中小企業こそ障がい者雇用の戦略的取り組みで自社の優位性の構築を 2025年08月15日 皆様は人材活用として障がい者雇用を推進されておりますでしょうか。障がい者の雇用を促進する「法定雇用率」は令和8年7月以降、2.7%に引き上げられることが決定しています。障がい者雇用は、企業の社会的責任(CSR)を果たすだけでなく、企業の成長と競争力強化にも繋がる戦略的な取り組みです。法定雇用率の引き上げが続く中、障がい者雇用はもはや選択肢ではなく、企業が持続的に成長するために不可欠な要素となっています。現在、民間企業の障がい者雇用者数、実雇用率は過去最高を更新していますが、法定雇用率達成企業の割合は低下傾向にあります。また、障がい福祉サービスの利用者数は増加しております。障がい福祉サービス関係予算も過去10年間で約2倍に増加しており、障がい児向けサービスは特に約4倍に増えています。生産年齢人口が減少をする中、大手企業は勿論、中小企業は優秀な人財確保は今後更に厳しくなることは避けられないと思われます。一方、働き方改革の流れは全ての企業で進んでおり、自由な働き方に対応すべく、現場への負担増も余儀なくされている企業様も少なくありません。これらの背景から、障がい者雇用を戦略的に取り組み、厳しい働く環境を支援するサポートメンバーとして障がい者雇用を位置づけ、現場に負担が少なく、自由な働き方を可能とする環境を創造することや、より付加価値の高い商品・サービスを提供する環境を創造するために障がい者雇用を活用するといった取り組みを選択することは可能ではないかと考えます。この実証実験を当社では取り組んでいます。船井総合研究所の取り組みと成功事例船井総合研究所は、2015年から障がい者雇用の取り組みを本格的に開始し、法定雇用率2.5%を達成しています。そのノウハウをグループ全体に展開し、2025年には2.5%、2026年には2.7%の達成を目指しています。船井総合研究所では、障がい特性やキャリアビジョンに合わせた職場環境を整備し、他部署との連携強化によって「必要とされる存在」となることで、社員の「やりがい・働きがい」を重視し、定着率向上に貢献しています。実際に、文字起こし効率2.9倍、DM発送数1.9倍など、具体的な生産性向上にも繋がっています。外注費用が高騰する中、障がい者雇用で内製化することでコストダウンを実現できています。具体的な業務内容としては、下記を行っております。清掃、備品・消耗品管理、郵便物仕分け、ドリンクコーナーの機器メンテナンス、植物メンテナンス、採用・評価に関する補助業務DM封入発送、Webセミナー配信、テープ起こし、画像購入サポート、セミナーホームページ編集、DM発送先リストデータ仕分け、労務事務補助など、コンサルタントのサポート業務障がい者雇用を成功させるためには、以下の3つのポイントが重要です。1. 障がい者雇用のノウハウ構築:働き方の多様化を実現し、障がい者・人材育成のノウハウを構築することが必要です。2. 障がい者の採用(求人活動):自社で働きたいと思う障がい者、かつ自社の仕事内容にマッチした障がい者を採用することが重要です。3. 障がい者の仕事の提供・管理:障がい者の仕事内容を整備し、既存業務からの切り出しを検討し、その業務の受注体制・管理・支援を行う仕組みが必要です。法定雇用率を超えた戦略的な障がい者雇用は、単なる義務達成にとどまらず、企業の価値創造に繋がります。CSR貢献とダイバーシティ推進につながり、助成金も活用できます。障がい者雇用は、貴社の持続的な成長と競争力強化に貢献するだけでなく、社会全体のインクルージョンを推進する重要な一歩となり得ます。法定雇用率を満たす、「義務」としての障がい者雇用ではなく、企業価値向上につながる障がい者雇用を推進していくことが今後の経営を大きく左右していくことでしょう。本コラムに関連するレポートのご案内最新の法制度のポイント解説から、企業が直面しうる課題への具体的な予防策・対応策、活用できる外部サポートまで網羅。ぜひ貴社における障がい者雇用の推進にお役立てください。無料でダウンロードいただけます。また専門コンサルタントによる無料相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。 >>無料ダウンロードはこちら 執筆者:ソーシャルビジネス支援本部本部長沓澤 翔太くつざわ しょうた こちらのコラムは平日毎日、以下のメールマガジンにて配信しております。ぜひご登録ください。