第1講座のまとめ
第2講座に入る前に、先ほどの第1講座の橋本の講座の振り返りをさせていただきます。まず第1講座では事業計画作成の意義というところで、社内や社外でどのように活用できるのか、事業計画を作成することでどのような意義があるのか、お伝えさせていただきました。そして、最新の金融時流というところをお伝えさせていただいて、最後に事業計画の活用事例とキーポイントというところをお伝えさせていただきました。
第2講座-◆第2講座でお伝えしたいこと
事業計画を作成する意義、重要性をご理解いただけたかと思いますので、第2講座では次のような形で進めさせていただければと思います。まず、事業計画とはというところで、そもそも事業計画とはどのようなものなのか、どのような中身なのかというところをお伝えいたします。
また、事業計画の中身というところで実際に事業計画はどのようなもので構成をされているのかというところとポイントをお伝えさせていただきます。そして最後に、事業計画の作り方というところで実際に作る上でどのように作っていけばいいのかというところをお伝えさせていただきます。
では、まず初めに、事業計画とはというところで実際に事業計画はどのようなものなのかをお伝えいたします。
事業計画とは-◆第1講座の振り返り
第1講座の橋本の講座のほうでも「社内向けと社外向けの2パターンがあるよ」とお伝えいたしました。つまり社内で活かす場合、「社内での意思統一や進捗確認などのために事業計画を作りますよ、活用できますよ」とお伝えいたしました。そして、「社外で活かす場合には、中小企業さんの場合ですと特に金融機関に提出をするために作成しますよ」というところでお伝えをしました。
事業計画とは-◆社内で活用する事業計画とは
改めて、社内で活用する事業計画はどういうものかというところを簡単に振り返らせていただきますと、まず計画を作成して、1年間や3年から5年というような中長期的な計画を策定します。そしてそれを社内で公表して、会社全体で意思統一を図ります。そして事業を推進していく中で、進捗確認をしていき、しっかり計画通りにいっているのか確認をしていただきます。
そして確認をする中で、計画達成に向けてちゃんと進捗できてないところがあれば、しっかり軌道修正を行っていく行動をいたします。そして、この進捗確認と具体的行動というところで軌道修正を繰り返していくことで、社内でしっかり事業計画の活用をどんどんしていただくことができます。
社内ではそのように進捗確認などで活用をしていただけますが、社外で活用する事業計画とはどういうものなのかというところで、先程も金融機関向けに活用することができるということをお伝えしましたが、なぜ活用できるのかというと、事業計画というものは企業の未来を伝えることができるような資料になっています。
決算書も金融機関には提出しているような資料にはなると思いますが、決算書は過去の数字のみを表すような資料になっています。ですが、事業計画は将来の姿を文章と文字を通じて伝えることができます。
したがって事業計画は、売上や利益がどのように上がっていくのか、それを達成するために何をしていくのか、達成できる根拠は何であるかというところを示すことができるので、金融機関からの評価に良い影響をもたらすことができます。
先程の橋本の講座でも「金融機関からの評価を上げるためや、融資を引き出すために事業計画を活用しました」ということをお伝えしましたが、事業計画というものは金融機関からの評価に良い影響をもたらすことができる、格付けを良くすることができるという資料になっております。ですので、事業計画は社外に向けて活用することができます。
事業計画というものは社内向けですと、社内での意思統一や進捗確認のために使っていただけて、社外で活用する中では金融機関からの評価に良い影響を与えることができるというところでお伝えをさせていただきました。
第2講座-◆第2講座でお伝えしたいこと
次に、これから実際に事業計画の中身はどのようなもので構成されているかについてお伝えをしていきます。基本的にこれからお伝えする内容は金融機関から良い評価を得られるという前提ですので、社外で活用することを前提にお話させていただきますが、もちろん社内で活用する事業計画を作成される場合でも必ず必要なポイントをお伝えしていきますので、社内で活用すると考えられている方、金融機関向けに事業計画を作って金融機関からの評価を上げたい、あるいは今後融資を引き出す際に事業計画を活用していきたいと考えられている方はどちらも非常に重要なポイントになっていきますので、是非お聞きいただければと思います。というところで事業計画の中身に入ってまいります。
事業計画の中身-◆P/L・B/S・CF全ての計画を織り込む
事業計画の中身は、P/L損益計算書、B/S貸借対照表、CFキャッシュフロー、この三つの全ての計画を織り込むことが非常に重要なポイントになります。事業計画と聞くとP/L計画、損益計算書の計画を想像する方が多いかと思います。
