放課後等デイサービス経営成功の鍵:保護者面談・体験会

船井総研は、児童発達支援・放課後等デイサービス事業所の経営をサポートしています。この分野は社会的なニーズが高まり、市場が拡大している一方で、競争も激化しているため、より専門的で戦略的な経営が求められています。
特に、利用者の方を安定的に確保し、高い満足度を実現するには、保護者様との最初の接点となる面談や体験会が非常に重要です。
ここでは、放課後等デイサービスの経営改善を目指す上で鍵となる、保護者面談・体験会のあり方について、業界の現状と合わせてご紹介します。
障がい福祉サービス業界の現状
まず、障がいのあるお子さんを取り巻く環境を見ていきましょう。
● 障がい者人口の増加
障がい者人口は増加傾向にあり、現在964.7万人と、人口比率の7.6%を占めています。
● 障がい福祉サービス利用者の増加
それに伴い、障がい福祉サービスの利用者も増えており、事業所数も増加しています。
● 市場規模の急速な拡大
障がい福祉サービスの市場規模は急速に拡大しており、過去13年間で予算額は約3倍に増加しています(平成19年の5,380億円から令和2年には1兆6,347億円)。
このように市場が拡大している一方で、利用者数が増えるのと同時に事業所数も増えているため、単にサービスを提供しているだけでは利用者に選ばれ続けることが難しくなっています。
利用者の方に「この事業所に通いたい」「ここを選んで良かった」と感じていただくためには、良い療育体制を築くことに加えて、最初の体験会で選ばれる事業所であることが非常に重要です。
保護者面談・体験会が成功の鍵
船井総研が経営支援を行う上で重要視しているのが、この「最初の体験会で選ばれる事業所になる」ための具体的なノウハウです。その鍵となるのが、保護者様との適切な面談と体験会の設計・実施です。
保護者面談の重要性
保護者面談は単なる形式的な手続きではありません。弊社がこれまで培ってきたノウハウからも、その重要性は多岐にわたります。
● 高契約率で利用者の安定確保
適切な面談を通じて事業所の魅力や提供価値を伝えることで、保護者様の不安を解消し、利用への意欲を高めることができます。
● 利用満足度の向上とクレーム予防
事前にニーズや懸念事項をしっかり把握することで、利用開始後の「思っていたのと違った」という事態を防ぎ、利用満足度を高めることに繋がります。
● スタッフの育成
体験会は、スタッフが保護者様やお子様と接し、事業所の魅力を伝える実践の場です。この経験を通じて、個々のスキルアップやチームとしての対応力向上が期待できます。
● スタッフのロイヤリティ向上
面談や体験会で事業所の強みをどう伝えるかをスタッフ間で議論し、共有するプロセスは、スタッフ自身の事業所に対する理解と誇りを深めることに繋がります。
これらの重要性を踏まえ、保護者面談・体験会を実施する上でのポイントを以下に挙げます。
● 面談・体験会の方法を法人・事業所として統一する
属人的ではなく、組織として一定以上の質を担保するために、方法を決めて統一することが重要です。
● 準備物や当日の準備を怠らない
カウンセリングシートや関連資料の準備を怠らず、必要に応じてダブルチェックを行うことで、当日の流れをスムーズにできます。
● 高契約率を高めるノウハウを把握し、ロープレを行う
事前に提案ストーリーを設計し、定期的にロールプレイングを実施することで、効果的な提案ができるようになります。
お問い合わせからご契約までの流れ
お問い合わせからご契約までのステップを、簡易版と大枠でご紹介します。全体の流れを理解し、基本的に作成した「トークフロー」に基づき案内を進めることを推奨しています。事業所ごとにトークフローを作成しておくことが望ましいでしょう。
簡易版のステップ
1. ご挨拶
2. ヒアリングシート確認
3. 事業所療育の説明
4. 1日の流れの説明
5. 体験
6. 利用説明
7. 質疑応答
大枠のステップ
1. お問い合わせ
2. 日程決定
3. 見学準備
