本講座で伝えたいポイント
本講座で伝えたいポイントということで、三つまとめさせていただいています。皆様にコロナ禍でもと書いてありますが、コロナ禍の中でも成長投資を続けることをできるようにするためには、鈴木の第1講座でもありましたが、投資は絶対に不可欠だと思っていますし、皆様も成長を加速させるために投資を考えていらっしゃるからこのセミナーにお越しいただいたと思いますので、この成功の秘訣を三つ絞ってお伝えさせていただきます。
投資はするけれども条件を良くしたい、そんな欲張りな方が多いと思いますけれども、今回お伝えする事例では、無担保、無保証の借り入れが実現できています。なので、投資をするけれども担保や保証に依存しないお金の借り方をするために、どのようなかたちで金融機関にアプローチしていけばいいのかということをお伝えさせていただきます。
二つ目が大型の融資金額を引き出すための情報開示をしようということで、1億、2億の資金調達を目指される会社の方や、これを見ていただいている方であれば今回のケースだと少し金額が小さいと思ってください。金額的に言うと5億以上10億よりもそれ以上を資金調達をして投資をしていきたい会社の方であれば、今回お伝えする事例というのはかなりはまると思いますし情報開示の仕方というのは、なんならそのまま使えるぐらいだと思っています。なので、②番では情報開示手法をお伝えします。
③番目は金融機関向けの事業計画作成のポイント、金融機関向けというのがミソなので、皆さん金融機関に対してこの情報を必ず付加してください。この情報が付加できてないからほかの会社は金融機関とのキャッチボールで何回もラリーをして、その結果、彼らが納得するような計画が立てられていないのです。以上のようなことをお伝えさせてもらいたいと思います。
成功のポイント=資金調達を自社主導型へ
今回、事例をお話ししますと言いましたが、後ほど、事例企業のF社が出てきますけれども、今回F社が成功したポイントはこの右側に書いてある、自社主導型で金融機関とのお付き合いを切り替えられたからということでポイントをまとめさせていただいています。もしかしたら左側の金融機関から提案をどんどんどんどん受けてしまっている、受け身で提案を受けている会社だと、なかなか今回の事例企業のように大きなお金を調達、良い条件で借り入れができることが難しくなってしまいますので、皆様のほうから積極的に矢印は情報を上げてくださいということです。情報を闇雲に上げても、正直意味がないので、適時適切な情報を上げましょうということで今回お話をさせてもらいます。
最終的にここでスライドに出ているのが、右側の形態が皆さんに是非目指していただきたいところです。左の状態だと銀行に対して、皆さんの会社が、じゃあ「10億円のお金を借りたいのだけど、いくら借りられますか」と聞くと、「いや、うちは2億が厳しいです」といったことや「うちは5億までいけるかな、よくわからないですけど」ということや、そういう色々な条件がなかなか固まりづらいという状態だと思うのですが、今回事例でお話するのはシンジケートローン、協調融資というものをうまく活用した例なので、一つの幹事行という金融機関に伝えたことで、それぞれその金融機関が幹事として、飲み会の幹事と一緒なので取りまとめてくれて、うまく皆さんの手間をそんなに煩わせずに資金調達ができる、こういう体制がかなり理想的に近いかたちなので、皆さんは資金調達を自社主導型に変えましょうということでこのスライドをイメージしていただければと思います。
最後に、これはまとめのところでもお伝えするのですが、ステップを銀行取引で四つにまとめさせていただいています。他行取引フェーズ、銀行との条件改善フェーズ、メインバンク化フェーズ、取引を拡大するフェーズ、この四つのフェーズです。船井総研ではこのステップを経て他行取引をまずやっていかないとなかなか大きな投資は難しいですよねというのは財務のコンサルティングの中でお伝えしているので、船井総研が考えるこのステップはきちんと押さえていただきたいと思います。いきなり条件改善をしてもいけないですしいきなりメインバンク化を図ってもいけないです。いきなり取引拡大、ましてやステップ4からスタートするというのはナンセンスな話なので皆さんにおいてはこのステップをちゃんと自社が踏めているのか、今ステップ1できていたのか、ステップ2からスタートなのかというところは意識して見ていただきたいと思います。
