◆開催日時:2020年11月21日(土)
◆講師:船井総合研究所 手塚 颯
◆演題:「リモートワーク人財の採用手法×即戦力化を徹底公開」
なぜリモート人材を活用すべきか
本日は、リモート採用人材セミナーというところで、なぜリモート人材を活用するべきかいうところをお話しさせていただきます。
なぜいまリモートワーク人材を視野にいれるのか?
主な理由は、三つあると思っています。
今後、人手不足社会が続くので、新たなマーケットとしてリモート人材活用というところ、それに伴いITツールの普及、主にZoomの普及です。
あと、昔からいわれていることですが、働き方がどんどん多様化してきていますし、それを後押しするかのようにフリーランスの増加です。この3点です。これらを詳しく説明していきます。
まず、今後も続く人手不足ですが、リーマンショックの不況時の有効求人倍率です。歴史から学ぶというところです。
今のコロナと同じ状況です。現状も有効求人倍率が下がっているのですが、リーマンショック時も採用をスキップする企業様が多かったので、下がっていました。
やはり発生4年後に同水準に回復というところで、人手不足というところは変わっていないので、有効求人倍率というのはリーマンショック時のときも戻っています。
したがって、コロナも同様の結果になってくるのではと予測できます。
生産労働人口の減少
これらもやはり生産労働人口の減少です。
全体で2025年には、生産労働人口が15歳~65歳では、500万人不足するといわれています。
人手が減っていくことに対して、企業の採用活動が戻っていくということを考えると、またコロナ前のように深刻な人手不足は続いていくのだと思います。
また、統計データの中でも、人口動態というのは非常に正確性が高いといわれていまして、ほぼ確実に起こりえる未来と思っていただいてもいいと思います。
持続的成長に向けてこれまでの労働力確保のあり方を変える必要がある
そうなってきますと、これまでとは違った採用活動というのを視野にいれていかないといけないと考え、ポテンシャルワーカーといったいわれ方をされていますが、今でいうと外国人がメインであったり、定年退職をしている65歳以上のシニア世代に対してはどう訴求して働きやすい環境をどう作っていくかといったことや、共働きの多い中で主婦が働きやすい環境を作り採用定着率を上げることが必要になってくると思います。
そして、今回のセミナーのメインであるリモート人材です。今までは中小企業というのは検討すらしなかったと思いますが、コロナ禍もありいろいろな要件がそろってきているので、この機会に検討してみてはという思いもあります。
なぜいまリモートワーク人材を視野にいれるのか?
その中で、最も大きな変化といえば、企業におけるITツールの普及です。
コロナによって加速したVUCA時代ということで、変動性、不確実、複雑、曖昧のスペルの頭文字をとってVCUAの時代、ようするに何が起こるか分からない時代だということを象徴した言葉です。
もともとコロナの前から今の時代は変化が激しい時代だとはいわれています。
スマートフォンが普及し、誰もがチャットでやりとりをするようになり、情報発信が可能な時代になり、技術やスピードも加速度的に成長していますし、既存の延長線上で考えていたものが一気に崩れ落ちたり、逆に考えてもいなかった新たなものが生み出されイノベーションが起き、これまでの業態を変えていかなければならないような時代の中で、今回のコロナウイルスによってそれがさらに加速したと思っています。
Web会議システム普及率が劇的に向上
特に、働き方の部分で、三密回避ということもありますが、出社しない状況をなるべく作ろうというところで何が利用されたのかというと、やはりWeb会議システムやビジネスチャットツール、オンラインのストレージシステム、タスクやPJ管理ツールなどの導入が進んだ中で、特にWeb会議システムです。
弊社もZoomでセミナーを行うことは年に数回しかありませんでしたが、今では、Zoomのセミナーがメインで、リアルのセミナーがマイナーとなっており逆転の現象が起きています。
したがって、これらが普及したことが、今回のリモート人材活用に向けても非常に重要な変化だと思っています。
逆に言うと、こういった変化がないと、リモート人材活用しようとは言ってなかったと思います。
リモート人材活用が進まなかったコミュニケ―ション問題
そこで、実際に地方などの中小企業でそれができるのかというところですが、その大きな要因としては、コミュニケーションの障壁かと思っていました。
どのようにコミュニケ―ションを取っていくかといった選択肢の中で、まだWeb会議が世の中に普及していなかったのですが、今では誰もがWeb会議のツールを使えるようになり、ある意味、インフラに近くなりました。
それによってコミュニケーションの障壁が解消されたのかと思います。これは中小企業に限らず、Web会議のツールは普及されているので、そこの一番の課題だったマネージメント問題やコミュニケーション問題が、Zoomの普及により解消されたかと思います。
なぜいまリモートワーク人材を視野にいれるのか?
