- アナログトランスフォーメーション
「アナログトランスフォーメーション」とは何なのか
本コラムのタイトルである「アナログトランスフォーメーション」というのは、
一般用語ではなく私の造語です。
「DX」=「デジタルトランスフォーメーション」と共にご理解頂きたいと思います。
「デジタルトランスフォーメーション」の一般的な定義を簡単に言うと、
「“デジタル”技術で世の中をより良いものにする」ですが、
「アナログトランスフォーメーション」とは、
「“アナログ”技術で世の中をより良いものにする」と考えてください。
今回の記事でお伝えしたいのは、
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」成功の最大ポイントが
「アナログトランスフォーメーション」だということです。
ここで言う「アナログトランスフォーメーション」をもっと分かりやすく言うと、
「人間が行うマニュアル化・標準化」のことです。
アナログトランスフォーメーションの実例と失敗例
例えば、営業管理のDX化を考えます。営業マンが多人数いる企業の場合、
営業進捗管理ツールとしてエクセルやスプレッドシートを活用している企業は多いものです。
しかし、それらは非常に使いやすいせいか、
個人個人の営業マンが思い思いのフォーマットで作成していて、
それらが営業マン全員に共有されていない、会社にも共有されていないという状況に陥りがちです。
その結果、営業が属人的になってしまい、
営業マンの経験値・スキルに個人差が出てきてしまうというパターンになりがちです。
そうならない為にも、クラウド上で管理できるSFA(営業管理システム)を導入して、
DX化を目指そうとしている企業は多いです。
その時にまず一番大事なことは、
営業マン個々人でバラバラに作っているフォーマットを
全社で標準化して統一することです。
もちろん、1種類で完結できるはずもなく、何種類も必要になります。
そして、そのフォーマットに基づいて日々データを入力・集計していくことが必要です。
しかし、そのフォーマットが使いにくいとか、自分に合わないとかで徐々に入力されなくなり、
挙句の果てには、メインは自分で作ったフォーマットで管理して、
会社への報告用の為だけに二度入力しているという例もあります。
完全に元々の目的と実態が掛け離れてしまうのです。
これこそ、「アナログトランスフォーメーション」に失敗してしまう典型的なパターンです。
こうなると、その後の「デジタルトランスフォーメーション」に辿り着けることはありません。
高額なSFA(営業管理システム)を導入しても全くの無意味になります。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」成功のための
基本的で最大のポイントは「アナログトランスフォーメーション」です。
是非、ご理解頂ければと思います。