それでは、早速事例に移らせていただきます。事例は1社です。厳選した1社をお伝えさせていただきます。
事例企業概要
事例企業の概要は、所在地静岡の会社で業種はガスの販売事業です。LPガスや産業のガスを販売している会社です。従業員数は90名で創業からの経過年数が100年続いているかなり老舗のエネルギー関連の会社になっております。この会社は2期の売り上げと借入金を並べさせてもらっていますが、9月決算で売上のトレンドで言ったら減少トレンドにコロナ禍ではありました。19年、20年、21年と26億、23億、22億というように若干の減少トレンドにはなっていますけれども、借り入れを見ていただきたいのですけれども、借入金9億円が19年の9月期、一方で20年の9月期は借入金18億までストレッチできています。ストレッチしているというか、投資実行に伴ってお金を借りているというところです。なのでコロナ禍で、かつ、売り上げが減少トレンドにある中で、きちんと投資ができていて銀行さんとの取引も改善できた事例になっています。そして、21年の9月期においても投資金額は大きくなって、借入金についてもプラス1億オンされているというところで、ちゃんと返せるのかどうかという説明はきちんとしているのですが、これぐらいの規模の会社で、ほぼ年商に近いくらいの有利子負債を自社で調達しきれている、しかもコロナ禍でというところで、皆様もそんなに投資を恐れずにやっていただきたいと思います。
実現できたことは三つあります。この会社で実現できたことは大型投資用の銀行借り入れというのが1点目です。
2点目は、担保依存からの脱却と書いています。担保というのは元々既存で銀行に差し出していた担保もあったのですけれども、大型投資のタイミングに合わせてそこも全部見直して、究極無担保にしましたという話です。
3番目が経営者保障からの脱却ということで、皆さんも経営者保障をするために連帯保証をするかと思います。金銭消費貸借契約書を締結するときに、「これはもう社長の名前と住所を書いて、連帯保証しなきゃいけないのだな」ということでぽんぽん付いていらっしゃると思うのですが、そこもきちんと脱却できているというところで、経営者保証に依存しなくても担保に依存しなくてもこんなに大きな調達ができるというところはこの事例から学んでいただけるかと思いますので、是非このポイント三つ、実現できたことを押さえていただければと思います。
財務改善必要だった理由
まず事情から財務改善が必要だったということで、私達にご相談が来ました。財務改善前に2019年の9月において、F社の今の代表に変わりました。前代表がお父さんだったのですが、突然ご逝去をなされたということです。意図しない事業承継を2019年になされてしまいました。というところで、青文字で書いてある意図してない今の社長の承継が起こったことで、これはまずいのではないかということで私共にご相談いただきました。一方で、同時に走っていたことがあります。社長は前社長が亡くなったのだけれども、自分が社長になって、でも6億から7億の大型の投資を控えているということで、ここの本社移転の計画が具体化進行している中でお父さんが亡くなってしまって、自分も承継しなきゃならないという話がありました。当時、現社長はもうかなりやばいのではないか、大変なのではないかということでご相談いただいたのですが、船井総研としては大型の投資に合わせて、むしろこれは銀行取引を改善するチャンスなのではないかということで、この三つをご提案させていただいています。
一つ目が資金調達力のアップで先ほど書いたことと一緒です。二つ目が個人保証からの脱却、個人保証解除、三つ目が担保解除で、この三つを大きなメインテーマとして急ピッチで財務改善に着手すれば、「社長、これは1年後にはかなり良い条件にできている可能性があるのでちゃんとこれにチャレンジしましょう」というところで、当時今の社長も私達を頼っていただいて、「この三つをテーマにしてお話を進めましょう」となりましたというところでございます。
▼続きはこちらからダウンロードいただけます