概要
現在、結婚式場を取り巻く経営環境は、少子化・価値観の多様化・価格競争など、かつてないほど厳しくなっています。中でも、「担当者によって成約率にばらつきがある」「お客様が“検討します”と言ったまま戻ってこない」といった課題は、多くの式場に共通して見られる悩みです。実際、ブライダル支配人の約9割が同様の課題を抱えているという調査結果もあります。
このような背景を踏まえ、船井総研では成約率の平準化と最大化を同時に実現する新たな営業戦略として、「新規コントローラー制度」の導入を提案しています。
業界の動向と今後について
「新規コントローラー制度」とは、新規顧客への接客を行うスタッフ(新規接客者)に対して、経験豊富な担当者(新規コントローラー)が戦略的に指示・支援を行う営業管理手法です。営業現場の属人性を排除し、組織全体の接客力を底上げする仕組みといえます。

4つのタイミングで行う「新規コントロール」
新規コントローラーは、以下の4つの重要なタイミングで具体的な指示を出します。
【1】接客前
来館アンケートや事前のヒアリングから得られる情報をもとに、当日の接客のゴールとストーリーを仮説立てします。
→ 新規接客者には、必ず聞いておくべき内容や伝えるべきメッセージを明確に指示します。
【2】内覧前
ヒアリング内容を受けて仮説を検証。内覧ルートや演出内容の調整もここで行います。
【3】サロン戻り
お客様の反応から仮説の修正が必要かを判断し、テストクロージングへ進むかどうかの見極めを行います。
【4】見積提示前後
クロージングに進めるか、あるいは見積・提案の再調整が必要かを判断。再来館のアポ取りもこのタイミングです。
新規コントローラーの主な役割と指導ポイント
■顧客の潜在ニーズの深掘り
「何を言っていたか」ではなく「なぜそう思ったか」まで掘り下げる質問設計が重要です。
■接客の比較分析
成約率の高いスタッフと低いスタッフの違いを可視化し、全体のスキル底上げに繋げます。
■ブックコントロールの最適化
売れやすい枠に偏らず、稼働率や利益率を考慮したブック戦略を指示します。
■支配人の求心力強化
支配人が新規コントローラーを兼務することで、組織内の統率力が強化されます。
導入による4つのメリット
【1】成約率が上がり、売上が飛躍的に向上
同じ集客数でも売上・利益が178%アップした実例もあります。
【2】売れにくい枠の販売促進
ブックコントロールにより、稼働が偏っていた枠も戦略的に販売可能に。
【3】不必要な割引の抑制
顧客の本質を見抜いた提案により、過剰な割引を回避できます。
【4】支配人のリーダーシップ強化
現場との一体感が増し、組織としての結束力も向上します。
導入ステップ:12か月で構築する体制
導入には段階的な設計が欠かせません。船井総研では以下の3フェーズでの推進を推奨しています。
■フェーズ1:現状分析
<競合調査/SWOT分析/スタッフ力分析/顧客動向分析>
自社の強み・弱み、機会・脅威を客観的に把握し、顧客ニーズや競合の動向を詳細に分析することで、制度導入の基盤を構築します。
■フェーズ2:戦略策定
<接客フロー設計/成約・失注分析/トークスクリプト設計>
現状分析の結果に基づき、成約に至るための最適な接客プロセスを設計し、成約・失注要因を分析することで、効果的なトークスクリプトや提案戦略を開発します。
■フェーズ3:制度運用と定着
<ルール策定/報告・検証体制構築/フィードバックの習慣化>
策定した戦略を具体的なルールやオペレーションに落とし込み、実行と検証を繰り返しながら、制度の定着化を図ります。定期的な報告とフィードバックを通じて、制度の改善とスタッフのスキルアップを継続的に行います。
ご相談は船井総研へ
船井総研では、「新規コントローラー制度」の導入をはじめとする営業力強化・利益最大化の実現に向けたコンサルティングを多数の式場様に提供しています。
初めての方は、「ブライダル経営研究会」への無料体験参加も可能です。
同業他社の成功事例や、すぐに使える実践ノウハウをお持ち帰りいただけます。
ぜひこの機会に、貴社の営業戦略をもう一段レベルアップさせる第一歩として、ご相談ください。