをレシピ化することは、スタッフの作業の標準化につながります。一人のスタッフが、料理から宅配、現場での演出までできるのです。これで、飲食業でネックとなりやすい人件費比率を抑えられます。お客様の「パーティーの満足度」を高めながら、自社の収益性を向上させられるのです。
新規事業成功のために一番大事なのは、事業責任者の強い意志だと思います。プラチナスタイルでは、デリバリー以外にもさまざまな事業が生まれていますが、リーダーが「腹をくくれているかどうか」を見て、事業を中止することもあります。新規事業を実行する責任者が「やれないのか」「やらないのか」。やらない理由が明確でない人や、やる期限が明確でない人は、新規事業のリーダーに向いていないと思います。
新規参入成功のポイント
事業案
元々は飲食店だが、アイドルタイム(遊休時間)に厨房やスタッフを活かして初期投資のかからない新規事業(ケータリング)をスタートすることで、さらなる売上の向上を目指す。
事業モデル
最初は受注を受けすぎない。一つずつのサービスのクオリティを上げることに注力。その結果リピーターが増え、販促費も抑えることに成功している。
人財
事業責任者の意欲が最も重要。同時に、事業拡大に必要な「マニュアル化」や、「サービスの質の向上」は、現場のスタッフ先導で行えている。
進め方
新規事業はまずWebサイトを作るなどして挑戦する。事業は定期的に、結果数値を振り返る。お客様の声もスタッフに迅速に共有する。
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