1.なぜ「人的資本経営」が今、これほど注目されるのか
近年、新聞やビジネス誌でも「人的資本」という言葉を耳にする機会が増えました。
背景にあるのは、2023年から始まった「人的資本情報の開示義務化」です。上場企業に対して、人的資本の取り組みを可視化し、投資家や社会に開示することが求められるようになりました。
「うちは上場していないから関係ない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際には、人的資本の強化は上場企業だけでなく、すべての企業にとって経営課題 となっています。
なぜでしょうか?
少子高齢化により、採用がますます難しくなっている
働き手の価値観が多様化し、会社が人を選ぶ時代から、人が会社を選ぶ時代へと移行している
「辞めにくい会社」ではなく「働き続けたい会社」でなければ、優秀な人材が定着しない
つまり、人材は「コスト」ではなく「資本」としてとらえ、投資対象にしていかなければ、持続的な成長は難しいという現実があります。
2.「人的資本」をどう強化すればいいのか?
では、具体的に人的資本を強化するとはどういうことでしょうか。
大きく分けると、次の3つの視点が挙げられます。
①理念・文化
・組織として大切にする考え方を浸透させ、社員が「自分は何のために働いているのか」を理解できる環境をつくる
②人材育成
・教育制度や研修を通じて社員の能力を高める
・次世代リーダーを計画的に育てる
③働く環境整備
・働きやすさや働きがいを両立させる仕組みを設ける
・社員の健康やキャリア支援など、長期的に活躍できる場を整える
一見すると「当たり前」のように感じられるかもしれません。
しかし実際には、これらを継続的かつ戦略的に実行している企業は多くありません。
その中でも人的資本の実現に向けて取り組みをされて、成果を出されている会社様もいらっしゃいます。
「人財」を軸に成長を続けている 株式会社ティア の事例をご紹介します。
独自の理念経営を徹底し、社員の教育と成長を企業の根幹に据えています。
具体的には
①理念浸透の仕組みづくり
社員一人ひとりが企業理念を深く理解し、日々の行動に落とし込むための教育プログラムを整備
②人材育成とキャリア形成
OJTだけでなく、独自の研修や教育制度を導入し、成長意欲を持つ社員が挑戦できる環境を提供
③将来を見据えた次世代リーダー育成
経営者の視点を持つリーダーを計画的に育て、持続的な事業成長につなげている
こうした実践は、どの業種・規模の会社であっても参考になるものです。
今回、代表取締役社長の 冨安 徳久氏 をお迎えし、理念経営の実際と、それを支える人的資本経営の仕組みについてお話しいただきます。
私自身、多くの経営者の方とお話しする中で感じるのは、皆さん共通して「人財」に関する課題を抱えているということです。
・採用してもすぐに辞めてしまう
・育成に時間とコストをかけても成果につながらない
・リーダー層が不足し、組織が伸び悩んでいる
こうした悩みは、どの会社でも珍しくありません。
しかし、逆に考えると、ここに突破口があります。
人的資本への投資ができれば、それは 競争優位 につながるのです。
この勉強会では、単なる「成功事例の紹介」にとどまりません。
参加者の皆さまがご自身の経営に置き換えられるよう、具体的なヒントや実務に活かせる学びが得られる構成となっています。
「人的資本」という言葉は少し難しく聞こえるかもしれません。
しかし、その本質はシンプルです。
人が育てば、会社が育つ。
この当たり前のことを、戦略的に、そして継続的に実践しているかどうか。
それが、これからの企業の成長を分ける鍵になります。
ぜひこの機会に、ゲスト企業の実践から学び、自社の未来に役立てていただければ幸いです。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。