国税調査官として活躍され、現在は税理士法人KAJIグループの代表である加地先生が税務調査でよく質問されること10選を紹介します。
本記事では後半の5つのご紹介です。
⑥人件費の支出方法と計算方法
売上総利益が出た後に人件費を引くときに問題になる場合が多いです。
例えば架空の人件費を計上していないか調査するために、従業員名簿、組織図の名前と配席図を使って、従業員が実在するのか確認します。
最近は決算賞与も問題になることが多いため、基準通りに支給されているのか見極めます。
特に別世帯の家族に対して払っている給料は現金なのか、とよく聞きます。
⑦交際費、現金支出、経費
決算期末直近の現金経費は見るポイントです。現金の経費、備品、消耗品費は会社の用途として正当か、交際費であれば、決算期末直近の現金経費をチェックします。
⑧特別利益、特別損失
課税所得に影響する利益や損失をここでしっかりと見ます。
課税所得で大きく影響することが1番多い、巨額な利益や損失の状態や決済方法、評価方法を精査します。
例えば特別利益が出た際に、役員の1人を退職させて退職金を支払うことがよくあります。
この退職金が特別損失で計上されているか、税法上に適合した形で計算されているかを確認し、利益が大きく出た際の不当な節税を見極めています。
⑨過去の調査で問題があった部分が改善されているか
過去に調査を受けた場合、税務調査は基本的に続くため、調査官は調査経過を必ず記録しています。その中で問題になった点が改善されているのかを確認します。
調査はどれくらいのスパンで入ってくるのですか?
コロナ以前は3年〜5年ごとに入っています。特に過去やってはいけない行為をしていたところは、3年で来る場合が多いです。
⑩貸借対照表
今までは課税所得の範囲で調査をしていましたが、財務内容を把握する必要があるため、損益計算書と貸借対照表に目を通します。その中で特に見る点は、仮払いや前払いなど仮勘定で残っている項目と代表者勘定です。
おわりに
税務調査を経験されていないと不安に感じることもあると思います。しかし基本きちんと申告していただければ特に問題ないことと、納税意欲よりも納税義務を果たすということを持っていらっしゃれば良いです。
これから税務調査を受ける場合は、どこがポイントかを参考にしていただければと思います。
税務調査は今の税理士だと不安だという場合には、概要欄の「税務調査ネット」から加地先生にご相談できます。