もう一点が、多様化する雇用・働き方の在り方です。
これが顕著に現れているのが、フリーランスの人口増加です。
2015年から2018年のデータでいいますと、913万人が1,119万人に増えています。
アメリカでは、なんと5,730万人もおり、人口の35%がフリーランスという括りになっています。
日本は、アメリカからみると、まだまだ普及しきれていないので、逆に言うと、増える余地があるということです。
フリーランスは、リモート人材に近い属性なので、このようなマーケットは近年急速に増えています。
フリーランスの属性
こちらがフリーランスの属性です。本業を持ちながら、すきま時間で働いている副業系フリーランスの方、複業系という方は、本業とは何かを定義しておらず、いろいろなことをしているパラレルワーカーというフリーランス、自由業系フリーワーカーは、フリーランスだけを主体としてしている方、自由業系独立オーナーは、一応フリーランスに入る大まかな括りのフリーランスの方です。
今回は、自由業系独立オーナーを除いた約7割にあたるフリーランスの活用になります。
生産性が高い人材を採用する
そもそもリモート人材活用をなぜするのかということですが、優秀な人材を獲得できるというのがメインかと思います。
生産性の定義でいいますと、同じ成果でも投入した労力や時間が低ければ低いほど生産性が高いというところでいいますと、「リモートで時間固定がない」という求職者からするとインセンティブです。
ある意味、リモート人材で採用している企業が、成果だけで、時間や労力は問わないというところであれば、優秀であれば優秀なほど、投入した労力や時間は減ってきますので、生産性の高い人材が、リモートというインセンティブによって獲得できるというのがポイントになってくると思っています。
われわれのコンサルティング業も、このようなものが普及していくと、ある意味、競合にはなると感じます。
例えば、財務の分析を、銀行出身の方が副業としてやっている方がいるとすると、リモート人材の活用が進んでいくと求人を銀行経験者にすれば、そこにそういった方の応募がくると、本来、弊社の財務部署に頼んだことも、もしかするリモート人材に頼ることもあるかもしれないからです。
活用する雇用形態を見直す
もう一つの観点としては、雇用形態も多様化しているということです。
これは、変化しているというよりかは、企業の雇用形態というのを今一度コロナウイルスによって、リスクをどう分散させていくかという観点でいうと、非常に大事になってきたのかと思います。
ようするに、正社員は非常時にコストカットが難しいと思います。
そのため、正社員が本当にやるべきことと、そのほかの活用でやっていける部分を、改めて業務を整理して、最低限の正社員でやっていき、あとはいろいろな形態をミックスさせながらポートフォリオを組んで、採用活動をしていくことや、組織図を組んでいくことが非常に重要になるかと思います。
これは、別に、非常時にカットしてしまおうという考えではなく、フリーランスになりたいという人が増えているということは、自由な時間を求めている人が増えているということです。
したがって、企業側も有事際は「ごめんなさい」ということはあるかもしれないし、働く側も、それは重々承知で、その代わりに自由な時間を獲得しているので、等価交換は成り立っているので、この表の固定費をカットするために、そのようなことをいいたいのではないということをご了承いただきたいです。
そのように、ウィンウィンな関係は大前提なことですが、ただこういったリスク分散という観点で、雇用の在り方も見直す必要がでてきたのかなと思います。
リモート人材導入にあたって
少し振り返りまして、今なぜリモート人材を活用すべきかといいますと、一つが、人手不足社会になっていくことは今後もほぼ確実に起こる未来の中で、新たな働きにおけるマーケットを広げていかなければならないないというところと、ZoomなどのITツールの普及によってある意味コミュニケーションポストというものが減って、コミュニケーションやマネージメントにおける障壁が解消されたので、導入しやすくなったということです。
プラス、そもそもこのような働き方を求める人材が増えてきたので、採用活動というのは、集まっている人材に向けてどうやっていくかということなので、求職者の変化もあるということです。
リモート人材採用・即戦力化にあたって
続いて、実際導入するにあたり重要なことは何かをお伝えしたいと思います。
主に、3ポイント説明したいと思いまして、一つ目が業務フローの整理、二つ目が採用に関して、三つ目が制度設計に関してです。
これまでの業務の整理による効率化
まず、業務フローの整理です。
これまでのリモート人材などを前提としない業務フローの整理でいうと、一般的にコア業務とノンコア業務に分けます。
属人性のある、またはない業務や、重要性の高い、または低い業務や、付加価値を生み出すか、または生み出さない業務かといった2軸であるコア業務とノンコア業務の割合を出していき、なるべくコア業務に集中できるようにノンコア業務をどう分業していくのかと考えるのが一般的な業務の整理の仕方でした。
リモート人材活用を視野に入れた業務整理
今回、リモート人材を視野に入れますと、このような分類ができるかと思います。
まず通常通り・・・