経理改善事例3連発
第二講座「補助金活用で経理の工数を90%削減!成功事例大公開」ということで、ここからは経理の改善事例を3連発でお送りいたします。一つ目は「経営状況の把握ができるようになったケース」、二つ目は「クラウド会計の設定を最適化できたケース」、三つ目は「経理業務のムダを把握して改善できたケース」です。特にどれを聞きたいかを意識して聞いていただければと思います。
【事例①】経営状況の把握ができるようになったケース
それではまずは一つ目です。こちらは東京都、年商10億円、従業員数40名の医薬品研究開発、販売をされている会社様での事例です。こちらは、経理の担当者の退職が急に決まってしまった為、会計事務所にお問い合わせがあったパターンです。「月次会計入力と役員会議、株主報告会の資料作成、月末振込の業務をお願いしたいです。ただし、経理の方が1カ月後に退職してしまうので、引継期間の1カ月で経理担当者が行っていた業務を全て外注したいです。」という内容でした。こちらは経理の改善、経理のクラウド化、経理のアウトソーシングを得意としている会計事務所にあったお問い合わせなのですが、具体的にどのように進んでいったかをお伝えいたします。
会計事務所と経営者の方で初回の面談をされた時に、経営者の方が「無駄なものを省いていきたい」というお考えでしたので、会計事務所からは「クラウドを導入して極力簡素化していきませんか」というご提案がありました。それから引継ぎのミーティングがあり、経理全体のクラウド化を設計し、実際に導入を進めていきました。それが終わってから経理のアウトソーシングを進めていった、という流れです。
それから「経理コンサル」というサービスで経理のクラウド化を進める時に、具体的にどういうことをしてもらっていたかといいますと、経理の状況をヒアリングしてもらって、画面にサンプルが出ている経理状況報告書という「今の経理体制のどこに課題があってどう改善していけばいいのか」という報告提案の書類と、「今後はこのようにしていきませんか」という業務フローの改善提案を出してもらいました。
第一講座の中で、経理のクラウド化を進めていくと経理業務の属人化から脱却できますと申し上げたのですが、このようなフローをしっかり踏んで経理のクラウド化を進めていくことで、属人化が排除されて経理業務の見える化や標準化につながるイメージを持っていただけると思います。
どのような経理フローに変わったのかですが、元々こちらは従来型、オンプレミス型の会計ソフトや給与計算ソフトを使っていました。経理の方は現金出納帳を会計ソフトに手入力して、通帳を毎月銀行まで行って記帳して、記帳したものを見ながら会計ソフトに入力していき、また現金領収書も1枚ずつ会計ソフトに入力していました。このような状況なので、紙の情報が非常に多かったのです。
これをどう変えたかというと、まずは現金出納帳をExcelで作るようにしました。そうすると簡単にクラウド会計にインポートできるようになります。それから銀行口座はインターネットバンキングを開設して、クラウド会計に連携するようにしました。それから経費も極力現金ではなくクレジットカードで切るようにして、そのクレジットカード情報をクラウド会計に紐づけるようにしました。どうしても一部は現金領収書が残るのですが、この部分の入力を会計事務所にアウトソーシングしたわけです。
先ほどの説明と重複しますが、インターネットバンキングで銀行取引データを自動取り込みできるようにして、コーポレートカードを作成して現金経費を極力削減しています。また、これらのクラウド会計ソフトやクラウド計算ソフトは会計事務所で初期設定からデータの移行までやってもらっています。
そのため、お客様、会社様のほうではそんなに苦労せずに、1カ月という短い期間しかありませんでしたが無事引継ぎもできて、アウトソーシングも進めることができました。導入効果としては、10年間同じ担当者が経理業務を行っていたので業務が属人化していましたが、経理業務フローを整えることができました。プロに経理業務を委託することで、経理担当者の退職後も経理業務を継続することができました。また、経理をクラウド化したのでアウトソーシング費用も抑えられて、試算表も10営業日で出るようになっています。こちらが一つ目の事例でございました。
【事例②】クラウド会計の設定最適化をできたケース
二つ目の事例が、クラウド会計の設定の最適化ができたケースです。こちらは東京都、年商14億円、従業員数48名の食品卸売業の会社さんでの事例です。経理効率化のために自社でクラウド会計を導入したのですがむしろ手間がかかってしまい、その結果、経理担当者が退職してしまいました。今期の決算はせっかく入れたクラウド会計で締めることができずに元のソフトで締めました。そうした状況で、経理の改善やアウトソーシングに長けている会計事務所にお問い合わせをされた事例です。
どう変わったかと言いますと、会計事務所にクラウド会計ソフトの再設定をしてもらいました。元々は経理担当者の方が頑張って導入したのですが、日々の業務もあって、その中で並行しての作業でした。そして経理担当者の方は経理の専門家ではありますがシステムの専門家ではなかったので、初期の設定にミスがあり、うまく活用できていなかったのです。また、クラウド会計ソフトを活用しようと思ったら、先ほどご紹介したようなインターネットバンキングの連携やカードとの連携、そうした各種データの連携が必要なのですが、それができていなかったのでむしろ手間がかかってしまっていた。
そうしたところの整備を会計事務所にやってもらってどう変わったかと言いますと、まず3カ月分溜まっていた会計入力を2週間で完了し、月次で試算表が見られる状態になりました。また、銀行融資対策で試算表を早く出したいと考えていたのですが、クラウド会計を再設定して業務フローを再構築した結果、試算表を早く出せるようになりました。さらに、従来は自社の経理が一人で回していたのですが、月次で会計事務所がチェックするようになったため安心できるようになりました。こちらの三点が経理のクラウド化、改善を会計事務所と一緒に行った結果の効果です。
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