どういうことかと言いますと、例えば、今期は売上1億達成したい、10億達成したい、もしくは、費用はどれくらい使って利益はどれぐらい出したいという、大体1年間で生み出す売上や利益といったところの計画を立てている方が多いかと思いますが、それは事業計画の一部になっていまして、損益計算書、P/L計画というものになるわけですが、必ず事業計画を作成して、例えば社内で活用されたり金融機関に提出されたりする場合は、特にB/S貸借対照表とCFキャッシュフロー、この三つの計画を必ず全て盛り込む必要があります。この三つの計画を必ず作ることをまず覚えておいていただければと思います。
では、P/L・B/S・CFとはどのようなものなのかというところを改めて説明させていただきます。まず、P/Lは損益計算書の計画になりますが、損益計算書は売上、原価、粗利、販管費、営業利益、経常利益というように、結構皆さん聞き覚えのあるようなものになるとは思いますが、1年間の売上や利益を示して、利益がどれだけ生み出せるのか、売上がどれだけ伸びていくのかを表すことができる計画になっております。
続いて、B/S貸借対照表の説明になりますが、P/Lが1年間の売上や利益を表すのに対してB/Sはどれだけの資産を持っているのかだったり、資産を賄うのはどのようなものか、例えばで賄っているのか、利益で賄っているのかというような会社の資産の状況を表すものになっていますので、P/Lの計画の動きに連動して、B/Sは会社の体力がどのように推移していくのか、会社の資産がどうなっていくのか、会社の安全性、利益の部分がどれだけ積み上がっていくのかを表す計画になります。
ですので、例えば投資を計画している場合や、それに伴っていく調達といったところをB/Sの計画で表すことができます。
最後にキャッシュフローの計画についてですが、その言葉の通り現預金がどう推移していくかというところがあります。キャッシュフローというのは、毎年会社でどれだけのお金を生み出すことができるのかというものになりますので、単なる現預金の推移だけではなくてどれだけ会社でお金を生み出すのかを表すことができる計画になっています。
なので、を返していっても毎年生み出しているお金で賄っていけますよというようなものを示すことができる計画になっております。
ということで、P/L、B/S、CF、全ての計画を織り込むことと、この三つがどのようなものかをお伝えしましたが、この三つの計画から格付けの際に重要視される「4つの財務指標」を示すことができます。格付けの際に重要視される「4つの財務指標」がどのようなものかと言いますと、例えば金融機関に決算書を提出した際や、例えば事業計画などを出したら金融機関は1年に1度、会社の格付けというものを行います。
その格付けによって1年間の企業への融資方針、どれぐらいのスタンスでお金を出すことができるのか、もしくはもう経営が悪化しているので出せないのかというような融資の方針を決めています。格付けの際にスライドに示してある財務指標というものを金融機関は見ています。
この財務指標をP/LとB/SとCFの計画を示すことができれば、この「4つの財務指標」の計画も金融機関に示すことができますので、P/L、B/S、CFの計画を織り込んだ上でそこから算出ができる「4つの財務指標」がどのように推移していくのかを示すということも付け加えてあげるといいと思います。
事業計画の中身-◆事業計画で外せないポイント<金融機関に提出する場合>
事業計画の中身というところでP/L、B/S、CFの三つの計画を織り込むことをお伝えしましたが、それにプラスで外せないポイントがございますのでそちらもお伝えさせていただきます。
まず一つ目が、数値計画が妥当であるかの「実現可能性」を示す必要があるというところです。例えば金融機関に数値計画を提出した際に、金融機関は、例えばどんどん売上が増えていくような計画であれば、本当にこれ売上をどんどん増収できるんですかと思ったり、本当にこれだけ利益生み出せるんですかと思ったりして、必ず疑いの目で見られます。
そうなった際にどうすべきかと言いますと、計画数値が達成できますという根拠や裏付けを示すことが必要になります。また、そもそもの数値計画が今まで大体同じぐらいで推移していたのに、いきなり200%成長とか、それぐらいでどんどん売上が増えていくような計画ですと、売上の伸びが大きすぎて達成できないのではと思われてしまいますので、前向きすぎるような計画ではなくて、達成大体できますよという見込みがある、堅めの数値計画を金融機関に出していただきたいと思います。
しっかり達成できる根拠、裏付けがあればいいですが、ただどんどん増えていくというような計画ではなくて、そもそもの数値設定を高すぎる目標にはしていただかないことをポイントに置いていただければと思います。
この計画数値の根拠や裏付けを示すべきというところの例で、分譲の販売をしている会社さんをご紹介します・・・