本記事では、中小企業が実施している、
企業成長に向けた攻めのホールディングス化についてご紹介します。
目次
1 ホールディングス会社とは?
2 ホールディングス化診断チェックリスト
3 ホールディングス化の失敗事例
4 ホールディングス化のメリット・デメリット
5 自社の利点を踏まえたホールディングス化
1 ホールディングス会社とは?
グループ子会社となる事業会社の株式を保有する親会社です。
純粋持株会社、事業持株会社の2種類あります。
純粋持株会社
主な事業を行わず、事業会社を管理・統括します。
親会社ながら、上下関係はありません。
事業持株会社
事業会社を管理・統括しつつ、自社も事業を営む会社です。
そのため、ホールディングス会社自身の事業売上もあります。
加えて事業会社の地代家賃・業務委託手数料・配当があります。
一般的に中小企業では、オーナー一族が親会社のホールディングス会社の株式を、親会社が子会社の事業会社の株式を保有することが多いです。
ホールディングス会社の役割
ホールディングス会社設立の最大の目的は、株式の所有と事業経営の分離です
ホールディングス会社と事業会社でグループ戦略と事業戦略の機能を分けます。
迅速な意思決定で効率的なグループ経営を図ります。
効率的なグループ経営によって、グループ全体をスピーディーに成長させられます。
その上で、ホールディングス会社の役割は主に3点です。
1 グループ会社の全体統括
2 グループ投資戦略の立案実行
3 事業会社戦略の実行支援
2 ホールディングス化診断チェックリスト
ホールディングス化検討チェック項目
1 年商20億円以上
2 M&Aを積極的に行いたいと検討
3 複数の事業を展開
4 拠点が複数存在し越境展開(商圏広域型)
5 経営に関与していない株主が存在(後継者候補除く)
6 関連会社が2社以上
7 頼りになる同族外の社員が存在、社内の内部昇格又は外部招聘の検討可能
全7項目中、3項目以上該当する場合は、ホールディングス化を検討すべきです。
ホールディングス化の時期
実際に船井総研のご支援した企業の共通点です。
ホールディングス化の時期に共通点があります。
近年中小企業のホールディングス化が増えています。
更なる成長を目的としたホールディングス化です。
これを攻めのホールディングス化と言います。
企業のライフサイクルは導入期・成長期・成熟期・衰退期の4つに分類されます。
成長期には、2つの成長フェーズがあります。
第1フェーズ:既存商圏で、既存事業のトップシェアを目指し奔走
第2フェーズ:更なる企業成長を目指し、新規市場の拡大・新規事業の参入
1から2に入った企業がホールディングス化を検討しています。
3 ホールディングス化の失敗事例
守りのホールディングス化
ホールディングス化による失敗事例も存在します。
よく聞くケースをご紹介します。
相続税や贈与税等の税金対策、事業継承を目的とする場合です。
これを守りのホールディングス化と言います。
よくある失敗は3点です。
1 ホールディングス会社が機能していない
2 単に企業数が増えただけで管理が煩雑になっている
3 過度な節税スキームが国税庁から租税回避と指摘される
守りのホールディングスが悪いのではありません。
攻めも同時に考えることが重要です。
攻めと守り両面を考えることが、ホールディングス体制を成功に導きます。
4 ホールディングス化のメリット・デメリット
ホールディングス化のメリット
メリットは主に6点です。
1 効率的なグループ経営(株式所有と事業経営の分離ができる)
2 機動的なM&Aの実施
3 従業員のモチベーションアップとスキルアップ
4 柔軟な労働条件を設計(従業員にとって働きやすい環境を整備する)
5 事業リスクを分散
6 スムーズな事業承継
②ホールディングス化のデメリット
デメリットは3点です。
1 人材育成の必要性
2 管理コストの増加
3 連携不足による負のシナジー効果
自社の利点を踏まえたホールディングス化
ホールディングス化は、全ての中小企業の企業成長の最善策ではないです。
メリットだけでなくデメリットも生じます。
メリットがデメリットを上回る時、ホールディングス化をすべきです。
メリットを享受できる時、攻めのホールディングス化を検討してください。
他にも最新の業績アップ事例を踏まえて、事業に役立つ情報を発信していく予定です。
楽しみにしていてください。