【事例で学ぶ】放課後等デイのInstagram運用術

放課後等デイサービスを運営されている皆様、日々の利用者様への支援に加え、事業を安定的に発展させるために様々な経営課題に日々取り組んでいらっしゃることと思います。
特に、現代において集客や採用に欠かせないツールとなりつつあるSNSの活用、中でもInstagramの運用について関心をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
Instagramがなぜ重要なのか?業界の現状
まず、放課後等デイサービス業界を取り巻くSNSの利用状況について見ていきましょう。
総務省の調査(令和2年度)によると、Instagramの利用率は近年一貫して増加しており、調査時には42.3%に達しています。「Twitter」と並び、「LINE」に次ぐ利用率の高さです。
特に、10代から50代の男女に多く利用されており、これはお子さんの保護者世代や求職者世代に多く当てはまります。この状況を踏まえると、放課後等デイサービス事業においてもInstagramを効果的に活用することで、事業所をより多くの人に知ってもらう機会が格段に増えていると言えるでしょう。
現代において、SNSを活用した情報発信は、事業運営に欠かせない要素になりつつあります。
Instagram活用の詳細解説:導入から投稿まで
船井総研では、放課後等デイサービス事業におけるSNS活用の重要性を踏まえ、特にInstagramの導入・活用方法について詳しく解説しています。ここでは、Instagramを事業の成長につなげるための具体的なステップとポイントをご紹介します。
1. Instagramアカウントの始め方
Instagramのアカウント作成は比較的簡単です。
● Facebookアカウントをお持ちの場合は、「Facebookでログイン」を選択すると、アカウント情報の自動入力や各種設定の手間を省けます。
● 事業用アカウントとして運用する際は、代表者のお名前と会社のメールアドレスで設定することをおすすめします。
● さらに、Facebookページを作成してInstagramアカウントと連携すると、複数人で管理したり、投稿を同時に連携したりできるため、より効率的な情報発信が可能になります。
2. Instagramの主な投稿機能と活用法
Instagramにはいくつかの主要な投稿機能があり、それぞれの特徴を理解して目的に応じて使い分けることが重要です。
● ストーリーズ投稿
○ 最大15秒の動画や写真で構成され、投稿後24時間で自動的に消えます。
○ フィード投稿よりも多く閲覧される傾向があり、日々の様子や速報性の高い情報を伝えるのに適しています。
● ストーリーズハイライト
○ ストーリーズをプロフィール画面に保存できる機能です。
○ 自己紹介、プログラム紹介、アクセス方法など、頻繁に参照される情報をまとめておくのに便利です。
● リール投稿
○ 最大30秒の短い動画投稿機能です。
○ BGMやエフェクトを加えて編集でき、エンタメ性の高いコンテンツ作成に適しています。
● フィード投稿
○ 最大10枚の写真や最大60秒の動画を投稿できます。
○ プロフィール画面に恒久的に表示されるため、事業所の雰囲気や活動内容をじっくり伝えたい場合に利用します。
フィード投稿の具体的な手順は以下の通りです。
【1】メイン画面右上の「+」アイコンを選択し、「投稿」を選んで写真や動画を選択します。
【2】投稿に説明文(キャプション)を記入します。最大2200字まで入力できるので、投稿内容の詳細や背景などを自由に記述できます。
【3】集客や認知度向上に不可欠なのが「#(ハッシュタグ)」の活用です。最大30個まで設定でき、関連性の高いキーワードを複数つけることで、興味のあるユーザーに見つけてもらいやすくなります。
【4】さらに、事業所のアカウントをタグ付けしたり、位置情報を追加したりすることで、ユーザーの流入経路を増やせます。位置情報をタップするとマップが表示され、同じ位置情報で投稿した人やその位置情報を検索した人に見てもらえる可能性が高まります。
【5】Facebookアカウントと連携していれば、同じ投稿を同時に行うことも可能です。
集客につながる!魅力的な投稿内容のポイント
Instagram投稿の最大の目的は、事業所をより多くの人に知ってもらうことです。そのためには、多くの「いいね」や「コメント」といったエンゲージメントを獲得することが重要になります。エンゲージメント獲得のために意識すべきポイントは以下の4つです。
① 統一性
写真の色味や投稿内容に一貫性を持たせることで、複数の写真や投稿を見てもらいやすくなります。
事業所のイメージカラーや写真のトーンなどを統一すると効果的です。
② エンタメ性
面白い内容や楽しい内容は、「いいね」やフォロー率の向上につながります。
利用者様の笑顔や楽しいイベントの様子などを積極的に発信しましょう。
③ 知識性
利用者様や保護者様にとって有益な知識や情報を提供することで、「知識のインプット先」としてアカウントをキープしたいという心理が働き、フォローにつながりやすくなります。
療育に関する情報や子育てのヒントなどが該当します。
④ 独自性
「”この”事業所に行ってみたい」と思わせるような、事業所ならではの特色や強みを意識して発信することが重要です。
他の事業所にはない取り組みや、スタッフの個性などをアピールしましょう。
これらの4つのポイントを意識した投稿内容の例としては、以下が挙げられます。
● 日々の活動報告
● 利用者様の成長事例
● スタッフ紹介
● イベント案内
● カリキュラム紹介
● 保護者の声
これらの投稿は、統一性、知識性、独自性、エンタメ性といった要素を満たしつつ、事業所の魅力を多角的に伝えることができます。
Instagramの活用は、単に事業所の認知度を向上させるだけでなく、具体的な成果にもつながります。