4. 事前準備
5. 体験
6. 事後フォロー
7. 契約
各ステップにおける重要なポイント
特に、事前準備・ヒアリング・魅力訴求・クロージングは、契約率を高める上で最も重要なフェーズです。
● 事前準備
お問い合わせの段階で、お子様の年齢、性別、障がいの種別、住所、学校名などを確認し、面談の準備に活かしましょう。
● 面談当日
お子様には体験を楽しんでいただきつつ、保護者様とは面談を行います。お子様は面談していないスタッフが療育の指導を行うのが理想的です。
● ヒアリング
単にお子様の情報を聞くだけでなく、保護者様のお悩みをしっかりと把握することが最も重要です。
現状の把握に加え、保護者様の目的・感情、そして本音を聞き出すことで、適切な提案が可能になります。
● 魅力訴求
把握したお悩みやニーズに対し、事業所のプログラムがお子様の発達にどう影響するのかを説明し、自施設の良さをしっかりとアピールします。
保護者様の利用モチベーションを把握した上で行うとより効果的です。
魅力訴求を考える上で、以下の4つのカテゴリで事業所の強みを分析・整理することを提案しています。
1. 機能の魅力:療育内容、専門指導など、提供するサービスそのものの質や特徴
2. 条件の魅力:教室の立地、利用体系、契約体系など、利用しやすさに関わる条件
3. 人材の魅力:スタッフの専門性、経験、人柄、安心の実績など、人に関わる魅力
4. 会社の魅力:会社の基盤、経営理念など、運営母体に関わる魅力
これらの魅力を、どこで自身の事業所が競合に勝つかをスタッフ間で話し合い、理解することが重要です。そして、スタッフ全員が共通認識を持ち、自信を持って魅力を伝えられることが、保護者様からの信頼獲得に繋がります。
面談全体の流れを理解し、事前に作成したトークフローに基づき案内を行うことで、説明漏れを防ぎ、スムーズで効果的な面談を実現できます。
体験会当日の準備物
体験会を成功させるためには、事前の準備だけでなく、当日の準備物も重要です。以下の準備物を例として挙げています。
● パソコン
● 机
● 療育現場の動画(プロジェクターがあればより効果的)
● 参加者リスト
● ヒアリングシート
● おやつ(お子様用)
● 飲み物(保護者様・お子様用)
● 療育ツール(トランポリン、かるたなど、体験で使用するもの)
これらの準備を万全に行い、お子様には体験を楽しんでいただきつつ、保護者様には面談を通じて事業所の魅力と提供価値を深く理解していただくことが、ご契約へと繋がる重要なステップとなります。
まとめ
保護者面談と体験会は、新規利用者の獲得だけでなく、その後の利用満足度やスタッフの成長、組織力の向上にも深く関わる経営の根幹部分です。
市場が拡大し、事業所間の競争が激化する現代において、選ばれる事業所となるためには、単に良い療育を提供するだけでなく、この最初の接点での対応力強化が不可欠であると船井総研は考えています。
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私たち株式会社船井総合研究所は、中堅・中小企業を対象に、様々な業種・テーマで専門コンサルタントが経営支援を行っています。放課後等デイサービスの経営改善に関しても、多くの事業所様の成長を支援してきました。
弊社の支援スタイルは、「月次支援」と「経営研究会」を両輪とする独自のものです。
現場に密着し、経営者様に寄り添った実践的なコンサルティング活動を強みとしています。
ご相談いただいた際には、保護者面談・体験会に関する具体的なノウハウやツールを含め、現場で成果を出すための具体的な提案をさせていただきます。
集客から契約率向上、人材育成、組織作り、さらにはDX(デジタルトランスフォーメーション)支援まで、事業所様の様々な経営課題に対して、成長実行支援、人材開発支援、企業価値向上支援を通じてサポートさせていただきます。
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