中小企業が新規事業に参入していく際、どのような参入パターンがあるのか、参入する際の「勝ちパターン」は何なのか?について解説しています。
1.はじめに
今回は新規事業に参入していく際に、どのような参入パターンがあるのか、そして参入する際の勝ちパターンは何なのかについて解説をさせていただきます。新規参入のパターンは、大きく二つあります。一つは既存事業を軸に広げていくパターン、二つ目は新規事業を取り込んでいくパターンとなります。
2.既存業種を軸に広げるパターン
一つ目の既存事業を軸に広げるパターンについては、既存業種を軸に事業の柱を増やしていく手法となります。この手法は一般的にリスクの低い新規事業参入と言われています。このパターンは既存事業のノウハウや顧客、経営資源を新規事業に活かしやすいことが特徴的です。ケース事例としては図のようなものがございます。
一つ目は飲食店がサプライチェーンの上流である食品製造業に参入するケース、二つ目は婚活支援サービスの提供事業者が付随する事業として新婚旅行支援サービスの展開を始めるケース、三つ目は住宅販売業者が既存事業の延長戦上にあるリフォーム事業へ参入するケース、これらのパターンにおいては既存成長の見通しが立ちづらい場合は参入に注意が必要となります。さらにリターンが少ない持続的成長が見込めないものに関しては、積極的に参入すべきではありません。
3.新規業種を取り込むパターン
二つ目のパターンは、新規事業を取り込むパターンです。このパターンの留意点としては、新規事業で5 億円~10億円の売上の柱が確立できるかどうかといった点になります。ケースとしては、図のようなものがございます。
一つ目は酒類を販売している事業者が時流に適合するためコンビニエンスストアへ業態転換をするケース、二つ目は不動産業者が観光事業として単品スイーツ業態へ参入するケース、三つ目は自動車販売店がフランチャイズ事業に参入し業態転換を行うケース、これらのパターンでは市場規模が小さく複数店舗の展開が難しい業態への参入は積極的に行うべきではありません。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。新規事業参入のパターンは大きく二つございました。既存業種を軸に広げるパターン、新規業種を取り込むパターン、この二つのパターンの共通点としては、成長マーケットでない市場への参入は避けるべきといったところになります。
また、注意すべき点のほかに新規で参入を検討する際には、例えば採用が楽になる、企業のブランドイメージが上がるなどの人材採用にプラスの効果を見込めるものであることが望ましいと言えます。今回の内容が新規事業を検討される方にとっての一助となりますと幸いでございます。