適切に運用することで、新規問い合わせの獲得や、既存顧客様の利用継続に貢献します。
さらに、事業所の雰囲気やスタッフの人柄を伝えることは、新しいスタッフ採用においても大きな強みとなります。
求職者は職場の環境や雰囲気を重視するため、Instagramを通じてそれらを効果的に伝えることが、優秀な人材の獲得につながるのです。
運営側が意識すべき運用のポイント
Instagramの効果を最大化するためには、計画的かつ継続的な運用が不可欠です。運営側が意識すべき重要なポイントをいくつかご紹介します。
● 投稿時間
閲覧率の高い時間帯を狙って投稿することが効果的です。
一般的に、午前7時頃(通勤・通学時間帯)と午後8時頃(帰宅後のリラックスタイム)は多くのユーザーがInstagramを閲覧する傾向にあります。
● 投稿頻度
定期的な投稿は、フォロワー数の増加・維持に不可欠です。
理想的な投稿頻度は週に4~5件とされていますが、毎日投稿できるのが最も理想的です。
投稿を楽しみにしてもらえるよう、コンテンツを固定化せず、様々な角度から事業所の魅力や活動内容を発信しましょう。
● ハッシュタグの数
ハッシュタグは投稿のリーチを広げるために非常に重要ですが、多すぎても効果が薄れる場合があります。
一般的に、8個から12個程度が推奨されています。
事業所名や「〇〇特化型療育」など、事業所の特徴を表すハッシュタグは毎日固定で入れることをおすすめします。
● ハッシュタグの選定
投稿内容やターゲット層に合わせたハッシュタグを選定することが重要です。
・例えば、「#児童発達支援」(25.9万件)、「#放課後等デイサービス」(42.3万件)といった主要なキーワードに加え、「#発達ゆっくりさん」(7.5万件)、「#グレーゾーン」(5.1万件)といったより具体的なユーザー層に向けたもの、「#放デイスタッフ」(1294件)、「#放デイ指導員」(796件)といった採用関連のハッシュタグも有効です。
・ 投稿件数が多いハッシュタグと少ないハッシュタグを組み合わせて使うことで、幅広いユーザーにリーチしつつ、特定のニッチな層にも発見されやすくなります。
● 投稿内容のバリエーション
同じような投稿ばかりではユーザーが飽きてしまう可能性があります。
季節感を出す、イベント時は積極的に投稿するなど、内容に変化を持たせることが重要です。
日々の活動報告だけでなく、スタッフ紹介やQ&A、裏側の様子など、多様なコンテンツを提供しましょう。
● 写真・加工の統一感
Instagramは視覚的な情報が大きな部分を占めるため、写真の質や加工の統一感も注目を集める上で重要です。
フィルターの使い方や写真の色調などを統一することで、プロフィール画面全体に統一感が生まれ、洗練された印象を与えることができます。
● 位置情報の追加
投稿に事業所の位置情報を追加することで、ユーザーがマップから事業所を見つけやすくなります。
これにより、「スポット検索」からの流入が増加し、新たなユーザーとの接触機会が生まれます。
Instagram活用事例から学ぶ成功のヒント
船井総研では、実際にInstagram活用で成果を上げている事業所の事例もご紹介しています。
【事例①】社会福祉法人 瓢箪町保育園様
○ 定期的な投稿の重要性が示されています。理想的な投稿頻度である「毎日」の投稿を目指し、撮影担当や撮影時間、投稿時間をあらかじめ決めておくことで、継続的な配信体制を構築されています。
○ 役割分担を明確にすることが、定期的な投稿を実現する鍵となります。
【事例②】ありがとうファミリー株式会社様
○ 機能の使い分けと投稿内容の充実が特徴です。ストーリーズハイライトを活用し、自己紹介、プログラム紹介、事業所までのアクセス情報などをまとめて見やすくされています。
○ また、療育の風景だけでなく、イベント告知、プログラム詳細、現在の空き状況、お休みのご案内、さらにはスタッフ募集の情報まで、幅広い内容を投稿することで、集客と採用の両面に効果を上げています。
これらの事例からも、放課後等デイサービスのSNS運用においては、計画的な定期投稿と、写真・動画・テキスト・各種機能を組み合わせた魅力的なコンテンツ作りが成功に不可欠であることが分かります。
まとめ:Instagram活用の3つのポイント
Instagram活用のポイントをまとめると、以下の3点に集約されます。
1. Instagramは、事業所にとっても利用者様(保護者様)にとっても身近なSNSです。
いつでも、どこでも療育内容を知ることができるツールとして、有効活用が期待されます。
2. 集客だけでなく、採用にもつながるツールです。
スタッフ紹介や療育風景を発信することで、求職者は職場の環境や雰囲気を具体的に知り、応募へのハードルが下がります。
3. 定期的な投稿と投稿内容の充実が非常に重要です。
投稿頻度を上げて多くの人に見てもらうことで認知度が向上し、投稿を楽しみにしてもらえるような多様なコンテンツを提供することが、フォロワー獲得とエンゲージメント向上につながります。
これらの点を押さえた放課後等デイサービスのSNS運用は、今後の事業成長においてますます重要になるでしょう。
船井総研への経営相談について
船井総研は、中堅・中小企業を対象とした日本最大級の経営コンサルティング会社として、多岐にわたる業種・テーマでコンサルティングサービスを提供しております。
特に福祉グループでは、放課後等デイサービス事業をはじめとした福祉業界のお客様に対し、現場に密着した実践的なコンサルティング活動を行っており、多くの経営者様から高い評価をいただいております。
InstagramをはじめとするSNS活用に関するご相談はもちろんのこと、集客、採用、人材育成、組織体制構築、DX推進など、放課後等デイサービス事業の経営全般に関する様々なお悩みについて、船井総研の専門コンサルタントがお手伝いさせていただきます。
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